耳コピ曲分析「Taylor Swift We Are Never Ever Getting Back Together 」のサビ

大好きなテイラーの曲を分析していこうと思う。


メロディの分析

コード進行は「IVadd9 I  V VIm7」のループだ。
2小節で1周するので、2拍ずつコードが変化する。
今回もCメジャースケールに合わせている。

1〜4小節のメロディとコード

1小節目の1拍目のメロディはドから始まり、IVadd9に対して5度の音になる。
ドからソに急降下し、3拍目のミ、レ、ミ、レへの跳躍を演出する。

3拍目は前述のようにミから始まり、I に対して3度の音になる。

2小節目の1拍目はレの音になるが、この音は1小節目の4拍目の途中から伸ばした音になる。
いわゆるメロディを食うというやつだ。
Vに対して5度の音になる。
またソの音に下がり、3拍目のレへと気持ちのいい跳躍をする。

3拍目のレはVIm7に対して4度の音となる。
偶数の音となると、隣の音への上昇か下降かで緊張を解決しなくてはいけない。
この場合ミに上昇することで、5度の音になり無事解決する。
とはいえレの音を伸ばして使っているのでなかなかチャレンジャーだ。

3〜4小節目は1〜2小節を繰り返すメロディになっている。
リズムと音程をそのままに繰り返すため、印象的なメロディが頭に残りやすい。

ただ3小節目の1〜2拍だけはメロディを変えている。ミ→ソと行った後に1オクターブ下のソに一瞬移動する。このソに下降することで、1回目にもあったミへの気持ちいい上昇を繰り返すことができるのだ。
ミはIVadd9にとって7度の音だ。3度に並ぶ情緒あふれる音になる。
しかもソは9度の音になるので、オクターブ違いのソを2回使うことでadd9を回収している!
この変更により単なるループでは終わらない鮮やかさが演出される。

5〜9小節目のメロディとコード

5〜6小節目は異なるリズムのメロディパターンになる。洋楽はこのように3回目を変えるパターンが多い。
つまりあるメロディの形を「A」とすると
A→A→B(新出のリズム)→A
となるわけだ。
これは個人的に日本ではあまり見ないが、2010年代以降ぐらいからの洋楽でよく見かけるサビのパターンなので覚えておきたい。

5小節の1拍目はシの音で、これまたIVadd9に対して4度の音となる。すぐにドに移り5度の音として解決される。

5小節3拍目はまたメロディが食っている形だ。
シの音で I の音に対して7度の音になる。

またメロディの食いで変化をつけながらも、この5小節目はシ→ド→ド→ソ(下降)という形を2回繰り返している。
新規の形でも、繰り返しを入れることでキャッチーで飽きさせない演出をしている。

6小節目1拍目はこれまたシでVに対して3度の音になる。
ここのメロディのリズムもシ→ド→ドで、5小節目に似ている形になっている。

3拍目はドの音でVIm7に対して3度の音だ。
ここもリズムが食っている。
3度の音が続き、綺麗な響きになっている。
また、7小節目のミに跳躍してインパクトを残すためにシの音が最後に挟まれている。

7〜8小節目は3〜4小節目とほぼ同じだ。
ただしソ→レ→ミ→レ→ドが3〜4小節よりも1拍?ほどずらしたタイミングで入れられている。
こういう細やかな違いを入れていくことで、繰り返されるメロディとコードの形を飽きさせないように、なおかつ繰り返しの旨みを損なわないようにしているのだ。


ドラムの分析


特に語ることはないのだが、やはり5〜6小節のメロディの形が変わるところに合わせて、ハイハットの刻み方が変化している。
前述のA→A→B→Aという展開をするなら、ドラムパートもBでしっかり変化をつけないといけないということだろう。

ギターとドラムの分析


ギターは1〜6小節まで同じループが続く。
ただし7〜8小節はキックとスネアが鳴るタイミングに合わせてコードをかき鳴らす感じとなり、アルペジオの部分が消える。
画像には載せていないが、ベースも含め全楽器が同じリズムを刻む。
そしてスネアの後にどの楽器も休符が挟まる感じになるので緊張感が高まる。
簡単ながらも、サビの終わりのここぞという盛り上げのタイミングで入れてくるので、高揚感がすごい。

感想

ロードオブメジャーの「大切なもの」の時は拍の頭の音がコードに対して1、3、5度の音が綺麗に割り当てられていたのに対し、4度の偶数の音がよく出てきたりしたので、かなり参考になった。

コードに対して頭の1度の音はストレートすぎるが故になかなか使いにくいという話も聞いたことがあるが、この曲も1度の音は使われていないのでここも参考になる。

4つのコードのループと印象的なメロディの繰り返しという洋楽POPSのお手本のような曲だが、分析してみると細かな変化をたくさんつけることで飽きさせないように作っているんだなと大変勉強になった。

今なお熱い人気のテイラー。自分も大好き!

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