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FM大阪「ゴールデン・ライヴ・ステージ」リップ・リグ+パニック with ドン・チェリー コンサート(1983年10月23日放送)

FM大阪「ゴールデン・ライヴ・ステージ」リップ・リグ+パニック with ドン・チェリー コンサート(1983年9月7日、東京・渋谷公会堂にて収録)

放送曲目:
1. Eros; What Brings Colour Up The Stem?
2. Keep The Sharks From Your Heart
3. Met You
4. Alchemy In This Cemetry
5. Mr. Ace
6. You're My Kind Of Climate


 FM大阪(番組制作はFM東京)「ゴールデン・ライヴ・ステージ」(日曜日、21時00分~21時55分)で放送されたリップ・リグ+パニック Rip Rig + Panic の来日コンサートの録音。第3作 "ATTITUDE"(1983年夏発売)発売後のコンサートで、シングル "You're My Kind Of Climate"(1982年6月発売)、ゲスト参加のドン・チェリー Don Cherry 作品と番組アナウンスで紹介された "Met You"、レコードで発表されていなかった曲 "Mr. Ace" の他3曲は、"ATTITUDE" 収録曲となっています。

 "Met You" と "Mr. Ace" は、番組アナウンスで「メット・ユー」「ミスター・エース」と紹介されましたが、タイトルが表記された録音物や資料が見つけられず、正式な表記は確認できていません。"Mr. Ace" は、YouTubeに投稿されている "18 mins of Last Show at Commonwealth Institute 1983" と題された映像でも演奏されています。
 また、YouTubeには、"Rip Rig & Panic featuring Neneh Cherry and Don Cherry. Live in Tokyo 1983" と説明され、原宿「ピテカントロプス・エレクトス」での演奏とコメントが付けられている映像も投稿されています。

 ファンク、ジャズ、レゲエを基調にした演奏は、混沌とした躍動感で貫かれており、即興演奏の要素もあることから、録音されたものと印象が異なる場面も多くあります。正式なライヴアルバムが残されなかったことが不思議です。前述の映像では、二人のヴォーカリスト、ネネ・チェリー Neneh Cherry さんとアンドレア・オリヴァー Andrea Oliver さんのダンスパフォーマンスを見ることもできます。
 当日の演奏メンバーは、不詳です。番組ではアナウンスされず、当時の印刷物も見つけられないでおり、未確認です。前述の Live in Tokyo 1983 の映像では、二人のヴォーカル、ギター&キーボード(Gareth Sager)、ベース(Sean Oliver)、ドラムス(Bruce Smith)、ピアノ(Mark Springer)、ゲストのドン・チェリーさんに加えて、サックス奏者が映っています。"ATTITUDE" に参加していた Dave "Flash" Wright さんでしょうか。

 徳間ジャパンレコードが配給していた時期のラフトレードジャパンが発行していた新聞「ROUGH TRADE」No. 16(1983年9月)に、漫画家・イラストレーター・絵本作家の沢田としきさんが「GARETH」という漫画作品を寄稿されています。冒頭の画像はその一部です。沢田としきさんは音楽好きで、80年代前半の漫画作品には、音楽好きの登場人物が多く、背景などにも、その頃のラフトレードやチェリー・レッドからリリースされた音楽に親しんでいるひとなら微笑んでしまう描き込みが見られます。
 1983年9月の来日時、ガレス・セイガーさんは沢田としきさん宅に滞在して、親交を深めたそうです。漫画「GARETH」は、滞在の折の出来事を描いたものです。さらに、その一年後のロンドンでの再会が、紀行エッセイ「TRAVELLING NOTE」に描かれました。沢田さんは、現地でリップ・リグ+パニックの後継バンド、Float Up CP のギグにも足を運び、イラストと共に紹介しています。「エキサイティングで、セクシーで、アバンギャルドだ」。「TRAVELLING NOTE」は、初出は不明ですが、短編集『街角パラダイス』(CBS・ソニー出版、1986年6月)に収録されています。

沢田としき『街角パラダイス』(CBS・ソニー出版、1986年6月)

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