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FM大阪「TDKオリジナルコンサート」〈伊福部昭協奏曲作品集〉(1983年9月22日放送)

FM大阪「TDKオリジナルコンサート」〈伊福部昭協奏曲作品集〉(1983年2月10日、東京・簡易保険ホールにて収録)

放送曲目:
1. ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ
   Ritmica Ostinata per Pianoforte ed Orchestra (1961)
2. バイオリン協奏曲第1番「バイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」
   Rapsodia Concertante per Violino ed Orchestra (Concerto For Violin And Orchestra N° 1) (1948)
   I. Adagio - Allegro
   II. Vivace Spirituoso

演奏:
井上道義(指揮) 東京交響楽団
藤井一興: Piano (1)
小林武史: Violin (2)


 わたしは、クラシック音楽に疎く、日常的にあるいは積極的に聞くことは、ほとんどありません。いいなと思える曲が聞ければと、NHK-BS早朝のテレビ番組「クラシック倶楽部」を起き抜けに見たりはするものの、感度は低いと思います。取り扱いにも慣れていません。
 でも、幼少期に親しんでいたものが、のちの好みに影響を与えるとしたら、『ゴジラ』(1954年)、『大魔神』(1966年)を始めとする "怪獣" 映画のための伊福部昭さんの音楽は大きいと思います。所謂プログレッシヴ・ロック、ミニマルミュージック、デイヴィッド・ボウイ David Bowie のベルリン制作アルバムなど。"怪獣" 的な音楽が好きなのだと言っていいかもしれません。

 「TDKオリジナルコンサート」は、FM東京制作のライヴ録音によるクラシック音楽番組です。1971年~1987年の16年間にわたり放送された長寿番組でした。『ゴジラ』の音楽は、クラシック作品が元になっているという話は聞いていたものの、きちんと聞けたのは、この番組が初めてでした。曜日、時間帯は時期によって異なりますが、1983年頃は毎週木曜日の21時からの一時間番組でした。

 「リトミカ・オスティナータ」も「協奏風狂詩曲」も、映画音楽を思わせるフレーズを聞くことができて、愛聴しました。

 この放送を聞いてから、30年くらい経ったある日のこと。伊福部さんのクラシック音楽作品の代表曲を集めた "ベスト盤" CD『伊福部昭作品集』(fontec、2011年8月)を見つけました。安っぽいデザインに躊躇したものの廉価盤であることに負けて購入したところ、そこに入っている「リトミカ・オスティナータ」は、聞き馴染んでいる1983年2月10日、東京・簡易保険ホールでの録音で驚きました。「TDKオリジナルコンサート」の録音は、さまざまな形で盤としてリリースされているのですね。ただ、当時はクラシック音楽界に疎いわたしの視野では、初出盤を見つけることができませんでした。

 今回、ネット検索で、初出盤を調べてみました。「リトミカ・オスティナータ」、「協奏風狂詩曲」に加えて、同日に演奏された「二十絃筝とオーケストラのための交響的エグログ Eglogue Symphonique pour Koto à vingt cordes et Orchestre」(1982) を収録した『協奏三題』というCDが1991年に発売されていました。それから何度も再発され、廉価盤でも出ていたのに、知らないままでいました。次の機会には、あるいは見つけたときには手にしたいと思います。

『伊福部昭作品集② 協奏三題』


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