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「エンタメ」が苦手という話

「エンタメ」という言葉が好きではない。その在り方もあまり好きではない。
そう思ったきっかけは、映画がエンタメとしてくくられているのを目にしたことかもしれない。映画はエンタメとして扱われもするけれど、一方で「総合芸術」とも言われる。
それで、なぜ「エンタメ」が好きじゃないかと言えば、作品を「エンタメ」として観るのは、「ただの消費」だと思っているから。「ただの消費」というのは、「誰がやっても同じ体験」だと思っている。雑に言ってしまえば、コンビニのおにぎりを食べて、人によってそんなに感想は違わないだろう(感想すらはっきり持たないかもしれない)。同じように、分かりやすく盛り上がりどころ、感動のしどころを設定されたアニメやテレビドラマ、映画を、意図されたとおりに愉しむのは「消費」なのでは、と思ってしまう。あるいは娯楽か。そこでは観る側は、一方的に娯楽を提供される「お客さん」でしかない。創造性は必要とされない。芸術はそうではない。作品と観る側の対話を含めて芸術だ(らしい)。
娯楽が駄目なのではない。わたしもエンタメ的なアニメや映画を愉しく観るし、好きだ。ストレス発散にも効果的だ。でも娯楽ばかりでは、文化や感性が貧しくなりそう。いや違うかな、「芸術的な映画を観て高められているオレ」を感じられなくて、自尊心や満足感が高まらないからかもしれない。

分かりやすい作品でも、その人ならではの見方ができれば、ただの消費や娯楽ではなくなる。分かりやすさを備えた作品にも深みがあることも当然あるだろう。ただまあ、作品によって娯楽として愉しみやすいものと、芸術として色んな感じ方をしやすいものと、傾向はあるだろう。
わたしはエンタメ的な映画よりも、芸術的な映画を多く愉しみたい、と思った。や、映画全然観られてないんだけど、これから。

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