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香港波乱の幕開け

香港において9月からスタートする半年間のポップアップへ向けて、展示及び在庫分の商品達は7月下旬に仙台から出荷された。順当にいけば、遅くとも8月中旬には指定倉庫に到着しているはずだった。ところが、当時大流行していた台風が、到着のタイミングに合わせるかのように太平洋上で大暴れしていたのであった。しかも、後から分かった話ではあるが、物流会社の担当者が台風との衝突を懸念して、敢えて、1週間遅れの船でスケジューリングしていたらしく、結果的にそれが、台風と正面衝突するタイミングとなってしまい結局出荷されていなかったのであった。台風の通過を待ち出荷された船は、ただでさえ2週間近く遅れている上に、香港の港には台風のため荷揚げ出来ていないコンテナが山のように積みあがっており、最早、8月中の香港での荷受けは絶望的な状況となっていた。

コンテナ

そして、8月下旬に門間屋の商品を積んだコンテナが香港の港に到着はした。そこからは、ほぼ不可能と言う事は解っていながらも、祈るような気持ちと言うよりも、完全に祈りながら、8月中の荷受けを待っていたが、2日後には早々に不可能であることが判明した。それは、同時に、9月1日からのポップアップのスタートが不可能なことも意味していたのであった。まさかの事態に完全に頭が真っ白になってしまい、一瞬どうしてよいのか解らなくなったが、とりあえず、館側に謝罪の連絡を入れた。だが、事前に台風の情報が耳に入った時点で万一に備えて、念には念を入れて、商品が遅れる可能性を先方にも何となくにおわせていたため、先方もどうやら対応策を考えてくれており、何とか事なきを得た。軽くお叱りは受けたが、日程を念のため2週間遅れの9月15日からスタートする事でお許しを得た。
その後、香港の港の混雑も徐々に緩和され、1週間後には無事荷受けができた。そこからは、特に問題が発生することも無く、いつものポップアップを始めるかのような感じで9月15日のオープンを迎えた。それもそのはずで、展開スペースはいつものポップアップスペースの隣で、広さが倍になった以外は、スタッフ含めて、いつもと何も変わらないからであった。違っていたのは、このスペースにかける僕の意気込みだけであった。なぜなら、結果が伴えば、半年単位で継続を検討しても良いと館側から事前言われていたからである。だからこそ、最高のスタート切りたかったし、何よりも一日でも多く営業日を確保したかったのである。とは言え、過ぎてしまったことなので、気を取り直して、ワクワクしながら宿泊先のホテルから売場に向かった。そして、その道中で、ふと思い出したのが、以前に何となく占ってもらった占い師の言葉であった。それは「お店を始めるなら9月1日からのスタートはタイミング的にあまり良くないので、できる事なら9月15日にすると良い」と言う言葉であった。何と!!気が付けば、トラブル発生の結果、その言葉通りの9月15日スタートになっていたのである。しかも、娘の誕生日でもあった。まさかの奇跡的なめぐりあわせに、根拠の無い自信が沸き起こり、俄然うまくいく気がしてきたのであった(笑)

香港SOGO外観

2017年9月15日は金曜日であった。そのため、午前中は館自体の来客数もそこまでではなかったが、午後からは、いつも通りの良い感じの来客数となった。広くなった門間屋の売場には、今まではスペースの関係上、展示しきれていなかった多数の商品達が並んでおり、それもあってか、いつも以上のかなりの賑わいとなっていた。しかしながら、お客様がいるからと言ってすぐにポンポン売れる商品ではではないので、しばらくは我慢の時間が続いた。それもそのはずで、半年間の長期のポップアップとは言え、9ヶ月ぶりにスタートしたので、初めて門間屋の製品を見るお客様がほとんどだったので、スペースが広く商品が多いとは言え、状況としてはいつものポップアップと同じなのであった。

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その後、数日が経ち賑わいは変わらないものの売れない日々が続いていた。そして、僕の帰国のタイミングとなり、残念ながら売れないまま帰国する事となった。当初の期待や僕のやる気とは裏腹の手ぶらで帰国の状況に、不安が募ってきたが、どういう訳かK君はじめ売場のスタッフ達にはかなりの余裕が感じられた。売れてないのに「どっから来るのその余裕」と不安に思い、確認したところ、売れてはいないが、売場が広がり展示製品も増えたため、顧客接点が格段に増え、その結果、スタートして数日にも関わらず、現場にはかなり手応えがあるとの応えだった。更には、いつものように2週間で撤退ではなく、最低でも半年あるので、かなり売れるのではないかと言う、確信めいた自信のようなものすら芽生えているようであった。それを聞いて、僕の不安もある程度払拭され、何となく安心して帰国の途についた。そして、ある意味いつものように1週間が経ったあたりから動き始めた。一番最初に売れたのは、小箪笥であった。ここから、一気に売れ続けるかと思ったが、いつもと違い逆に約半年もあるので、そうは問屋が卸さず、中価格帯のものが緩やかに売れていくだけであった。

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そんな緩やかな日々の中、10月も2週目に入り、高価格帯の商品を検討中だったお客様の再来店が増えてきた。そして、それに伴い売上も二次曲線を描くように伸びていき、ようやく安堵のため息をつくことができた。

今後については次回以降で書かせていただきます。

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