暗黒面に落ちる

～皆様、ディズニーランドは行ったことがありますか？～

以前、テレビ番組で
国民の８割がディズニーランドに
１度は行ったことがあるとされていました。

私も行ったことがあります。

特に小学生の頃は
ディズニーランドに
連れていってくれるとなると
大はしゃぎです。

私は当時
スターウォーズが大好きでしたので
スターツアーズばかり乗っていました。

１日で10回近く乗った日もあります。

とにかく、ディズニーランドは
私にとって
まさに夢の国でした。

しかし、そんなディズニーランドに
関係した忘れられない悲劇が
私の遠い昔の思い出にありましたので
今回はそちらをお話ししたいと思います。

どうか皆様
お付き合いいただければと思います。

小学生の頃、祖父と祖母が
私と弟に
突然、ディズニーランドに連れて行く
と言ってきました。

父と母にディズニーランドに
連れて行ってもらったことはありますが
祖父母に連れて行ってもらったことはありませんでした。

私と弟は
突然のサプライズに驚き
とても喜びました。

祖父の車に乗りいざ出発です！

私は、ディズニーランドに着いたら
何に乗ろうかなと
色んなことを想像してウキウキでした。

弟もずっとニコニコでした。

そんな中、祖父が急に車を停めたのです。

家からディズニーランドまでは
何時間もかかります。

まだ数分しか経っていません。

私は、車の故障かと思いました。

しかし、祖父から発せられた言葉は

「着いたぞ～」でした。

ここは、
ディズニーランドではありません。
だだっ広い大きな大きな畑です。

父と母が仕事の時は
祖父母が私と弟の面倒を見てくれました。

しかし、
私と弟は農家である祖父母に連れられて
畑に行くことを、
つまらないのでよく嫌がりました。

そんな、私達におとなしく
畑に付いてきてもらうための苦肉の策が
ディズニーランドに連れていく(大嘘)作戦
でした。

私と弟は激怒しました。

絶対に、じぃじとばぁばを許せない…。

弟と結束して復讐を誓いました。

当時、テレビで
クワガタを鼻に挟むという
罰ゲームを芸人さんがやっていたので
あれをしてやろうということになりました。

早速、次の日
朝早くに裏山に行き
クワガタを探して
捕まえてきました。

この日は大漁で
かなり大きめのクワガタを
捕まえることができました。

私と弟はニヤニヤが止まりません。

今、思えばとても悪い考えですが
あの時の私達は
復讐に取り憑かれた悪魔そのものでした。

弟の笑い方は「グヘヘッ」でした。

そして、祖父母が家で昼寝をしてる時に
作戦を実行します。

私はクワガタの背中を掴むのが
得意ではありませんでしたので
弟が、右手に対じぃじ用クワガタ、
左手に対ばぁば用クワガタを持ちました。

こっそりこっそり息を殺しながら
祖父母に近づきます。

起こさないように

慎重に

慎重に

そして、2人の顔の近くまで来ました。

さぁ、復讐に囚われし弟よ。
今です！

ぎゃ～、痛い！痛い！痛い！取って！取って！

私の悲鳴が響き渡りました。

私の両耳を
クワガタが、ちからいっぱい挟んでます。

弟が祖父母の優しい寝顔を見て
罪悪感にかられて
私を裏切りおったのです。

私の悲鳴で
祖父母は飛び起き
祖父は私の耳についたクワガタを取り
祖母は私の頭を優しく撫でて慰めてくれました。

クワガタに挟まれた痛みと
こんなにも優しい祖父母に
このクワガタを鼻に挟もうとした罪悪感で
私は祖母に抱きついたまま
涙が溢れて止まりませんでした。

そして、
今度は弟に対する復讐の悪魔に
私は生まれ変わったのです。