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私の大好きな人

~皆様、勉強熱心な人は好きですか?~





私は、好きですよ。


常に向上心を持ち、自分を磨きあげることに余念がないという人を見ると
私自身、心が震え頑張ろうという気持ちになります。


私は、とにかく何かに
頑張っている人が大好きなのです。




でも、自分自身
頑張るのは苦手です。


私は頑張る人を見る専門です。


そんな私が、この人
すごい頑張っているなと
心を打たれた経験があるので
今回はそちらをお話しさせていただきます。


皆様聞いていただけないでしょうか?









去年のことです。
私に新しい部下ができました。


年齢は私より7つ下で
カジヤマくん(仮)という子です。


とてもおっとりして
優しそうな好青年
です。


私は、カジヤマくんのことが
大好きでした。


なぜなら、先ほど挙げたような
とにかく勉強熱心な男だったからです。

穏やかな性格とは裏腹に心には何か
情熱的なものを秘めていました。


私が何を話しても
カジヤマくんは、
とにかくメモしてくれます。


朝から晩までとにかくメモをします。


時には、定食屋に一緒に行くと
料理が来るまでの間に、
一生懸命メモします。




私は、なんて
勉強熱心な人なんだと感心しました。


こんなに素晴らしい部下を持ち
私は幸せ者だと思いました。






しかし、カジヤマくんは
とても勉強熱心なのですが
少し仕事のミスが多かったのです。


ただ、彼はまだまだ新人です。




ミスをするのは当たり前ですし
あんなに頑張り屋さんなのですから
間違えなく私に原因があります。



カジヤマくんのミスは
私の教え方が悪いのだと
私は自分を責め、深く落ち込みました。


もしカジヤマくんの上司が
私じゃなければ
きっと彼はすごい逸材になっていたことでしょう。


しかし、たまたま上司が
私になってしまったことで
彼は才能を潰されて
ミスを連発してしまっている…


カジヤマくんに対して
申し訳ない気持ちで一杯になりました。


カジヤマくん本当にごめんなさい。
頼りない上司で…








うわー!
私のバカバカバカー!
いけません!
何を考えているのですか私は!
こんな弱気でどうするのですか!?


カジヤマくんは
こんなにも一生懸命頑張っているのだから
私が落ち込んでいても仕方ないのです。



私がカジヤマくん以上に頑張って
頼れる上司にならないといけません!


私は気持ちを切り替えて
頼れる上司になることを決意しました。





まず何がいけないのでしょう?

自分も新人の頃
よくミスをしていました。


その時、先輩達から
どのように教わったのでしょう?


私は、もう一度初心に戻り
新人の視点になって
カジヤマくんは
何を考え何がわからなくて
ミスをしてしまうのだろうと
分析することにしました。


来る日も来る日も
試行錯誤を繰り返しました。



そんな、ある日
カジヤマくんがトイレに行くと言い
仕事場を離れました。


ふと、カジヤマくんがいた席を見ると
いつも一生懸命に書いてるメモ帳が
開きっぱなし
で置いてありました。


本当はいけないことなのですが
私は、
カジヤマくんのメモ帳を見れば
ミスの原因が分かるかもしれないと
チラッと
メモ帳を覗き込みました。



カジヤマくん、ごめん!
少しだけ覗きます!




すると、そこには

















私の似顔絵が
キレイにキレイにとても美しく
描かれていました。






…なんて美しい絵なんだ。

私の特徴をしっかり捉えていて
尚且つ、現実の私より
100億倍美しいのです。


絵の中の私は今にも
口にバラを咥えて
白馬にでも乗りそうな雰囲気です。



私みたいな頼りない上司を
こんなに美しく描いてくれて
ありがとう。



カジヤマくんの目からは
私はこんな風に映っていたのですね。


自信を無くしていましたが
部下からは
私は王子様のように見えていると知り
自信を取り戻せました。




ありがとう。カジヤマくん。






しかし、
今まで話した仕事のことは
1つも書いてありませんでした。






私は彼のメモ帳を見なかったことにして
それ以降、
カジヤマくんがメモをする度に
今日はどんな私を描いてくれてるのだろう
乙女のようにドキドキするようになりました。


そして、月日が経って
カジヤマくんも仕事に慣れて
ミスもなくなりました。


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