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【エッセイ】はじまりの幻想物語

~皆様は、剣と魔法の世界に憧れたことはありますか?~


私は、幼い頃ずっと憧れていました。


かっこいい剣を持って
派手な魔法を使って
冒険をしてみたいと夢を見ていました。


しかし、その願いは
現実世界で当然叶うことはないので
テレビゲームをして
冒険したいという気持ちを発散していました。



ちなみに、
私が子供の頃1番好きだったのは
ファイナルファンタジーでした。


まさに、私の憧れの
剣と魔法の世界でした。


しかし、そんな
ファイナルファンタジーで
ちょっとした事件があって
それを未だに忘れられないので
今日は、そちらについて
お話したいと思います。


皆様、冒険の準備はよろしいでしょうか?









私が、まだ小学校低学年の頃です。



どんなゲームでも、買ってあげれば
とにかく大喜びする私に対して
祖母が突然、
中古のファイナルファンタジー
買ってきてくれました。


私は、どんなゲームなのかは
わからない状況で
プレイしてみましたが
とんでもなくかっこよすぎる世界観
ドハマリしました。


しかし、
まだ小学校低学年の私にとって
難しい漢字などが
多くて一切ストーリーなどは
わかっておりませんでした。


そして、登場人物のセリフや
ストーリー進行のヒントなどは
全て飛ばしていたので
近場のモンスターを倒すだけで
全く新しいイベントが起こることは
ありませんでした。






そんな感じで
とにかくガムシャラに
ゲームをプレイしていると
いつの間にかボスらしきものが現れたのです。




さすが、ボスということもあって
今まで見たことないほどのダメージを
与えてきます。





私は何とか回復アイテムを駆使して
ボスを倒しました。







初めて、ストーリーが進んだのです。
倒した後、ボスが何か言ってますが
もちろんそれはスキップしました。




そして、
忘れずにセーブします。






ファイナルファンタジーって、
なんて楽しいんだ!


そして、ガムシャラに
ストーリーを徐々に進めていき
第2のボス第3のボス
なぜ倒さなければいけないか
わからないけど
とにかく倒してみせました。








しばらく
ゲームに没頭する日々を送っていると
弟も「ファイナルファンタジーをやってみたい」と言ってきました。




私は大きくため息をしました。



何を言ってるのだ。
君には、このゲームは大人過ぎる
まだまだ星のカービィをやっていなさい。




私は、弟のためを思って
ファイナルファンタジーをやらせないようにしました。





しかし、そんなお兄ちゃんの
気持ちもわからない弟は
母に私が意地悪しているとチクりました。


このゲームの難しさを知らない母は
私に「弟にもやらせてあげなさい」
叱ってきました。




仕方ないので
弟には、少し痛い目を見てもらうことにしました。




弟がファイナルファンタジーをプレイする
すぐ後ろで私は何もヒントを教えず
黙ってみることにしました。


きっと、すぐ飽きてしまうでしょう。


そして、お兄ちゃんが正しかった
わかることでしょう。








しかし、
私の想いとは逆に
弟はどんどんストーリーを進めていき
あっという間に最初のボスに辿り着いたのです。


…嘘だろ。
私は、ここまで来るのに何日間もかかったのに。


私は、この前まで
敵だったボスを必死で応援しますが
すんなりと弟はボスを倒してしまいました。


私は、ポカーンとした顔で固まりました。



弟が、すごい嬉しそうな顔で
私のことを見てきたので
私は急いでお兄ちゃんの顔に戻り
「少しはやるな」と言ってあげました。





そして、弟が
そのままゲームを進めようとしたので
お兄ちゃんとして
弟が過ちを犯す前に
コントローラーを奪い取りました。



弟は、「何すんだよ!」と怒りますが
私は弟に「落ち着け、ボスを倒した後はセーブしないとブレーカーが落ちたときとかに痛い目見るぞ。」と忠告をして
お兄ちゃんとして私がセーブするところは
やってあげることにしました。



私はいつも通りコントローラーを操作して
セーブしました。






いつも通り









いつも通り








そう、いつも通り…








私は、
いつも通りの操作をしてしまったことで
必死に進めた自分のセーブデータの上に、
弟のデータを
上書きセーブしてしまったのです。










私は、一晩中泣きました。




泣いて泣いて泣きまくりました。












弟が謝ってきました。



母も謝ってきました。




祖母も謝ってきました。




わかってます。
誰も悪くありません。


お兄ちゃんである
私が悪いのです。








あれから
20年ちょっと経ちますが
弟が未だに、あの時の私の泣きマネ
全力でしてきやがります。



~Fin~

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