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エルフくんが秘密基地に来た!

~皆様、伝えたいのに相手に上手く伝わらないって経験はありませんか?~


言葉って難しいですよね。

伝えたいことがあっても
思っていることと
真逆に伝わってしまう
なんてこともあります。


でも時には
相手の心と自分の心が繋がり
言葉なんかいらない
なんてこともありますよね。



そんな言葉ではなく
心と心が繋がりあった経験を
小学生の頃にしましたので
どうか皆様聞いていただけないでしょうか?









あれは真夏のとても暑い日でした。


私と弟は自転車で
駄菓子屋にアイスクリームを買って
家に帰ろうとしていた時です。




家の近くに1人の男の子
歩いていました。

金髪パーマで
瞳はブルー
肌は透き通るほど真っ白
外国人の男の子でした。




私と弟は、田舎で
外国の人を初めて見かけたものですから
気になって話しかけてみました。


ところが
返ってくる言葉が
全て外国語なので
さっぱりわかりません。


私はロード・オブ・ザ・リングに出てくる
「エルフみたいだね」と言いました。


そしたら、
ロード・オブ・ザ・リングのことは
伝わったみたいで喜んでくれました。


そして、私と弟は
その子に
エルフくんと呼ぶようにしました。




私達はエルフくんと仲良くなるのに
言葉なんていりませんでした。


いつの間にか仲良くなり
水鉄砲で水をかけあったり
ペットボトルロケットを飛ばしたりして
遊びました。





そして、家の裏山にある
私達の秘密基地にエルフくんを
招待することにしました。


秘密基地と言っても
ボロボロの椅子や使えなくなった炊飯器やテレビを置いてるだけの場所です。


エルフくんは、そんな秘密基地でも
楽しんでくれました。





そして、エルフくんは
私達が作った遊具を見て
すごくテンションが上がっていました。


その遊具というのは
木登りが得意だった私が
木の高いところにある枝にロープを結び
垂れ下がらせて作ったものです。


遊び方は簡単で
その垂れ下がったロープにしがみつき
ターザンみたいにぶらんぶらんと
揺れるだけの遊具です。



エルフくんは
そのターザンロープを気に入ってくれて
ずっとゆらゆらと揺れていました。


相当、気に入ってくれたのか
エルフくんは、
どんどんテンションが
上がっていきました。


外国語をたくさん叫びながら
ぶらんぶらんと揺れています。


エルフくんが何を叫んでいるのか
わかりませんでしたが
私達が作った遊具を
楽しんでくれているのがわかって
嬉しい気持ちでいっぱいでした。


こんなにも
私達の作った遊具を楽しんでくれる友達は
今までいませんでした。



エルフくん、君は最高の友達だ!





エルフくんは
どんどんぶらんぶらんと揺れていきます。


エルフくんの
テンションとロープの揺れが
最高潮に達した時です。



ボギッ



っと
枝が折れてしまい
エルフくんは
ピューンっと
ロープをしがみつきながら
勢いよく飛んでいきました。


そして、
そのまま着地に失敗して
ドシーンと
地面に思いっきり尻餅をつきました。




エルフくんは












「プリッティアー!!」






と初めて聞く外国語を叫びました。



私達は「大丈夫!?」
慌てて駆け寄りましたが


エルフくんは、とても痛そうにしていて
そして、ものすごく怒っていました。



私達にマシンガンのように
怒りの外国語を放ち続けます。


私と弟は
何を言われているのかはわからないけど
とにかく、わざとやったわけではないことを伝えようと


「ノー プリッティアー!
ノー プリッティアー!」


と今さっき知ったばかりの外国語で
必死に伝え続けました。



しかし、エルフくんには全く伝わらず
怒って帰ってしまいました。


エルフくんは
故郷に戻ってしまったのか
それ以来、会うことはなく
誤解を解くことはできませんでした。




やっぱり、言葉って難しいですね。




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