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家はあなたを見ている

~皆様、子どもの頃に見ていつまでも忘れられない夢はありますか?~



今回私が言う夢というのは
将来の夢のほうではなく、
寝ている時に見る夢のことです。



人は生涯で平均6年分の夢を見ると言われています。


6年分ということは
中学1年生が高校を卒業する期間と同じです。


この6年分を
私達はずっと夢を見るのです。


楽しい夢、不思議な夢、怖い夢、悲しい夢
様々な夢を毎晩見るのです。


その中で、
皆様は今でも忘れられない夢を見たことがありませんか?


特に子どもの頃見た夢というのは
印象に残りやすいです。


そんな夢にまつわる私の体験を
今回お話ししたいと思います。


どうか皆様お付き合いいただけないでしょうか?




小学生の頃です。


自分と弟の共有の部屋で
弟とダラダラしていると
女の子達の声が
隣の部屋で聞こえて来ました。


姉が友人を家に連れてきたのです。


私達は退屈していたので
「一緒に遊ぼうよ!」
声をかけに行きました。


しかし、姉はせっかく友達と遊んでいるのに弟達の面倒を見たくなかったため
「やだ!」と断ってきました。


私はムッとなり
自分の部屋に戻り
姉の部屋側の壁にヒップアタックをして
意地悪をしました。


弟も一緒に真似をしました。


ドシーン!ドシーン!


と思いっきり強めにやりました。

すると、私の家は古くて
壁も土壁だったため
ヒビが入ってしまいました。


私は、大変なことをしてしまったと
急いでウルトラマンのポスターを
ヒビが入ってしまった所を隠すように
貼り替えました。


弟には「絶対にお父ちゃん、お母ちゃんに言うなよ。」と忠告しておきました。







そして、その夜寝ている時に
夢を見たのです。


私は夢の中で
自分の家にいました。


突然、家中がガタガタ揺れ始めて
家にある全ての窓や扉が勢いよく
開いて、恐ろしいほどの風が入ってきます。


私は、怖くて
自分の部屋へ逃げて
扉の鍵を閉めて隠れました。


しかし、カギがいとも簡単に壊れて
何かが入ってきました。


髪の毛や手足が気持ち悪いぐらいに長くて
ガリガリの女の人が首を変な方向に曲げ
私を睨みながら近づいてきます。


そして、私の首を締めて
「壁を壊したのはお前か?」
と聞いてきました。


私は、ブルブル震えながら頷きました。


すると、その人は
「今すぐ親に話せ。
さもなければ、お前の弟を○○○」


私は、ここで目が覚めました。
たくさん汗をかいてました。


外はまだ真っ暗です。


急いで、隣で眠る弟を見に行くと


普通にスヤスヤ寝ています。


良かった。


私は恐怖のあまり涙が出てきました。


きっと、あれは
家の守り神なのかもしれません。


家を壊した私を叱りに来たのでしょう。


とにかく、このことは夢で言われた通り
父と母に言わなければ。


さもなければ「弟が○○○」される。
○○○がどうしても思い出せませんが
なんとしてでも弟を守らなければいけません。




リビングで父と母が
テレビを見ていたので急いで向かいました。


私が夜遅くにリビングに泣きながら
入ってきたものですから
父と母はびっくりしていました。





「ごめんなさい。家の壁を壊してしまいました。」


私が謝ると
父と母は、叱ることなく
優しく慰めてくれました。


それから、暖かいミルクを飲んで
私が落ち着くまで母の膝の上で
一緒にテレビを見ていました。





すると、
廊下から


ミシッ


  ミシッ


と足音が聞こえてきて
リビングに近づいてきます。


父と母に
「何か来てるよ。」
慌てて言いますが
「大丈夫だよ。」
全く相手にしてくれません。


そして、リビングの扉が
カチャリと静かに開きました。





扉の向こうには









弟が立っていました。



弟は何かに取り憑かれたかのように
うつろな目をしてフラフラしています。


私は、この瞬間思い出しました。




家の守り神は
「弟を呪い殺す。」と言っていたのです。


どうして?


私は親に壁を壊したことを
確かに言いました。


なぜ、私の大切な弟を奪おうとするのですか?


私は、また泣きそうになりました。


すると、弟は口を開きます。












「…アーピス」






…?



アーピス?


家の守り神様、アーピスとはなんですか?


いったい弟に何をしたのですか?


そして、弟は何もなかったかのように
リビングを出て部屋に戻っていきました。





母に聞くと
弟は、カルピスが飲みたくなると
寝ぼけてリビングに来て
「アーピス」と言いに来るそうです。


虫歯になるので
カルピスは飲ませないみたいですが
よくあることみたいなので
父と母はもう慣れていたそうです。




弟は、一切呪われていませんでした。



それ以来、
私は家を大切にするようになりました。
どこかで家の守り神様が見ているような気がして。




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