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ネックレスを付けてもらうとき


自分にネックレスをうまく付けられない
いや、たまたま付けられるときもあるけど
あれは偶然とか奇跡の類だ


ネイルしてるとか、爪が短いとか
そうゆう要因にも左右されるけど

基本的に自分では付けられないものと認識している

留め具が小さすぎるし、穴を探すのも面倒だ

全然付けられないから
挙げている両手がしんどくなるし
そもそもしんどくなるまで頑張りたくない

だから私は基本、18金の錆びない華奢なネックレスを付けっぱなしにしている

これさえ付けとけば、適当な無地のTシャツでもこなれ感が出てくる気がするからだ



こないだ久しぶりに歯医者に行った時、
レントゲンを撮るからネックレスを外してくださいと言われた

うまく外せずもたもたしていると
歯科衛生士のお姉さんが外してくれた
恥ずかしかったけど、一生自分で外せる気がしなかったからありがたかった

ちなみに私は手先が器用な方だ
こればっかりは向いていない


外してもらった上に付けてもらうなんて、おこがましいことはできないから
ネックレスはそのままポッケに入れ持ち帰った



その夜、ボーイフレンドと家で過ごしていた
テーブルには18金のネックレス

「ねえ、これ付けてくれない?」

ボーイフレンドはネックレスを手に取り、私の背後に回った

しばらく待っていると

スホゥゥゥ!!

振り返ると、
ネックレスの端を持ち直すため、何食わぬ顔で穴の部分を口で吸っていた

なぜかツボに入り腹を抱えて笑った

わたしこの人が好きだなぁと思った

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