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小さな旅行記 2024冬北海道行(5)

 二日目午後。いよいよ憧れ(?)の網走監獄に向かいました。
 ホテル近くの停留所からバスが出ているのでアクセスも良好です。

 さて、網走監獄と聞いて何が思い浮ぶでしょうか?
 映画「網走番外地」?
 それとも漫画「ゴールデンカムイ」?
 世代によって差がありそうですが、私は映画でここを知り、脱獄王のドキュメンタリー番組か何かでずっと興味津々だったのに金カムでとどめを刺された、という感じでした。元々明治時代の洋館建築が好きなのもあり、一度は訪れたい場所だったのです。

 幸いなことに空は抜けるような晴天、レンガの色が白と青を背景に際立ちます。

 ですが、一番の見所はやはり、あの特殊な構造をした監獄部分でしょう。
 看守がすべての囚人を一望のもと監視できるようにと設計された放射状の構造は他では見られない特殊な緊張感を漂わせています。

格子は外からは見えるけれども内からは見えづらい設計

今でこそ清々しい北海道の空気で満ちている屋内も、往時は生活臭が漂っていたことでしょう。なにせ、各部屋にポットン便所がついていているわけですし。冬場はともかく、夏はなかなかだったのではなかったでしょうか。

 敷地内には博物館もあり、当時の囚人たちがいかに過酷な状況下で初期の北海道開拓に重要な役割を果たしていたかを知ることができます。

工事中の宿泊場所、北海道の寒さが防げると思えない。

 当時の人権感覚では、囚人が寒さや事故で死んでも当然、と考えられていたそうで、実際に多くが亡くなりました。囚人といっても、初期は政治犯が多かったとのことですから、果たして「当然」だったのか。やはり人権は大切です。

悪名高き懲罰房

 敷地はかなり広く、一通り見学するだけでも二時間はかかります。
 博物館をゆっくり見たり、おみやげ物を選ぶのに時間をかけたいなら、最低でも三時間は必要かと思います。
 訪問記念には、ニポポ人形を購入しました。高校の修学旅行で北海道に来た時にも購入したのですが、いつのまにか無くなってしまったので再購入です。まあ、アイヌが作る本物のニポポ人形に比べるといかにも簡易版なのですが。
 歩いていると金カムのあんな場面やこんな場面が思い出され、心ゆくまで楽しむことができました。監獄を楽しめる身分でよかったものです、私。
 
 ここは本当にお勧めスポットです。
 北海道に行くならぜひ網走コースで!

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