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レビューの書き方を投稿したら、レビューしてもらった話

昨年の秋、創作大賞のベストレビュアー賞を受賞することができた。その時の喜びや授賞式の様子を書いたら、祝福の言葉とともに、自分もベストレビュアー賞が欲しい!というコメントをいくつもいただいた。

受賞作品であった「クリキャベ」は、書籍化され、その感想をXやnoteでもよく見かけた。その投稿の中で、感想文は苦手で、とか、感想を書いたら作者に失礼かも、という謙遜を超えたやや後ろ向き(と個人的には思ってしまった)な表現も見受けられた。

しかし、どの投稿も、しっかりと作品を読み、その時に感じたであろうご本人の気持ちが伝わる、温かな投稿だった。

僕も自信満々で書いているわけではないが、日頃から読書感想文を書いたり、昨秋の受賞の経験もあって、感想文を書くことは好きなことでもあった。

そんなとき、創作大賞の応募期間が始まり、昨年から引き続いてベストレビュアー賞も用意されていることが告知された。

賞は欲しい、でも感想を書くのは自信がない、感想文の書き方が分からない。とか、今年の創作大賞も読めるだけでいいんです。

そんな人がいるかも知れない、と思った。

なんで僕が受賞したのか、どうやってあのレビューたちを書いていたのか、考えていたら、記事として書きたくなった。

烏滸がましいけれど、書き手に多少なりとも喜んでもらえた感想文を書けたのは、きっといくつかのことを自分で決めていたからだと思った。

短い期間に、レビューを書くことを目的に読んでいた人は、ほとんどいなかったのではないかと思う。毎日の投稿のほかに感想文を書き続けるなど、正気の沙汰ではない。もうできないだろう。

ただ、あのときに自分の中で整理したことを、きちんと書き留めておきたいという気持ちもあって、それをきっかけに、感想文を書きたい人に届けばいいなと思うようになった。

妻にも相談し、構成や書き方についても一緒に悩んでもらった。

最後まで悩んだのは、有料か無料か。

多くの人に読んでもらうなら、間違いなく無料がいい。しかし、投稿を書く時間はかなりかかっているし、昨年幾つも書いた感想文があったからこその情報でもある。

なにより、この投稿を読めば、少なからず良い感想文が書けるという自負があった。それが無料で公開されたら、端的にライバルも増えるし、なにより僕が安売りされたようで嫌だなと思ったのだ。

有料記事は、買ってもらわなければ最後まで読めない。投稿を書きながら、最後に読み手の背中が押せるようにと力を込めた文章も、お金をもらってからでないと読めない。

普段、無料で読んでもらっているから、有料なんてちょっと感じ悪いかなと思ったりしたけれど、そういう近さのある、日頃から読んでくださっている方に届けたいという思いもあった。

あわよくばXでも広まったらいいなと、X経由のプロモーションも試してみた。

投稿したのは5月5日だった。

僕も同じだが、有料記事にスキをつけるのは抵抗がある。買ってもいないし、買うわけでもないのに、スキがつけられないという思いがある。

やはりスキが思ったようにはつかない。Xもあまり反応が良くない。「購入されました」と通知があったのは、投稿から数時間経ってからだった。これまでも有料記事を買っていただいた方が初めての購入者だった。まぁ、そうだよね・・なんて思っていたら、思いがけないことが起きた。(ここから先は、ほぼXでの出来事で、noteは淡々と時間が過ぎていた)

昨年の創作大賞の受賞者の方が買ってくださったのだ。

そんなに簡単に売れるもんじゃないよなぁ・・結構頑張って書いたけどなぁ・・なんて気持ちを呟いたら、その方が「良い記事過ぎて、なんと紹介したらよいか・・」と応えてくださった。・・嘘でしょ。

その方のXの投稿に、勿体ないほめ言葉が並んだ。それを皮切りに「購入されました」の通知が続き、XにもRPが増えていった。フォローしてくださっているかたが購入してくださって、シェアのための投稿をしてくださった。

翌日になると、別の受賞者の方が買ってくださった。僕はその方に感想文を書いていたわけでもないし、授賞式でもご挨拶すらできずにいた方だった。どんなふうに感じられたのだろうかとやや不安だったけれど、その感想は、とても嬉しくて、勿体なくて涙が出るほどだった。「選ばれた理由がここに全部詰まっている」

noteの中の方も反応してくださり、購入してくださった。noteはプラットフォームなので、無料記事のピックアップはやってくれるけれど、有料記事が注目記事に選ばれることはほとんどない。正直、今回の投稿は無料だったらひょっとしたら注目記事に選ばれていたかも知れないとぼんやり思っていたので、ちょっと残念な気持ちもあった。しかし、その”中の方”は個人的な投稿として、僕の有料記事をシェアしてくださった。

自分が書いた記事が売れることって、やっぱり嬉しいもので、それに感想やおすすめのコメントをつけて投稿してくださると、書いて良かったと心から感じることができた。

投稿してから、昨日で3日が経つが、まだ「購入されました」の通知がある。とても嬉しいし、励みになる。僕の手の内を全てさらけ出してしまったような気分だけれど、読んでくださった方が楽しく書くことができたらいいなと思うし、僕も教えたからには、ちゃんとしたものを書かねばと気合が入っている。

昨年ベストレビュアー賞を獲ってご一緒した方々にも購入していただいた。またお会いしたい、そんなふうに言ってくださって、本当に幸せだ。

もともと、こんなふうに振り返るつもりはなかったけれど、思いがけず嬉しいことが続いたので、感謝の気持ちをこめて、長々と書いてしまった。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






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