見出し画像

愛はとこしえ

秋田県の十和田と言えば、街の名前がついた十和田湖やその途中に伸びる奥入瀬渓流など、自然が豊かな印象です。僕たち夫婦は、結婚した記念に訪れた新婚旅行は青森県でした。お互いの出身でもなく、当時は親戚や友人がいるわけでもなく、妻と相談して決めた旅でした。

しかも、新婚旅行とは言いつつ、ほぼ無計画。交通手段と宿だけは事前に手配しましたが、現地に行ってから観光場所を決めるスタイルの旅行でした。今考えると、それも大人が2人だけだからできた旅でした・・。


十和田湖のそばに泊まって、翌朝に湖の周囲を散策したときの風景はとても印象的でした。9月の初旬に訪れたこともあり、秋の始まりのような陽気で、鏡のように穏やかな水面がとても静かな印象の湖でした。

当時、十和田に行くなら市街地にある美術館にも行けるかも・・と、向かった先が、十和田市現代美術館でした。街中に突如現れるカラフルな空間と、主張する建物たち、予想以上にアートと人が近い場所だと感じられました。

美術館の前のスペースは、アート広場と名付けられ、インスタレーションが。「愛はとこしえ十和田でうたう」というタイトルのこれらの作品群は、日本でも人気のあの方の作品です。

水玉模様とこの黄色いカボチャが、最もわかりやすいヒントですね。草間彌生の作品。美術館の常設展示としても、また国内外への存在感という意味でも、とても印象的です。

花の馬の彫刻の奥には、青森出身の奈良美智の大きな少女の絵も。屋外の展示物は、どれも生き生きとしていました。外壁に作品が描かれていて、美術館なんだけれど、パブリックスペースのような開かれた意図を感じられる優しい場所でした。

この美術館には有名な女性がおり、それがこの美術館の名物展示となっています。僕も、その実物を観たいという気持ちだったので、実際に会った時には衝撃を受けました。思いがけない大きさの人間が現れて、とても緊張した瞬間でした。(写真はありません。HPに作品紹介がありました。)

僕たちが訪れた時、企画展として、日本中の「夕方5時の時報」を録音して集めている展示がされていました。僕の地元で撮られた音源もあり、その音を聞くと不意に懐かしさが溢れてきて、アートが「観る」だけではなく、体験していくものでもあることを思わぬ形で知ることとなったのも、新婚旅行のおかげだったかも知れません。

美術館で展示されていた作品の多くが、外国人のアーティストによるものだったこともあり、現代アートの作品として世界的な評価を得る日本人はまだまだ少ないのかも知れないと、少し残念でもありました。

ただ、一般的な美術館という施設のイメージからすると、この十和田市現代美術館は、かなりコンパクトなイメージでした。展示室もあまり大きくなく、しかも少ない。その中で、斬新なアート作品を置くことで来る人の知的想像力を刺激し、また街の活性化にも繋げようとする思いの強さがあるのかも知れません。

街の変化を、アートで和らげること、それが新しい価値となり魅力になるのは、相当な戦略も必要になるはずですが、羨ましいなぁなんて思います。

現代アートってこんな感じ、の作品ばかりなので、ああだこうだと話しながら見たら楽しそうです。新婚旅行に美術館・・ありです。


青森県出身の奈良美智さんの作品・・あおもり犬のサムネイル、infocusさんありがとうございます!かわいいけど、何かちょっと不思議な雰囲気の作品が印象的です。青森、またいきたいなぁ。


#美術館 #新婚旅行









最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 これまでの記録などhttps://note.com/monbon/n/nfb1fb73686fd