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北斎とともに

身近な場所に浮世絵の美術館があり、葛飾北斎の作品を観て、年間パスを買いました。大北斎展と銘打った展覧会の後期の会期が、先週末から始まっていました。

かけかえの日数わずか4日。広くはないと分かっていても、デリケートな絵を外して、次の絵をかけて、作品解説なども貼り替える。その作業を考えた時、4日は短く感じました。

前期で、代表作が出ていたので、後期はそれなりだろうと思っていましたが、予想は裏切られました。

さまざまな滝を描いた滝巡り、雪月花シリーズ、橋のシリーズ、そして、富嶽もいくつか。躍動感と、美しさの表現に感動してしまいました。

さらに、北斎の弟子が描いた作品がいくつも展示されていたのも、とても面白い趣向でした。生涯で弟子が200人!とも言われている北斎、その中でも後世にも残る作品は、北斎のコピーではなく、それぞれの視点や表現がありました。

展示リストをもらい忘れて、名前も失念してしまいましたが、高弟の1人として紹介されていた絵師の肉筆画(浮世絵ではなく、紙に直接筆で描く絵)が、息を飲むような作品でした。

北斎の雪月花(季節の良い景色の略称なようなもの)は、川の風景に雪月花を合わせて書いていましたが、その高弟の雪月花は美人画との組み合わせでした。

着物の発色もとても美しいのですが、景色として合わせているそれぞれの雪、月、桜の表現が、考え抜かれた美しさを感じ、ハッとしました。特に、雪は、さっと観ただけでは気が付かないけれど、気がつくと降ってきていた、そんな儚い表現でした。

絵を見て、風や音を感じるのは、それは同じような景色を見たことがあるからだと思うのです。雪月花、として昔からの「よい景色」があって、それを現代でも見られること、それは風景は違うけれど、北斎のいた日本がずっと続いていることを伝えてくれるように感じます。

ジャポニズムという浮世絵ブームがヨーロッパで起ったのは知っていました。でも、今回は、建築家のフランクロイドライトが、浮世絵蒐集家で、落水亭(落水荘?)が北斎の作品から構想を得ているとする解説に触れて、また驚くのでした。

同じ日本人だから、というわけではないけれど、鎖国や島国という地理的条件から、勝手に外への発信が乏しいと思っていたけれど、ベロ藍(ペルシアンブルー:ロシア製の染料)や、琉球との関わりなど、交流があったことを浮世絵と北斎が教えてくれました。

後期も、何度も通うことになりそうです。

#葛飾北斎 #浮世絵 #アート #雪月花

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