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日展、行ってん

日本美術展覧会・・通称、日展にってん。昨日まで、東京の港区六本木にある国立新美術館で開催されていました。会期後の投稿となってしまい、やや悔しいのですが・・それは後ほど書くとして。

この時期になると、なんとなく我が家の風物詩的な存在である、日展に行きたくなるのです。そして、調べてみたら会期が終わりそう・・ということで、慌てて家族で向かいました。恒例になっているようで、なっていない(笑)時期を忘れちゃう。

下の子が生まれてからは、足が遠のいていた六本木・・およそ4年ぶりに行くことができました。

新美術館のガラスを主体にした外観は、初めてみた時にはとても驚きました。簡素でシンプルな美術館のイメージを覆す煌びやかさを感じたものです。中に入ってみると、そのシンプルさにちょっと安心しました(笑)

子どもたちも、さぞ驚くだろう・・なんて淡い期待をしていましたが、一眼見て「あ、しまじろうがいたところだ!」とか「君の名は、でご飯食べてたとこ!」と、すでに事前に画像の情報が仕入れられていて、今っぽいなぁ・・と苦笑い。

日展は、歴史ある公募美術展・・と言われていますが、チラシを見ると「第9回」の表示。上には、115の数字もあるし、since1907なんて書いてもあります。

調べてみると、運営団体が改組しているようで、その度に通し番号が付け替えられているのだとか。現在の組織で改めて開催された2014年から第1回となっているようでした。日展の前は、文展や帝展などの略称だったようです。

僕が幼い頃、父に連れられて上野公園にあった美術館に見にいったことがありました。当時は、展示会場がいくつも別れていたり、狭い会場に人がたくさんいて混雑していることもあり、疲れてしまいました。見ている絵も様々にあって、よく分からなかった記憶しかありませんでした。

数年前、新美術館で開催されるようになって初めて行った時には、部門ごとの会場の近さや広さがとても快適に感じられたものです。

特に詳しいわけでもないので、誰それの作品・・なんて知らないで見ているのですが、時代を反映したようなモチーフであったり、色合いや構図など目を引く作品を探しているだけでも楽しめました。

展覧会は静かに観るもので、小さなこどもには不向きで、周囲にも迷惑をかけるかも・・なんて心配もありましたが、ベビーカーを駆使して、ささっと見て回りました。

今年から、新たな試みとして小中高生向けに、作り手へ手紙を書くことができる企画を発見。

これは!と思った絵を描いた人に向けて、感想や質問、メッセージなどを送れるのです。ボードを持ちながら絵を見て、可愛い!きれい!すごい!などと言い合いながら、飽きずにたくさんの絵を見られました。

子が選んだのは、猫が描かれた涼しげな絵でした。僕は、感想とメッセージの違いを説明し、あとは子どもの書くのに任せることに。

お手紙、ということで出すだけで終わらず、後日お返事がいただけるのだとか。これは楽しみ。小学生ならやや冷やかしのようなイメージですが、美術を学んでいる学生さんにとっては、良い取り組みになるのではないでしょうか。

さらに、絵の横に二次元バーコードがあり、読み取ると解説が読める仕組みも現代的。それまで、作品を見てもどんな意図で描かれたのか分からなかったので、時間が許せば読んでみたかったなぁと思います。

彫刻の部も、さまざまな作品を見ながら、やっぱり「??」になるのですが、子どもと「〜みたいだねぇ」と言いながら歩くのは楽しかったです。

彫刻でも「おてがみ書くー!」と子が言うので、作品を聞くと、七宝(しっぽう)の作品。渋い・・。透明な氷柱のような素材の中に色のついたガラスの粒がところどころに配置されているものでした。

七宝(しっぽう)とは、主に金属の素地にガラス質の釉を焼きつけて装飾する技法、および、その製品。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

7歳からのメッセージ、作り手の方はどんなふうに受け取ってくれるでしょうか。そして、どんなお返事が来るのか楽しみです。

お手紙を書くと、結構大きな缶バッチがもらえる。

美術鑑賞は堅苦しいものになりがちですが、今回の日展は子連れでも楽しかったです。写真撮影も概ね可能(撮影禁止の作品や場所はある)なので、気に入った作品を撮影したり、子が好きな絵の横で一緒に撮ることもできました。

きっと会場内には、その絵を描いた人も歩いているかも知れませんが、なかなか対話できるものでもありません。お手紙という形で、時間差があるものの、作り手にメッセージが送れる企画に、大人ながら羨ましくなりました。

美術の裾野を広げる取り組み、絵を観に行くことが楽しいと思える工夫に、また来年も来ようと思わせられました。

来年また、子は一緒に行ってくれるかなぁ。


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