砂浜の写真があった
サーフィンには興味がなくて、ドライブもあまり得意ではなかったけれど、旅先で走った印象的な砂浜がある。長い長い砂浜の上を、ドライブできる道があるのだ。
「千里浜なぎさドライブウェイ」という道がある。石川県羽咋市にある千里浜海岸に沿って、およそ8キロも波打ち際の砂浜を走ることができるようになっている。
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その道、大体の位置としては、石川県の能登半島の西側、金沢市から北上して輪島方面に向かう道筋にある。砂浜を構成している砂の粒子が細かく、海水が入り込んで引き締まって固くなることから、自動車の走行が可能なのだとか。
写真のように正面の景色も印象的だが、水平線に沿ってドライブする景色は格別だった。気が向いたら、少し逸れて駐車し、波打ち際で遊んでもいい。夕日の時間帯なら、とても綺麗に見えるのではないだろうか。有料道路ではなく、一般道として開放されていることもあり、夏の海水浴シーズンは波打ち際にたくさんの車が停まっている。
僕の父の故郷が金沢で、僕が幼い頃は、毎年のように金沢に帰省した時期があった。しかし、輪島方面に足を伸ばすことは全くなかった。ようやく輪島方面への観光として車を走らせることができたのは、僕が大学生や社会人になってからだったと思う。
輪島の風景で有名なものは、海に向かって広がる棚田かも知れない。数年前は、冬の休耕期には畦道にライトを置いて、幻想的なライトアップをしていた。限られた土地で、稲作をしなければ生きられないという執念が、いまや観光名所として維持されているというのは、ちょっと複雑な気持ちがしたものだ。
なぎさドライブウェイは、現在通行止めになっている。棚田も、どんな景色になってしまっているだろうか。能登島にある水族館は、どうなっているだろうか。観光地ばかりが思い浮かぶが、そこに暮らしがあることも、旅先で見かける風景になっている。連日の痛々しい風景の報道は、遥か遠い場所のように見えてしまう。
僕たち夫婦は、結婚当初に石川県で作られた塗りのお椀を使ってご飯を食べていた。輪島塗りではなく、山中塗だったと思うけれど、軽くて、手にした時にほっとするような感触があった。味噌汁用のお椀も買いたいと思っていたが、実現していない。
先月の初めに、子と行った防災施設で震度7の揺れを体感したが、あれが連日のように続いているのだとすると、本当に辛い。3.11の時は、連日のように緊急地震速報が鳴ったし、関東に暮らしていた僕でも、少しの揺れでも目が覚めてしまう夜を過ごしていた。
旅先で見る風景は一瞬のことかも知れないが、それがずっと続いているとは限らない。何百年もあったものが、あっという間に消えてしまう悲しみは、そこに暮らす人たちにしか分からないかも知れない。
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