初めての有給を使って過ごしたあの時間
社会人1年目。7月下旬。
初めて午後休という有給を使い、平日の午後を堪能した。
地方から上京して都会の休日の人混みを知った私は、人気のカフェに行って待たずに入店し後に来る人たちを気にせずゆったりとした時間を過ごせるのは平日しかないのだろうと思い、平日に有給を使ってカフェを楽しむということが一つの目標になっていた。
まだ仕事にもそこまで慣れてはいないものの、有給が付与され、先輩たちからも
「休めるときに休んだりうまく有給使って楽しんでおけ〜!」なんて言われ、この日に決行しようと決めてからわくわくしていた。
真夏の日差しが照りつける正午、お昼休憩に入ると同時に私は退勤。
先輩たちから初有給楽しんでね〜!と快く見送られ、行ってきまーす!とルンルンで会社をあとにした。
目的地は清澄白河。
この日の以前にも一度訪れたことがあり、「この街もっと知りたい」となった場所だった。
日傘を持ってくればよかったと後悔するほどの日差しの中、目的地のお店まで歩いた。あまりの青空に、「天気まで私の初有給dayを後押ししてくれている♪」なんて気持ちになった。
お昼ご飯を食べていなかったのでまずはランチ。
しかし平日の弊害をここで経験。
「本日はテイクアウトのみになっています」の文字。
暑い中、お腹を空かして歩いたためやっと着いたと思った矢先のこのお知らせにHpが半分なくなる。
しかしダメもとでと思い入店。
「今日ってテイクアウトだけなんですか…」と聞くと、「あっ、いいですよ、どうぞ!」と快く2階の席へ案内してくださった。
何という幸運。本当にありがたかった。
暑い夏の日。メニューには涼しげなお蕎麦。迷わずそれを注文。
お蕎麦をいただいている間、「なんだこの優越感は…」と初めての感覚に陥った。
他の人が働いているこの平日の真昼間に、私は優雅にそばを啜っている。
これが有給か…と噛み締めた。
お蕎麦を食べ終わり店員さんに感謝の言葉を述べたあと、気になっていたカフェへと向かった。
暑い、暑すぎた。早くアイスコーヒーを体に注ぎ込みたい。
頭の中たキンキンに冷えたコーヒーのことばかり。
汗だくでたどりつくと、常連さんやカップル、親子、数組がすでにカフェタイムを過ごしていた。
Instagramで見て食べたいと思っていたプリンと、今最も欲しているアイスコーヒーを注文。
お好きな席にどうぞと言われたので、外の通りが見える席に着席。
なんて優雅な平日の午後なんだ…とぼーっと外を眺めているうちに注文したものたちが目の前に。
数枚写真を撮ってまずは冷えたコーヒーを一口。いや、二口、いや三口はいった。
あまり飲みすぎるとプリンの相棒がなくなってしまうので我慢した。
そして気になっていたプリン。
甘さが控えめでずっしりとしたプリン。
したにはスポンジ。単なるプリンではなく、プリンケーキのような。
プリンとカラメルの甘さ、そしてその後にすっきりとした苦味のあるコーヒー。
最高の組み合わせだ。
口の中が幸で溢れる。
外を眺めたり、SNSを見たり、調べ物をしたり。
そう、私はこんな時間を過ごしたかったんだ。
そう思いながら私の初めての有給は幸福感に満たされて終わった。
体調不良ややむを得ない通院などで有給を使ってしまうこともあるけれど、イベントに参加したり、特に予定はないけれどゆっくりと読書をするためだったり、休日は混みすぎていて行きづらい場所に行くためだったり、自分の幸福度を上げるために有給を使いたいなとあの日私は思った。
こうして仕事とプライベートのバランスを取っていくんだろうなと。
あの日の午後は、私にとって記念すべき半日だった。
雲ひとつない青空、照りつける太陽、穏やかな平日の街並み、カフェという空間そのもを楽しめたあの時間。
これからもこうしてたまに、有給を自分へのご褒美として使おうと思った日。
そして清澄白河にまた訪れるきっかけになった日。
みなさんはどんな有給の使い方、過ごし方をしていますか?
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