ONE PIECE テーマを知ると、三大将のキャストがあまりにも秀逸な衝撃。

人間はどこまで愚かなんだろう。いや、わたくしの事である。
私は松田優作のファンだ。今でも好きだ。永遠に好きだ。
ギャツビーのCMに松田翔太が起用されたとき、
「松田家にギャツビーが戻ってきたッ！」と両手を振り上げ喝采したようなバカである。
しかも「探偵物語」や「蘇る金狼」のようなアフロ時代にはあまり興味なく、「それから」に主演したあたりからのソフトな髪型の頃が好きだった。

ONE PIECE ワノ国編で、気づく方々は早々に
『ONE PIECE』ワノ国編のモチーフは第二次世界大戦!? 核兵器の示唆に飛び交う考察　など囁かれていたと。

鈍いので、そんなに早く気づかなかった。
読み解くつもりで再読をはじめたのはプルトンが海楼石でつくった潜水艇だと気づいてからで、グリーン・マイルのパロディから、Dはドラクロア（十字架）だと腑に落ち、お上の天敵「隠れ切支丹」の描写の多さに感心し、そしてインペルタウンの不自然かつ非効率な構造から、誰が水蒸気をそんなに欲しがっているんだ、タービンか？　で元素記号、プルトニウム・ウランで本題に至る。

ワノ国編が、ではなくイッシー20が登場したときから「20」が強調され続けるのは昭和20年、ワノ国と並行して登場したイム様が「16」であるならばそれは昭和16年から20年までの第二次世界大戦。
そこまでいけば、Dは「D-デイ」6月6日、パリの解放とジェルマの崩壊へ

ド・ゴール＝ゴールド・ロジャー
シャルル・アンドレ・ジョセフ・マリー＝マリージョア
に気づき、最初の投稿をした。

広島・呉港

これは海軍側、あからさまに最初から周知の事実だ。
そして原爆スラムと化した広島の本川沿いを舞台に、「仁義なき戦い」の主演者たち、菅原文太・田中邦衛

しかし。かつて原爆をテーマにした作品といえば井伏鱒二の「黒い雨」があり、松田優作の遺作は「ブラック・レイン」だ。

ブラック・レイン

「ブラック・レイン」というタイトルは、戦争でアメリカ軍が日本を空襲して街を焼き、その炎の煙が黒い雲になり、やがて黒い雨が降ったという意味である。 作中で日本人ヤクザは「アメリカが押し付けた価値観が原因で、佐藤のような仁義を尊重しないヤクザが生まれた」と言う。（引用）

「ワシが10の時や、B-29やってきおった。ワシらはみんな防空壕の中で暮らさにゃならんかった。外に出てみたら町は消えてしもうてた。そして雨が降り出した、黒い雨や。己らは黒い雨を降らせ、己らの価値観をワシらに押し付けよった。己らの作り出した家や、佐藤のような外道とな・・・わしはそのお返しをしとるんじゃ」

ブラック・レイン

原爆ではなく大阪の空襲。「手塚治虫と戦争」で大阪生まれの手塚治虫が空爆を受けたと語るその場所へまっすぐ繋がっていく。・・・だけでなく

人間の証明

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね？
ええ、夏、碓氷（うすい）から霧積（きりづみ）へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。

母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

西條八十 「ぼくの帽子」

思い出してみれば、優作ほど「麦わら帽子」にイメージされる俳優はそうそういなかったはずなのに、どうしちゃったんだ、わたしは。

ニカは、二禍である。
永井医師の「転禍為福」を成すためのニカ。
海軍のブランニューがいう凶事は二度の二禍。

黄禍論がまったく通じない怯みもしない主人公としてモンキー・D・ルフィは登場したはずだ。
ためしに頭の中で彼に向かって、この黄色い猿がと罵ってみると

右と左へ探すように首を回して、おまえ何言ってんだ？
サル？　あ、おれか。
バカだなぁ、これは肌色だぞ！　と手をグイーンと伸ばしそうだ。

ハダイロ。綺麗な言葉だ。
皮膚の色、ではなく肌色。
中国なら、肤色ですと。内臓・肝臓・腎臓、臓は月ヘンで書くからか。

モンゴルが怖かったから黄色人種はモンゴロイド
中国が怖くなり、日本に脅威を感じると、中国と日本が黄禍論の対象になる。

八カ国連合軍、8000人、麦わら海賊団は義和団の乱で間違ったところからやり直すのだきっと。だから中国文化の代表のようなボア・ハンコックとの良好関係がある。

最初から黄猿という大将を出しているでしょう、と作者が笑う声が聴こえそうだ。すべてフラッシュ・フォワード。

麦わら帽子

は、そもそもはチャーチルが教師の麦わら帽子を踏み潰した逸話から、採用されているはずだ。
「チャーチルはあの学校にいた間ずっと権力と衝突してばかりだった」

敵・味方ではなく、勝敗ではなく、讃えるべき人物と唾棄すべき行為とをよりわけている。
ド・ゴールなどゴール人だから、巨人族のモデルですし。

そして俳優のパロディも抜かりなく、出演作までわかっていて選んでいる。絶対そういう人間だ、

赤犬・菅原文太は「太陽を盗んだ男」のダブル主演をしており
黄猿・田中邦衛にいたっては、まー出演作の多さに舌を巻くが、「第五福竜丸」にも出演している。水爆ですよ、ビキニ、エドワード・テラー
あぁ尾田栄一郎、怖いねぇ。