毒入りトマトスープ

※私が母にされたことについての話です。読むのは自己責任でお願いします。


姉はトマトスープが好きだった。
母の作ったやつ。
ただ、姉が母に「今日はトマトスープが食べたい」と言ったある日、母が「わがまま言うな」とブチギレて姉を泣かせた。

食事を摂るのは、いつも怖かった。
いつ母が「楽しい食卓」の崩壊に怒るかと思うと怖くてたまらないのだ。
サンマってなんでこんなに骨が多いんだろうね。
私がふとそういったある日、母は私をクローゼットに閉じ込めて二、三時間放置した。

食事の席で、母の気に触ることを言おうものなら家の外に追い出されるか、箸を投げつけられるか、怒鳴られるか、わからん。
その後母は決まって優しくなるけれど、今思うとそれってDVみたいなものじゃないか。

私は今も、母を「毒親死ね」とか言えない。
だって優しい時もあったし。

前話してたネッ友が「私毒親育ちだよ笑」と言ってた時は心底羨ましかった。
そうはっきり言えたらどれほど良いことか。

私が家を追い出される間近、母はこう言った。
「わたしだって父(筆者の祖父)に殴られたのを我慢しているんだから、お前だって我慢しなさい。それが家族だ。」

私は「家族」を諦めた。

家の外に何時間も追い出されて、それでアパートの踊り場から飛び降りるかずっと悩み続けた幼少期を引き摺って生きている今。
何度も何度も母に「やめてほしかった、辛かった」と言ったけど。
そしたら「その時ちゃんと抵抗しないとわからないでしょうが。今更言われたってコミュニケーションにならない。」と返されて。
母はなんにも改めるつもりなんてなかった。

私は、母の作るトマトスープが苦手だった。
美味しいのかわかんなかった。
「美味しいです」を上手に言えないと、毒で心が壊れるから。

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