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桜の季節は、必ず予約してください!

 友人と四人で、伏見を巡りました。
 私が幹事です。
 心配だったのは、桜の開花時期でした。
 というのも、宇治川の渓流を「伏見十石舟」に乗って、舟の中から桜を愛でる企画を立てていたからです。
 
十石舟は江戸時代に淀川を酒や米、旅客を運んだ三十石舟を復元したものです。
 心配をよそに、旅行の日は7分咲き。
 土曜日ということもあって、伏見の街には観光客でいっぱいでした。
 
 友人たちを先導して、乗船場に向かうと・・・。
 川岸に長蛇の列が。
 ざっと数えても100名は並んでいます。
 友人の一人・K君が言います。
 「乗れないんじゃないの?」
 「大丈夫だよ、予約してあるから」
 「おっ、さすが幹事だね」
 
 ということで、並んでいる人たちの脇をスルスルーッと抜けて、
チケット売り場まで行き、名前を言うと乗船の番号札を渡されました。
 これで、もう安心。
 乗船時間まで、まだ90分くらいあります。
 すぐ近くの月桂冠大倉記念館を見て、日本酒の試飲をすることにしました。
 
 それにしても、予約せずに来る人たちのなんと多い事か。
 きっと、ここまで十石舟が人気とは思わなかったのでしょう。
 それとも、来てみたら、急に乗りたくなって列に並んだ人もいるかもしれません。
 気の毒ですが、ひょっとしたら5時間待ち?
 いや、この日は一日中満席で乗れないかもしれません。
 
 大学生らしきカップルの女性が、男性にぼやく声が聞こえてきました。
 「なんで予約せーへんかったん!」
 「ごめん・・・」
 男性は、うつむいて小さくなっています。
 
 さて、いよいよ乗船です。
さきほどよりも、列が長くなっていました。
その横をまたまたスルスルーッと通り抜けます。
 
 ほぼ、待ち時間なしで人気アトラクションに入場できる、「エクスプレス・パス」でUSJを巡った時のことを思い出しました。
 並んでいる人たちには、たいへん申し訳ないけれど、幹事としては優越感に浸ることができました。
 
 「伏見十石舟」は、冬季はお休みですが、柳の緑のトンネルを抜けるのも、色づく桜並木も見事です。
 くれぐれも、予約をお忘れなく。

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