サウナ初心者が本場のサウナに行く vol.5
初心者のくせに、フィンランドのサウナにこなれてきた私。
ヘルシンキ内でもっと本場を感じさせるサウナはないかなーと探してみたら、ヘルシンキ最古のサウナを見つけた。
Kotiharjun Sauna(コティハルユ サウナ)
1928年から営業しているらしい。100年以上!
早速夫に話すと、すっかり私の「旅は経験!」論に染まった彼も乗り気に。
タオルと着替えを持ってレッツサウナ。
道路脇に現れる腰にタオル巻いてるだけの人たち
路面電車でたどり着いた住宅街。坂の多い町並みを少し歩くと見えてくる、裸の集団。
公衆サウナの多くはマンションやビルの中に入っているので、外気浴はこうやって外まで出てくる。とはいえ道路って。
裸の人たちの間を通って中に入ると、ドリンク用冷蔵庫やちょっとしたテーブルがあって、そこで裸の人たちがビールの栓をあけている。その横では大きなお姉さん(服着用)が直径40cmくらいあるピザを頬張ってた。
奥のボックススペースにいるお兄さんに
「2人だねー。タオル持ってる?1人14ユーロ、先払いだよー」と言われ、2人分の料金を支払う。
後ろにいた夫が、ピザのお姉さんになにか話しかけられていた。どうやら、
「あなたたち日本から来たの?そこにピンを刺していくといいわよ」とのこと。
日本には3本くらいピン刺さってた。自分たちので4本目
男性用のサウナは1階、女性は2階。
じゃあ適当に1時間後くらいねと言って2階のサウナへ。
女性用サウナの入り口
中に入ると、古い木のロッカーがたくさん並んでいた。
すでにあがった人たちが髪を乾かしたり、テーブルでお茶とお菓子を楽しんでいたりと、皆さんわきあいあい。
子供もたくさんいた。古いけれど掃除は行き届いていて、とても綺麗。
ロッカーに荷物や着替えを入れて、日本の銭湯と同じようにタオルを前にあててシャワールームへ。
どうでもいいけど、あれは日本人特有の動作なのか。フィンランドの人たち、まったく隠す様子ない。
まぁ別にタオル一枚で何も隠せてないと思うけどね。
更衣室とサウナの間にあるシャワールーム
シャワールームには、石のベンチや簡易的なベッドが置いてあった。
子供用のお風呂のおもちゃなんかもあって、親切。
私が入った時は、ちょうど皆があがったタイミングだったらしい。
誰もいなかったので、ロッカーにiPhoneを取りに戻って、中の撮影ができた。
シャワーを浴びていざサウナへ。
わーん、誰もいないの怖いよー;;
すごい歴史を感じる!
マンションの2階とは思えない重厚な作り。奥には薪が無造作に積まれている。床もベンチ(階段?)もすごく熱い。
真夏のプールサイドを歩くように、ぴょんぴょん跳ねがら奥へと進んだ。
座布団サイズの簀の子が置いてあるのだけど、これは座っていいのだろうか。さすがにこの熱さはサウナマットだけでは防げない。お尻が真っ赤になってしまう。
……誰もいないから見本がない。
ううむ、とりあえず簀の子にサウナマット敷いて座ろう。
古い窯。絶対手をついたら大やけど。この穴の中に水をかけると、蒸気が上から出るようになっているが、私は届かないし、そもそもすでに熱いのでやめておいた。
薄暗いサウナ。人の気配もないのでかなり心細いけど、すぐに出るのはもったいない…!という根性で10分くらい頑張った。
そろそろ…と更衣室の方に戻ったら、ほとんどの人は帰った後。
地元のママ2人と子供2人が新たなお客さんとして来ていた。良かった!
さて、外気浴どうしようか。
さっき外にいたのは男性しかいなかったよね。
ネットで検索したときは、女性もタオルを巻いて外にいる写真もあったけど、さっきはいなかったし、そもそも今サウナに人がいない。
前回のサウナと違って今は昼間だし、なんてったって外は公共の道路である。夫が同じタイミングで外気浴しているとも限らない。
さすがに勇気が出ない…
ということで、更衣室の椅子に座ってみたけど、暖房が効いているのでまったく冷めない。
シャワールームのほうが気温は低いので、そちらの石のベンチで休むことにした。
さっきのママ友たちが入ってきて、子供の体を洗っている。
子どもたちは小学校低学年くらいだろうか。兄妹ではなさそうなので友達か。
洗われた子供2人はちょっと大きめな桶を用意され、お湯をためておもちゃをあてがわれると、二人でキャッキャと遊び始めた。
その間にママたちは2人でサウナに入っていく。
いまだーー!!と、私もサウナへ戻る。
ママたちは入り口横の蛇口からバケツに水を汲み、それを床に撒いた。
なるほど、これで歩きやすい温度に…
さすがのサウナの国のプロたちは、最上段まであがって寝転がり、おしゃべりをはじめた。
サウナ初心者の私は、最下段。やはりあの簀の子は座る用だった。
なんなら足の下にも敷いていた。なるほど。
たまにママの1人が立ち上がって、窯に水を入れてくれる。
立ち上る蒸気。めっちゃ熱い!よく最上段にいれますね…プロさすがです…
と思いながら、下段でがんばった。
ママたちも、外気浴は更衣室。お茶を飲みながら話したりサウナに戻ったりをこまめに繰り返していた。
私は3ターンくらいで終了。
着替えて1階に戻ると、ピザのお姉さんがニッコリ笑いかけてくれた。
夫はまだ出ていないようなので、フロントの隅っこで立って待つ。
どうでもいいけど、男性用サウナの扉は開けると中が丸見えである。
タオルも撒いていないおっちゃんたちが見えてしまうので、そっと身体の向きを変えた。
ドリンク冷蔵庫に入れたキャップ箱。Vault-boy…キャップ…ハッ!
ちなみにこれの横には横置きの冷蔵庫も置いてあって、持ち込んだ飲み物を入れる人もいた。外気浴に出る前にそこからビールを取り出している。
男性のお客さんはひっきりなしだ。ちょっと見えた(不可抗力)男性用更衣室は人がいっぱいだった。
夫がスッキリした顔で出てきたので、スタッフのお兄さんとピザのお姉さん(結局彼女はスタッフなのかなんなのかわからなかった)に、キートスー!モイモイー!(ありがとう!ばいばい!)と言って外へ。
夫は更衣室ですれ違った人に「君の彼女が外で待ってたぜ!」って言われたとのこと。
男性の方は常に人がいっぱいで、色んな国から来た人たちがワイワイおしゃべりしていたそうだ。
他にアジア人がいなかったからか、夫もたくさん話しかけられたらしい。
「どこから来たんだ?」「俺達はブラジルから来た」「今コロナやばいらしいけど、そっちの国はどうだ?」のような会話がとびかっていたとか。
夫もがんばって話したらしく、「新婚旅行で来た」と言ったら、色んな人に「そりゃおめでとう!!」と握手をされたらしい。
なんだよ!!楽しそうだな!!私も混ざりたかったよ!!
そんなわけでヘルシンキ最古のサウナは、夫は異国間交流を存分に楽しんだようだ。私はちょっと寂しかったが、夫はいい思い出ができたようでなにより。
夫がついに「英語話せるようになりたい。旅先でコミュニケーションしたい」と言い出した。よしよし!時期を見て2人で英会話でも習いに行こう。
私ももうちょっとスマートに話せるようになりたい。
夫「そういえば、サウナでめっちゃ汗かいていたら、『お前汗やばいぞ!!大丈夫か!?外行ったほうがいいぞ!』って心配された」
サウナのプロたちも驚く夫の発汗力。
まぁ私も初日に二度見したしね。羨ましい代謝だ。
これがフィンランド4回目のサウナ。
5回目は帰国日前日の夜に、最初に行ったLöyly(ロウリュ)にもう一度行ってきた。
ロウリュは2回目なので特筆することもない。
やはり夜の海沿いの外気浴は一段と冷えるし、それがまたすごくよい。多分「整う」ってこういうことなのかなってのがわかった。
ただ多分水風呂は私は無理なので、今後も外気浴で楽しんでいきたいと思う。
これで「サウナ初心者が、本場のサウナを楽しんだ」シリーズも終わり。
フィンランドは夫も私も大好きになったので、またいつか行こうと考えている。
次こそはお隣のエストニアも行きたい。
あっちは、スモークサウナが有名だとか。
別にサウナのnoteじゃないので、次からは普通にフィンランド旅やその前にした旅の話や、ごはんの話も書きます。
今後もよろしく。
TOP写真:最古のサウナに行く途中で見つけた、児童公園。可愛い遊具。
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