見出し画像

実録:1か月以上に及ぶ奮闘記 ― 国際線航空券の姓と名を逆にして購入してしまった件


この記事を読んでいるということは、、、あなたは私と同じように苗字(姓)と名前(名)を反対に入力して航空券を購入してしまったのでしょうか。
私が購入したのは、イギリス経由の日本―フランスへの往復便です。費用を少しでも抑えようと、格安航空券で知られる旅行代理店のオンライン予約サイトに必要情報を入力して購入しました。出発の2カ月以上前に購入しましたが、旅行の日程がちょうどGWに重複していることもあり、チケット代は37万円もしました。
旅程の運航会社は2社に分かれており、往路の日本~イギリス~フランスはいずれも外資系のB社。復路のフランス~イギリスはB社、イギリス~日本は日系のA社となっていました。

気づいたときには遅かった

購入後、座席の指定をしようと思い、航空会社のHPにアクセスしたときです。発券されたE-ticket情報を入力しても座席指定のページに到達できず、航空会社に電話で確認しました。すると、「お客様の姓と名が反対で入力されているようです。このままでは搭乗できない可能性があります。購入された旅行代理店にご確認ください」と言われました。慌ててE-ticketを確認すると、確かに反対に表示されているように見えます。
そこで、旅行代理店に電話して確認すると、「確かに姓と名が反対になっています。このままでは搭乗できません。残念ながら、お客様の購入したのは、変更ができない種類の航空券です。お手数ですが、再度購入し直してください。誤って購入した航空券は、払い戻し不可なので、返金されるのは税金等でせいぜい1万円程度です」と残酷な対応。本当に自分が間違えたのかと、半身半疑な状況で、同じ便の価格を調べるとそのタイミングでは45万円まで上昇していました。このまま勧められるがままに、航空券を購入しなおすと45万円の新たな出費になってしまう。意図して誤った情報を入力したわけではなく、ほんの些細な不注意で姓と名を反対にしただけで、かつスペルや生年月日の入力ミスはない。それで、購入し直せとはさすがにひどすぎる!!

旅行代理店・航空会社との交渉

困った挙句、旅行代理店に再度電話してみた。初めは「再度購入し直せ」と冷たい対応だったが、「姓と名を反対に入力してしまっただけで37万円が無効になるのは信じられない。対応をお願いする」と、何度も依頼すると、航空会社に掛け合っていろいろと調べてもらうことができた。そこでわかった概要は下記の通り。
・今回は往復とも1回ずつの乗り継ぎを含み、2つの航空会社で運行されている。航空券の姓と名を修正しようとすると両方の航空会社から許可をもらう必要がある。
・とくにA社はそのような依頼には応じてくれない。

どうやらA社がネックになりそうということが分かった。そこでまずB社の日本オフィスに電話して、対応可否を聞いてみた。B社の回答は「今回の場合は予約も発券も旅行代理店になってしまっている。弊社で変更することはできず、旅行代理店に問い合わせてもらうしかない。姓名が反対になった、代理店経由で購入した航空券を解決したという事例は把握していない。」
今回の航空券は航空会社ではなく代理店から購入している。なので自分が問合せできるのは、航空会社ではなくあくまで代理店なので、代理店に依頼するしかなさそう。その後、代理店にA社B社それぞれに対応に応じてもらうように、代理店にお願いした。代理店は両者に掛け合ってくれ、「A社はやはり応じてくれない。B社としては、A社が応じてくれると、応じてくれる可能性はある」という回答だった。
これ以上、旅行代理店では対応できなさそうだったので、A社に直接電話してみた。それ以降日を改めてやりとりをして(直接営業所へ1度訪問)、何度も食い下がったが、結局A社からの回答の概要は以下の通り。
・そもそも、航空券は氏名に誤りがあると変更できない。新規で購入するしかない。
・A社で直接購入したとしても、航空券の名前変更というものは認めていない。新規で購入するしかない。
・今回の航空券はB社の航空券であり、A社では対応はできない。(今回の航空券は2社で運行されるが、航空券の主幹はB社とのこと)
・そもそも、今回は代理店から航空券を購入しているので、A社は専用の窓口で代理店としか問い合わせには応じない。お客様とは本来直接やりとりする立場にない。
・何度も繰り返すが、A社としては変更できない、としか言えない。航空会社のポリシーのため。これ以上は何も言えない。
・当日カウンターでの対応に任せるかどうかはお客様次第。安全を期すためにも新規での購入を強く勧める。
いろんな人とも電話したが、結局のところ変更不可という結論しか述べず、社内のポリシーと言いながらどういう理由でそう決まったのかの説明はなかった。合計で5回電話して何度も対応を依頼したが、結果は変わらなかったので、変更不可自体は覆らないのかもしれない。しかし、A社の不十分な説明は納得できなかった。
一方で、B社の英語のHPにあるコンタクトページから同じことを質問し、下記の回答を得ていたため、当日の空港のカウンターの対応によっては搭乗できる可能性が比較的高いと思えるようになった。
• Just so you know, if you made a mistake entering a name when you booked, you won't be able to update or correct it when you enter your Advanced Passenger Information.
予約時に名前を間違えても修正できない。
• Airport security and passport control staff are used to seeing this, so it won't be an issue if your boarding pass or e-ticket receipt is slightly different from how the name appears in a passport.
保安検査の係員はこのような事例になれているので、搭乗券の名前がパスポートのそれとわずかに異なっていても問題にならないだろう。
• I really apologize, but we cannot amend the ticket if the ticket is made with travel agent as we get the control of the ticket only 24 hours prior to the departure time.
代理店経由で購入したチケットは当社では修正できないが、出発24時間前になったら航空会社が管理できるようになる。

当日に賭けるしかない

A社の運行区間は復路のイギリス~日本の区間だけで、他はB社の運航であることを考えると、これは非常に力強い回答。というのも、出発の日にB社のカウンターでチェックインさえできればフランスまでの搭乗券を獲得できるから。そして、帰路でフランスを立つときにもB社のカウンターで日本到着までの搭乗券を得ることができる。しかも、外国人は日本人の姓名が逆さになっていても気付きにくい?他社の事例は把握していないが、印象としては日系のA社は非常に硬く、臨機応変に対応できないのかしないのかわからないが、彼らのやっていることが世界標準には思えなかった。

結果としては

無事に当日B社カウンターで搭乗券を入手し、フランスに入国できました。復路も全く問題なく、帰国できました。当日グランドスタッフとある程度の論争は覚悟していましたが、結局何も指摘されずに搭乗できました(スタッフは姓名逆に気づいていたのかどうかもわからず)。チェックイン、保安検査、搭乗(乗継便含む)、入国審査などいくつかハードルはあるように思いましたが、何も問題なく通過できました。
ただし、今回のケースはあくまで一例です。仮に搭乗でき日本を出国できても、入国を認められない可能性もゼロではありませんし、万が一事故や遅延、荷物紛失などが起きた場合にどの程度保証されるのかもわかりません。実際にマイレージ会員ですが、マイルも付与されませんでした。そして何より、(航空会社や当日のスタッフの判断によるところが大きいのかと思いますが)当日空港でチェックインを認められない可能性が十分にあります。ブログを見ているとそのような事例もあるようでした。あくまで自己責任で。事前に判明して安全を期すなら航空券を再度購入するのがいいかもしれません。ですが、当日カウンターでの交渉で搭乗できた事例もあるようです。スタッフに対して粘り強く交渉し、ご自身が海外での乗り継ぎや入国審査にも問題なく通過できるだけのタフな人間と見せつけられるのも大切かもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?