東京人は何も生産しちゃいねぇ
~農民ロッカー和気優さんの音楽と農業への想い~
冒頭のセリフ、何年か前に誰かに言われました。消費するだけのヒトが集まる東京だと。
第一次産業をしている皆さんは「自然」と直接向き合う。イネと向き合う、豚と向かう、魚と海に向き合う・・・。だから自然って何かを肌で感じている。宇宙の摂理を体感で感じ取っている。
都市の人間はそれを知らない。食べ物が何かを分かっちゃいない。挙句の果てに自分自身の身体の声を完全に無視をするし、誤った信号を感じて甘いモノを食べすぎたり、人間自身が作り上げたアミノ酸で舌を狂わせジャンクフードを衝動的に食べる。
和気さんを理解しようと思って一生懸命に質問してみた。
「ライブハウス回っている他に・・・」とそこで遮られる。「ライブハウスじゃねぇよ!そんなとこ、俺は行かねえ」
和気さんの音楽はみんなに聴かせているんじゃない。一人ずつへの手渡しのメッセージ。だからライブハウスのノルマ制度が大っ嫌いだそうだ。
音楽を使って手渡ししてんだよ。
みんな消費社会の犠牲になってんだよ。
ライブ後、みんなで食事して最後は主催者の有機やさい農家 阿部さん、養豚している茨木さんも交えて4人で語った。私はもっぱら聞く。農家の今が見えてくる。
「F1種※って3世代も作れば自家採取できる」和気さんのいう宇宙法則がここにもあった。人間の力なんてそんなものだ。
会場は「みどりの丘 むつみ舎」元スワラジ学園。そこに泊まることにしていた。朝早くにバスで帰るという私に和気さんが送ってくれるって言ってくれた。駅までクルマでも30分くらい。その間、お話してくれた。
「和気さん、行動力があって・・・」って言ったら、また否定された。
「俺さ、行動力って言われるの抵抗あんだよね。自分のミッションで動いているからさ、違うんだよね。自分に矛盾がある生き方したくねぇからな。」
私は農業にシフトする勇気はない。スゴイと思うって話をしたら、自分が意図しなくてもミッションを感じる衝動の瞬間ってくるもんだ言われた。少しずつ出来ることってあるしなって言われた。
あーそうかもな。
帰り際、和気さんが農業をする大分県臼杵に行く約束して別れた。
特急に乗りながら、ようやっと書き上げたお礼のメッセージ。
歌と米を通して、メッセージを手渡ししてくれたことへの感謝をつづった。私にもくる衝動に備え、縄文米を食べることから少しずつ始めてみるって書いた。
そのメッセージに💕マークがついて、一言添えられていた。
「よろしく、農FUTURE!」
やっと何かが通じ合った気がした。
※F1種:一世代に限って安定した一定量の収量が得られる品種。
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