S-42　さくらぼうやの長い旅

『こんにちは”』って言いながら何かが落ちてきたよ

　おや　何だろう。ふわふわと何か落ちてきましたよ。
『こんにちは”』って言いながら・・・

きのうぼくは風に運ばれて空に舞い上がり
はじめて広い世界をながめたんだ。
太陽の光はまぶしかったよ。
白い雲の上には真っ青な空があったよ。
ぼくはちっとも知らなかった。あの雲の向こうにもっと広い世界があるなんて。
ぼくは仲間と一緒に上空へかけのぼり　とても冷たい風にぶつかったんだ。
凍えるほど寒かったよ。でもみんな一緒にくるくる舞いながら風の流れるままに楽しくあそんだよ・・・

『あら　モモどうしたの　鼻の頭に何かのっかってるわよ。おやおやさくらの花びらだわ。どこから飛んできたのかしら。この辺りじゃ　まだ桜は咲いてないわよね。』

フフフ・・・こんにちはって　風にのって歌っていたのはさくらの花びら　さくらぼうや　だったんだね。