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「犯罪を肯定する理由にはなりえないが、同じタヌキを増やさない為に。」この背景に権威と特殊技術が加わったカンタとシャクレは歴史的大犯罪者。

子育ての失敗は、「過保護型」「高圧型」「甘やかし型」「無関心型」の4つのタイプに分類できる。 この4タイプには、非行少年の親のみならず、すべての親が当てはまるという。 各タイプがそのまま失敗というわけではないが、どのタイプであれ、行きすぎると「危ない子育て」となってしまう——。 ここでは、1万人を超える非行少年・犯罪者を見てきた犯罪心理学者の出口保行氏が、子育てにひそむ危険や注意点を解説した『犯罪心理学者は見た危ない子育て』(SB新書)より一部を抜粋。親から「高圧型」の子育てを受けた結果、特殊詐欺に手を染めてしまったトモヤの事例をもとに、「高圧型」の子育てが子どもにどのような影響を与えるのかを紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く)

https://bunshun.jp/articles/-/65696

高圧型の子育てとは?
 高圧型の親は子どもに対して支配的で、親の言う通りにさせようとします。何かと束縛し、些細なことにも干渉します。従わない場合には罰を与えることが多く、「〇〇しなければ、こんなに大変なことになる」といった恐怖心をあおるのもその一例です。 学歴や就職先など、社会的評価につながる部分に関してはとくに干渉が強くなることが多いです。世間体を気にするのです。また、親自身が引け目に思っていることを子どもに投影し、補償しようとします。 子どもは親の顔色をうかがうことが常となり、自主的・積極的に物事に取り組もうとする意欲が育ちません。失敗したときは、「そもそも自分の判断ではない」と考えるので、他罰的になります。自分の存在を認められていないという思いが強く、自己肯定感が低いのも特徴です。

一方的に命令して、子どもの気持ちを無視
 トモヤの父親は高圧型の典型でした。「~しなさい」と命令し、「~してはいけない」と禁止する言い方が高圧型を象徴しています。しかも、非常に一方的であることが問題です。トモヤの希望とは関係なく、父親の価値観にもとづいて物事が選択されていました。「健康のために野菜を食べなさい」くらいのことは、ほとんどの人が言っていると思いますが、「運動はサッカーをやりなさい」「洋服はこれを着なさい」と指定するのは違和感がありますね。親の好みを押し付けており、子どもの気持ちを無視しています。 トモヤは当然、不満を抱いていました。しかし、「お前のためを思っているんだ」と言われると、反抗もできません。長男の自分に、いい大学に行っていい会社に入ってほしいと期待しているのだということはわかっていました。 期待されること自体は、嬉しいものです。不満を持ちながらも、親の言うことを聞く「いい子」として育ってきました。

子どもからのSOSに両親は聞く耳を持たない両親
 中学2年生のときに、初めて両親にキレて不満をぶつけましたが、両親はこのときに気づくべきでした。 トモヤからのわかりやすいSOSです。よく話を聞いて、子育ての方針を修正することができれば、その後に大きな問題が起こる危険性は減ったに違いありません。多少の問題があっても、うまく対処して乗り越えていくことができたのではないでしょうか。 ところが両親は聞く耳を持たなかったので、トモヤは失望し、完全に親を信頼できなくなりました。表面上は言うことを聞いておき、家を出て自由になることだけが目的になったのです。 少年鑑別所での面接の際、

トモヤは「マナとの交際を卑劣な方法で否定された。あいつらは最低だ」

と両親への怒りを激しい言葉で語りました。彼にとっては相当ショックな事件だったことがうかがえます。両親に敵意に近い感情を抱いており、親子関係の調整が難しいケースであると感じました。

教育とマインドコントロールは紙一重
 トモヤは高圧的な親から逃げることを選択しました。 しかし、逃げることができない人たちもいます。極度に高圧的な親のもとでは、心理的に拘束され、親の言う通りにしか動けなくなってしまうのです。 たとえば、外出や買い物などあらゆることに親の許可を必要とし、行動を制限する。親の言うことは絶対で、口答えをさせない。支配下から逃れようとすると何かしらの罰を与える。 このように支配されると、子どもは常に親の顔色をうかがうようになります。自分から積極的に行動することができず、やりたいことがあっても、まず「親はどう思うだろう」と考えます。次第に、自発的に考えることをやめてしまい、何でも支配者の言う通りに動くようになってしまいます。もはや「逃げたい」とも考えません。これはまさに「マインドコントロール」です。 マインドコントロールという手法は、近年の旧統一教会関連のニュースでも聞かれますが、日本では最初、オウム真理教事件で有名になりました。天才、秀才と言われるような若者が多く入信し、「地下鉄サリン事件」ほか次々と凶悪な事件を起こした背景には、マインドコントロールがありました。 普通の感覚からすると「なぜ、そんなに頭のいい人が異常な行動をとるのか?」「おかしいと思わないのか?」と理解に苦しみますが、支配下に置かれた者は、何でも支配者の言う通りに行動するようになってしまうのです。

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心理的拘束から逃れるのは非常に困難
 当時私は東京拘置所に勤務していたため、多くのオウム真理教関係者を心理分析しました。「これをしなければ、こんなに悪いことが起こる」「ここから抜け出せば、こんなに酷いことが起こる」と、長い期間にわたって繰り返し刷り込まれてきており、支配から抜け出すことがいかに難しいかを実感したものです。 2016年、千葉大学の学生が、中学生の女子生徒をアパートに2年間も監禁していたという事件がありました(朝霞少女監禁事件)。 この事件がメディアで報じられたとき、「なぜ2年間も逃げられなかったのか?」ということが話題になりました。アパートは厳重に鍵をかけて出られないようにしているわけではなく、目の前には千葉大学があり、助けを求めることができそうな環境だったからです。女子生徒がひとりで買い物に出かけることもありました。
「女子生徒はなぜ逃げなかったのでしょうか?」 当時、メディアに呼ばれて何度も聞かれました。 まるで逃げ出さなかった被害者が悪いとでも言うような論調は、困ったものだと思います。 女子生徒は心理的に拘束されており、逃げられなかったのです。これは少しもおかしいことではありません。 ちなみに、監禁していた大学生は「一番すごいと思うのは麻原彰晃」と語っており、マインドコントロールについて勉強していたことがわかっています。早い段階で恐怖を与え、逃げたら大変なことになると刷り込んで、心理的に拘束したのでしょう。 物理的には拘束されていなくとも、心理的拘束から逃れるのは非常に困難です。

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↑ 全文こちらの記事より転載させて頂いております。
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こんなことはどうでもいいから早く〇んでほしい、と被害者は思うだろうが。

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