鳥の自慢がしたかったの

うちのコザクラインコ、めっちゃ可愛い。
誰に見せても「可愛い」「キレイ」以外の票が入ったことがない。

お世辞?違う。
まっちがいなく、キレイと可愛さでいえば、世界の上位30%には入る。
100人いれば105人が可愛いという、怪奇現象的な可愛さで人も霊をも魅了する魔性の鳥だ。

しかし、1人だけ例外が。

以前、獣医の友人にこのインコを見せた。
直前に獣医の飼っている猫を見せてもらい、当然我が家のコザクラインコのほうが可愛いと確信しながら、その猫を褒めちぎった。(※合法的な票の買収)

さぁ、今度はウチの小(←小鳥の小)のばん。
存分に褒めていただこうと写真を見せる。

目を輝かせた彼女の第一声

「まぁ、なんてキレイな脚!」


…アッシ!

我がインコの中で唯一、太古の爬虫類感むき出しのパーツ、脚!!

ジュラ紀より 受け継ぐ脚の 凶悪さ
捕食されしは 我が祖先かな

ダメ、そこ、見ちゃダメなとこ。
見ないふりしなきゃ、ラブバードのコーティングから恐竜の末裔という真の姿が垣間見えてしまう。

羽、クチバシ、声、目、9割9分7厘カワイイでできてる我がインコの、唯一残った3厘の血生臭さ。

鳥の脚って言うなれば、
バレリーナのつま先。
ドラァグクイーンの2徹明け。
女優の鼻毛処理。
生徒会長の裏アカ。
もういい。

驚いた。
インコは人間にとって、羽色や顔や鳴き声を愛でる生き物で、愛でる部分だけ見ていればよいと思っていた。
獣医にかかれば、まず目に入るのは脚なのか。

彼女曰く、その鳥が大切にされているかは、脚とエサを見ればわかるという。
そういえば、ちらりと写ったエサを見て「よくタマゴ産んじゃう?」と質問もされた。

正解だ。あまり栄養豊富なものを食べさせると産卵しまくって体力を消耗するため、我が家ではインコより小型のフィンチ類のエサを食べさせるよう指導されている。

やはりその筋の専門家というのは視点が違う。ダーウィンの祖父であり医師であったエラズマス・ダーウィンは、ルナー・ソサエティという月に一度の会合で、哲学者やデザイナーや職人など分野違いの人々と盛んに情報交換していた。
これはきっと、医師の視点からは見えない真実に近づくための工夫だろう。

鳥の脚発言はで専であった私が、新しい鳥の見方を知った瞬間だった。
私がいかに我がインコを愛しているかが脚に出ると知れば、残り9割9分7厘とのギャップも愛しく思えてくる。

考えてみれば獣医でなくとも、ドラァグクィーンさんとか生徒会長さんだって、私に新たな気づきをくれる存在だ。

noteでさまざまな人の記事を読むと、色々足りない私であっても、徐々に引き出しを増やしてもらっている気がする。
色々足りないのですぐに忘れてしまうのだが、深層心理に何かは蓄積されていると信じている。

私も誰かの深層心理に蓄積される何かを、残せたらいいなぁ…と思っているのだがしかし。
最近、私をnoteの路地裏に引っ張り込もうとする人がいる。

私は彼女やその友人たちのような、怪奇でサイケな視点は持ち合わせていない。

どこにピントを合わせてもマジョリティな一般論しか出てこないというのに、畏れ多くも東方三博士から新たな星座を与えられ、今こそ己の殻を破る時だと促されている。

おかげで週末だというのにnoteをサボれない。
鳥とちがって胎生なので、破る殻など持ち合わせていないというのに。

鳥自慢からちょっとイイコト言ったふうで締めくくろうと思っていた矢先。
上記の記事を読んでしまったがために、もう、何を書いても「なんのはなしですか」にしかならない。

インコどこいった。
獣医といい裏路地といい、なぜか私のインコ自慢はことごとく失敗する。

このまま彼女に飲み込まれる運命なら、せめて「やっぱコイツ大したことなかったな」となるタイムリミットを少しでも延長すべく、私は新たな気づきを求めてnoteレイクで溺れまくるしかない。

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