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経済学の歴史(根井雅弘)(2)【どこまで続くよ教科書紹介・・・終わりが見えん】(2/3)

では続きを。
前回と同じく、
私の理解力不足でわけわかめんたいこな状態でもお許し下さい。
今日はマルクスからです。

1、 ケネー     フランス王国。   1760年ごろ。
2、 アダムスミス  イギリス      1790年ごろ。
3、 リカード    イギリス      1810年ごろ。
4、 ミル      イギリス      1840年ごろ。
   今日はここから↓
5、 マルクス    ドイツ、イギリス  1860年ごろ。
6、 メンガー    ドイツ       1870年ごろ。
7、 ワルラス    フランス      1870年ごろ。
8、 マーシャル   イギリス      1890年ごろ。
      ここまで↑
9、 ケインズ    イギリス      1930年ごろ。
10、シュンペーター ドイツ、アメリカ  1920年ごろ。
11、スラッファ   イタリア、イギリス 1960年ごろ。
12、ガルブレイス  アメリカ、     1970年ごろ。

5:カール・マルクス


ご存じ共産主義の始祖です。

結論:私的所有を廃止せよ。なぜなら労働の疎外を生むから。

労働の疎外とはなんぞ? ということですが、説明が難しいので対義例を出してみます。

疎外されてない労働の例:作家が自分の作品を販売する。

これは疎外されてないですね。なぜなら。
1、 自分で作って自分で売ってるから。
2、 自分が作りたいから作ってるから。
3、 作って売れてうれしいから。

逆にこれがない労働が「疎外された労働」ということです。
疎外された労働の定義:
1、 意味不明なものを作ってる。
2、 命令されて仕方なく作ってる。
3、 売れようが知ったこっちゃない。そんなことより金をくれ。

要するに、この時代の工場労働は非人間的だからあかん、と言ってます。
共産国だって同じじゃんというのは禁句です。

結論:下部構造が上部構造を支配する。

上部構造は政治とか外交。下部構造は経済のことです。
要するに政治が先にあって経済が決まるのではなく、
経済の有り様が政治や外交の在り方を決定するのだ。
歴史を変化させるのは経済だ。英雄とか政治家ではない。
ということです。

結論:労働価値説

要するに「労働には価値があるに決まってるだろ。需要と供給で勝手に賃金を決めるのはおかしい」ということです。

結論:資本家は剰余価値を搾取している。

要するに、労働力を安く買い叩けば資本家の利益が増える、ということです。
マルクスは数式まで書いて証明してますが、ここでは省きます。

結論:資本家は過当競争によってますます少なくなる。

競争に敗れた資本家は消えて労働者に転落し、勝ち組はますます少数に、そして大資本家になっていきます。

結論:最終的に資本主義は自滅する。

マルクスいわく「生産手段の集中も労働の社会化も、それがその資本主義的外皮とは調和できなくなる一点に到達する。そこで外皮は爆破される」

しかし「資本論」では、なぜ資本主義が自滅するのかを、はっきり書いてはいません。

【*個人的には「資本主義は自滅する」という直感は、とてもいい線いってると思うのですが、現代社会から見ると「なぜ自滅するのか」をうまく説明できてないな、と感じます】

6:カール・メンガー


限界効用理論を説明し、後に「限界革命」と呼ばれる時代を築いた一人です。

結論:限界効用逓減の法則

満たされれば満たされるほど価値が低くなる。
お腹が減っているときのカレーライスと、
お腹がいっぱいの時のカレーライスでは、
お腹がいっぱいの時のカレーライスの方が、価値が低いです。
(カレーライスだったら他の客に売るしかないけど)
つまり供給過多の時は安くなるということです。

結論:限界効用均等の法則

複数の欲望は、満足度によって均等に満たされようとする。
お腹が減ってるときはまずカレーライスが欲しいが、
お腹がいっぱいの時はカレーライスより、むしろコーヒーが飲みたい。
その時はコーヒーの方が、価値が高いことになります。
つまり需要が満たされると、他のものに需要が移っていきます。

結論:高次財は低次財の価格に制約される。

要するに、卵が高ければ、オムライスの値段も高くなるということです。
当たり前のようですが、これまでの経済学では誰も特にこれを指摘しなかったみたいです。
嘘でしょ?

結論:価格は交渉力で決まる。

A「一束100円が妥当だな」
B「一束80円が妥当だな」
AB「「90円で取引しよう」」
AB「「両方とももうかった!」」

要するにお互いにとって財の価値が違うので、価格帯にばらつきがあり、その範囲で決まる、ということです。最初から決まっているのではないということです。
ちなみに後述のワルラスみたいにズバリ決めることは、メンガーは嫌がります。

7:レオン・ワルラス


「限界革命」家のひとり。一般均衡理論の作者。
限界効用理論をもとに、価格が決まる具体的なプロセスを、方程式でズバッと数式化しました。

結論:価格はこの方程式で決まるっー!

要するにワルラス方程式を解けば、
価格がズバリと予想できる、ということです。
もし違ってたら、見逃していた何か足りない(計算式に入れてない)要素があることを示唆します。
具体的な式はここでは書きません!!(お許しを)
もっとも現代においては、ワルラス方程式は不完全であることが証明されているそうです。(その内容については本書で書かれていませんでした)

またワルラスは自称「科学的社会主義」者であり、要するに「俺はマルクスとは違う」と但し書きしつつも、結論として土地の国有化などを主張してました。

結論:すべての土地は国有化しろ。そうすれば地代が税収になるだろ。他は無税にしろ!

8:アルフレッド・マーシャル


とある時代に経済学の最高権威だった人。
この人の教科書を読んで勉強した人は少なくないはず。

というかあのあまりにも有名な
「需要供給曲線」マーシャリアンクロスの作者。
これを見たことのないやつはもぐりだぜ!

結論:価値は最終効用度によって決まる。

要するに「需要供給曲線」で決まるということです。

結論:部分均衡理論

ワルラスの一般均衡理論にケチをつけた考え方です。
商品の値段が決まるにはワルラス方程式を解けば良いというだけではなく、
以下の3つの場合を考えなければいけません。
1、一時的均衡   店の在庫を売り切るまでの値段の決め方。
2、短期正常均衡  今ある工場をフル稼働させた場合の値段の決め方。
3、長期正常均衡  新しく工場を新設した場合の値段の決め方。

結論:賃金基金説の批判

賃金基金説とは、要するに賃金を低くすればするほど利潤が大きくなる、
だから経済成長のためには、賃金を低く保たねばならぬ。
という考え方ですが、
マーシャルは「そんなの間違ってるよ!」と言いました。
これを有機的成長の理論と呼ぶようですが、難解すぎてよくわかりません。

結論:自由放任主義の限界

この辺りからアダムスミスの自由放任主義、市場経済万能論に欠陥があることが認められるようになりました。
具体的には、以下。

結論:外部経済と外部不経済

外部経済とは、たとえば企業活動によってインフラが構築され、社会全体にプラスの効用があること。
外部不経済とは、たとえば企業活動によって公害が発生し、社会全体にマイナスの効用が発生することです。
ここから先は弟子のピグーが述べた部分ですが、
外部経済には補助金を、外部不経済には罰則的課税を課すことで調整せよ、というのが結論です。

結論:現金残高数量説

貨幣量が増大すると、物価が下落する。
この時はまだ貨幣量と物価の関係性を述べただけでした。弟子のケインズが発展させます。

今日はここまで・・・・疲れたち

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