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解離性障害ー「うしろに誰かいる」の精神病理(著:柴山雅俊)【僕は読書紹介なんだが、最近、俺だよおれ。俺が読書紹介なんだよ。で、何を紹介するんだ?】

2007年の本なので最新知見に基づくものではないですが、
いわゆる解離性同一性障害(多重人格)や、
そこまでいかないものの解離性障害、についての一般教養解説書です。

まずいわゆる典型的な「多重人格」の症例の紹介などから始めます。
しかし、本書は「多重人格」にスポットを当てたものではなく、
解離 ― 自分が自分の肉体から離れたように感じる症状。
について専門的な解説を述べたものです。

幽体離脱のように、自分が自分から離れて、俯瞰的に見ているとは、
いったいどういうことなのか?
どういう体験がそれに該当するのか?

それを健常者に理解させるために、
多くの症例の発言から、健常者でもなんとなく感じることがある、
後ろに誰かいる感覚。
自分を上から見ている感覚。
すべての物質に同化してしまう感覚。
金縛りにあう感覚。
イマジナリーフレンドを持つ感覚。

引用として、
メルロポンティの哲学から、
宮沢賢治の文学まで出てきます。

宮沢賢治は著者によると解離的なところが観られるそうです。
もちろん直接診断しているわけでもないので、
分かりようがないのですが。

私は多重人格って、
普通の人間が当たり前にもってるもので、
同じ記憶を共有しているから自分たちが同じ存在だと考えている、
そういうシステムだと仮説を立てていましたが、

幽体離脱的なものを同じ枠組みで説明するとなると、
かなり違った実態があるということに。

また解離性障害は、
境界性人格障害や、
統合失調症との判別が難しく、

診断を間違えると治療が効果を出さないという点もあるようです。
解離だと思ったら統合失調症とか、あるいはその逆、
というのが少なくないみたいですね。

とりとめのない解説になってしまいましたが、
本書は知識本です。
それも読んで楽しい知識本ですので、
小説とかではなく少しでも知識を入れたいという人には、
面白い本である推薦できます。

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