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怪物はささやく(2016年)【映画感想するための映画を作るようになった。だがふしぎなことに誰も観ないのだ。さてこの話は何が言いたいのか?】

不幸そうな少年のところに謎の樹木、もとい樹木の巨人がやってくる。
少年にしか視えない巨人が語る3つのファンタジー。
そして4つ目の物語を少年が語らなければいけない。
そういう約束の下にお話が進んでいくという奇妙な映画。

奇想天外すぎるストーリーがスマッシュヒットした洋画界の快作。
最近の人類はやれマンネリだとか、どこかで観たことあるとか、目が肥えてうるさいですが、さすがにこれだけぶっ飛んだ作品は視聴した経験がなかったようですね。

そもそも、なぜ少年が不幸そうなのかというと、母親がまた出かけなければいけないらしいです。それも長期に。
以前、だいぶ長い間、行かなければならないところがあって、その間はひどく不安だったんですね。
まあ、おばあちゃんと仲良くしてねと言われるけど、少年とおばあちゃんは反りが合わないのです。
おばあちゃんはミスエイリアンことシガニーウィーバーですが。

しかもお母さん、イチイの樹からとれる薬がどうとかいうのですね。
(もうこれで分かった人もいるでしょうけど)

少年、欲求不満のあまり問題を起こして先生から怒られるのですが、

同時になぜか先生から同情されます。
はて?
なんだよ、それ。

欲求不満は高まるばかりですが、おばあちゃんは話し相手にはなりません。
お母さんと離婚したお父さんとは、たまに会えるだけです。
そもそも、少年の不安は大人には理解してもらえないみたいです。

そんな時に現れた樹木の巨人、
巨人は上に書いた物語の提案を一方的に押し付けてきます。

ところで最近、AIが小説を書けるようになったようですが、
彼らの自由にやらせると、とても小説とは言えない何かを書いてしまうようです。
なんというか、妙に良い人ばかりで、ストレスがない話。

樹木の巨人が語る話はその正反対です。
悪い人が幸福になったり、良い人が報われなかったり、
あるいは願いがかなわないまま終わってしまったり、
こちらも物語とは言い難い話ばかり。

いったいこの話は何が目的なんだ?

巨人の中の人は(まあリーアムニーソンなんですが)誰なのか?
巨人の言いたいことは何なのか?
そして物語の結末はどこに向かって落ちるのか?

最後に巨人の正体が分かります。
(まあ、リーアムニーソンなんだけど、そういう意味じゃなくて)

ハリウッド映画はマンネリだとかいう人には、こういうのが効くんじゃないかと思うんです。
こういう話はこれまでの人類の物語の類型にはありませんでした。
こういうパターンは人類史上初じゃないでしょうか。
逆にこのあと、これをパクった映画を何本か発見しました。
ぜひAIたちにも読み込んでいただきたい。

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