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世界8位!GRフェス振り返り

第1回GRフェスお疲れ様でした!私は今回、世界8位で金アイコンを獲得することができました。

この記事では、自分が使用したレゾナンスデッキの解説を中心に、今回のGRフェスを振り返っていきたいと思います。

読者層としてはリンクスガチ勢から初心者まで幅広く想定しており、分かっている人には蛇足な説明も含んでいるので、適宜飛ばしながら読んでいただけたら嬉しいです。


はじめに

私のリンクスでの実績は、KCカップで銀アイコンを5個獲得している他、2022年にKCGTという大会の決勝ステージに出場したことがあります(当時は世界大会に出たつもりでいたのですが、WCS2023の開催に当たって公式が「4年ぶりの世界大会開催!」とアナウンスしたためKCGTは世界大会ではなかったことになり、全てを失いました)。

KCカップでは上位10人が金アイコン、11位から100位までが銀アイコンを獲得します。数万人の中で100位以内に入るのはかなり大変なことなので、銀アイコンを獲得すればかなり高い実力を証明することができます。リンクスガチ勢の大半はこの銀アイコンを一つの目標にKCカップを走っています。

銀アイコンを獲ったことのあるプレイヤーにはわかることですが、金アイコンと銀アイコンは難易度が1万倍くらい違います(詳しくは後述)。金アイコンを目指すには銀ステイをせずに走り続ける必要があるので、取れたはずの銀アイコンを失うリスクが伴います。その上で銀ラインより概ね1万5000DPほどを積み上げなければなりません。とある金常連プレイヤーによれば銀アイコンは適当に走っても取れるらしいですが、私は凡人なので毎回泣きながら銀ボーダー上を走っています。

GRフェスに向けて

今年9月にSEVENSワールドが実装されたのを機に、私は初めてラッシュデュエルに触りました。ルールが単純でカードプールも狭かったので、ゲーム自体にはわりとすんなり馴染めました。ラッシュを遊んでみた感想は、「それなりに面白いけど、出来ることの幅が限定されていて工夫の余地が少ないので、ガッツリ研究するほどではない」という感じでした。後で触れますがこの感想は浅いです。

一方で、今回のGRフェスに向けての調整は全くやっていませんでした。有志が毎日ポイントバトルを開催しており、普段のKC前は私もよくポイントバトルに参加しています。ただ今回は、tier1と評価されていたレゾナンスの回し方自体はランク戦などである程度理解しており、また普段のKCほど上位を目指すモチベーションが高くはなかったことから、特別な調整はせずにGRフェスに臨みました。

GRフェス本番

初日〜スキル掘り

迎えたGRフェス本番、初日はスキル掘りをしていました。
この時は本当に上位争いをする気がなく、前日まで1stステージで遊んでいたセブンスロードやサイキックを適当に回していました。

あまりスクショが残っていないのですが、初日の戦績は見るに堪えないレベルでした。

100試合くらいで5割復帰した

セブンスロードに関しては煮詰めれば金アイコンを狙えるデッキだったようですが、サイキックはどうやら本当にパワーが足りなかったようです。

2日目〜ドラゴニック・レゾナンス

2日目の午前中、ようやく2人のスキル掘りが終わりました。

「あとは気楽に走る」などとやる気なさそうな投稿をしていますが、実はこの段階で対面のレゾナンスの動きをそれなりに観察していたので、握り変えればそれなりに勝てる自信がありました。ちなみにKCを走るコツは、調子が良いタイミングで「苦しい」などと言いながら盛れたDPのスクショを投稿することです。こうすることで、(まあ実際は勝ってるけどなw)という心の余裕が生まれます。4日間の長丁場は自分のメンタルとの戦いでもあるので、上手く自己肯定感を維持しましょう。

さて、スキル掘りが終わったところでレゾナンスを使い始めました。ミラーが非常に多かったので、ミラーで強いと認識していた「死霊の束縛」を3枚積んでいました。

この時には気付いていなかったのですが、実は現在のカードプールにおいて「レゾナンスに強い罠」なるものは存在しません。レゾナンスはドラゴニック・スレイヤーという最強のバック除去札をメインギミックで持っており、全ての攻撃反応罠は無条件で割られます。束縛は墓地が肥えてくるデュエル中盤以降にパワーを発揮しますが、束縛が生きるということはそれだけ相手がスレイヤーにアクセスしている確率も上がるということです。

このことを加味すると、レゾナンス相手に伏せる罠は、打てば勝利に直結するクラスのカードでないと割に合わないのです。その条件を満たすのは現状グレイモヤしか存在しません。

2日目の時点では上記の考えには至らず、束縛を3枚積んで走っていました。

レゾナンスを握ってからはかなり順調に勝てたこともあり、トップ10に入ることができました。余談ですがプレイヤー名はいかふらわーさんという、私が個人的にアンチ活動をしているVtuberの名前を無断で使用しています。よくリンクスの配信をしているので興味がある方は調べてみてください。

ここまでは順調でしたが、ここで2つの壁に直面します。ヤメルーラエンシェントです。

ヤメルーラ禁止にしろ

ヤメルーラは相手の最上級モンスターの召喚を封じる制圧カードです。ヤメルーラの凶悪なところは、最上級による攻め手を封じるのはもちろんのこと、手札に最上級が余ることにより更に次のターンの捲りのプランも制約されることです。ラッシュデュエルでは毎ターン手札を5枚にできることから、盤面が多少不利でも一気の逆転が期待できます。しかし、ヤメルーラの効果を通されると、耐えてからの5枚ドローによる捲りのプランすら制約されてしまうのです。

Twitter上でも、ヤメルーラに制圧されたプレイヤーから阿鼻叫喚の声が聞かれました。

私が思うに、カードゲームが上手くなる条件は、「自分の能力で変えられる部分に改善点を見出だせること」です。負けた時に、あのカードを引ければ勝ってたとか、相手の引きが強すぎると嘆くのではなく、まず自分がプレイの択を間違えていなかったか、プレイが悪くないなら構築に欠陥があるのではないかと謙虚に検証できるプレイヤーは成長します。逆に、嫌いなカードの悪口を言って自分の改善点と向き合えない人はいつまで経っても弱いままです。上に貼った人は弱いプレイヤーの典型例なので真似しないようにしましょう。

もう一つ台頭してきたのが、11月のミニboxで登場したエンシェント・アライズ・ドラゴンのデッキです。

かっこいい

正直このデッキのことをよく理解していないので、詳しい解説は有識者に任せますが、クリア・アイス・ドラゴンという凶悪なカードが存在します。

色が薄い

レゾナンス対面においてこのカードは、死霊の束縛をケアしながらレゾナンスの墓地リソースを奪う役割を果たします。どちらの効果も強力ですが、特に先述のエンシェントと合わせて自分の墓地リソースをデッキに戻すので、死霊の束縛のパワーが極端に低くなりました。

エンシェントはフェニックス・ドラゴン等と併せてリソース回復性能が高く、スピードデュエルにおけるオルフェゴールのような継戦能力を誇ります。私は新弾を1周しかしておらずろくに研究もしていなかったのですが、強いプレイヤーはエンシェントを事前に研究していたようです。

ヤメルーラとエンシェントの台頭を受けて対策が見つからず、RPを盛れないまま2日目が終わりました。

3日目〜ドラゴニック・プレッシャー

3日目も朝から走っていましたが全く勝てません、昼過ぎにはついにRPが3万を切りました。

今回のGRフェスは七武海というチーム内で通話をしながら走っていました。チームでラッシュの事前調整はしておらず、たまたま暇な人が雑談しながら走っていただけなのですが、なぜか最終的にチームから金アイコン3人、銀アイコン3人が出ています。意味がわかりません。

さて、3日目の午後に負けが込んでいた頃、チームの人からドラゴニック・プレッシャーが強いことを教えてもらいました。

このカードの存在自体は知っていたのですが、手札コストが重く、罠と一緒に引いたら弱いことを気にして採用していませんでした。しかし実際に使ってみると、このカードが不利対面を覆す最強の捲り札であることに気付きます。

ヤメルーラをプレッシャーで処理して下級で殴る、エンシェント含む複数の大型モンスターを一気に処理して盤面を返すといった戦略が可能になり、いずれの対面に対しても勝率が格段に上がりました。

死霊の束縛と比べて明らかに1枚でできる仕事が大きいということで、グレイモヤ以外の罠を抜き、プレッシャーを2枚積む構築が完成しました。

プレッシャーの更なる強みとして、先攻有利のゲーム性に抗えることが挙げられます。ラッシュデュエルを先攻有利たらしめている要因としては、3ターン目の5枚ドローによるリソース力に加え、ライフレースにおける優位性があると思います。先攻プレイヤーがモンスターを全て裏守備で出した場合、後攻プレイヤーはドラギアス等の手段を除けば、相手のライフを削れません。そうすると、相手のライフを削る応酬は基本的に3ターン目から始まります。つまり、単純なライフの削り合いをした場合、先に攻めている先攻プレイヤーが有利になります。

スピードデュエルでは基本的にアドの奪い合いが重視され、ライフレースに関しては「ライフが残りさえすればいい」というスタンスが基本です。相手の盤面が4000打点を超えなければ、攻撃を全てライフで受けて妨害札を温存するという選択も採られます。これに対してラッシュデュエルでは、毎ターン5枚のリソースが確約されていることや、相手の展開を止める罠がないことから、ライフレースが非常に重要な要素となります。

ここでドラゴニック・プレッシャーが生きています。単純にモンスターを出し合う捲り合いでは「6000→4000→2000→0」といった経過でライフを削っていくところ、プレッシャーを通すことで「6000→4000→0」という勝ち方が可能になるのです。相手から先に攻められても、攻撃ターン1回分の差を逆転させる性能があるのです。

具体的には、手札からプレッシャーを発動し、ドラゴンズギミックを絡めて最上級モンスターを召喚すれば2800、あらかじめ伏せていたプレッシャーを発動して下級モンスターを追加できた場合は4800のライフを削ることができます。しかも後者の場合はスレイヤーが絡めばグレイモヤすら貫通します。プレッシャーを採用することでこのような明確な勝ち筋が生まれました。

また、プレッシャーによる勝ち筋が生まれたことにより、上記の4800or2800ラインまで相手のライフを削れる場合は無理にそれ以上攻めず、守りを固めるというプレイングも可能になりました。従来はライフレースの都合上リスク覚悟で下級モンスターで殴っていた場面で、耐えることを優先できるようになったのも大きかったです。

そんな経緯で、すぐに4万RPに乗せることができました。

この時は銀ラインが4万前半と予想しており、そろそろ乗ったかな〜程度に考えていましたが、それよりもプレッシャーの使用感が良すぎたため休まず走り続けました。

結果、4万チャレンジ成功から18勝8敗で5万RPに乗せました。このあたりでようやく、レゾナンスの回し方を理解できてきたと思います。

この時点で6位、あれよあれよと金アイコンが見えてきます。

最終日〜金チャレンジ

KC形式のポイントバトルでは、対戦者間のRPに差がある場合、RPの変動に傾斜がかかります。例えば50000RPのAさんが30000RPのBさんに負けた場合、1200RPが動くことになります。

このような性質から、銀アイコンを目標にする場合、100位ボーダーの少し下につけて、自分と同格か少し上の相手からポイントを奪っていくことが基本戦略になります。

一方で金アイコンを目指す場合、上の10人以外は全て自分より下の相手なので、常に1000RP以上を奪われるリスクが伴います。勝ったり負けたりを繰り返すうちにRPだけが溶けていく、ということもあり得ます。

これを踏まえると、戦いを長引かせるのは得策ではありません。また、プレッシャーの強さで勝っているとはいえ自分が対して調整していないのも事実なので、練度の低さによるボロが出る前に上げ切って金ステイしようと考えました。

結果、何とか狙い通り最終日の試合数は7試合で抑えて金ラインに乗せることができました。

自分でも、KCで金アイコンを狙って最終日に溶かした経験が何度もあったので、今回の最終結果に関しては運に恵まれた側面が大きいです。

いかふらわーの名前をランキングから消した

最終更新は8位で、ほぼ行けたと確信してステイしました。

振り返り

ラッシュデュエルのゲーム性について

GRフェスの前に、ラッシュのゲーム性に疑問を呈する声をちらほら見ましたが、私の感想としてはゲーム性だけはかなり面白いと思います。

確かに先攻の優位性や上級モンスターを引きすぎて負けることの理不尽さはありますが、後攻が絶対に勝てないわけでもないし、一発勝負ならともかく数百試合の中で定期的に事故が起こるのは割り切ればいいと思っています。

そのような難点よりも、この狭いカードプールで72時間の間にメタゲームが回っていたこと(レゾナンスに強いヤメルーラやエンシェント、グッドスタッフの台頭など)やレゾナンスを回して初めて知った引き出しの多さに感動を覚えており、ゲーム性の深さに素直に感心しました。

上記のような問題点はカードプールの増加である程度は緩和されるものだと思うので、今後の新しいカードの実装に期待したいです。

要望

先ほど「ゲーム性だけはかなり面白い」と書いた理由は、KCほどモチベーションを刺激されるイベントではないためです。

もちろん、KC形式でアイコンを目指す競技性はとても楽しいのですが、世界大会出場権などが絡んでいないので、上位を目指す理由がアイコンだけなのは少し物足りなく感じました。

リンクスラッシュ部門のWCSや、KCGTのような大きな大会が開かれれば、ユーザーのモチベーションにも繋がり、よりGRフェスが盛り上がると思います。

また、GRフェスは紙のラッシュ勢がリンクスを始める動機にもなるはずですが、紙の大会と日程が被っていたことも残念でした。

次回以降、これらの課題はぜひ改善していただけたら嬉しいです。

おわりに

長々とお付き合いくださりありがとうございました。

最後に要望は書きましたが、個人的にラッシュの面白さを実感するきっかけになり、総合的にGRフェスはとても楽しいイベントでした。

今後も末永く、スピードとラッシュの両方でリンクスが盛り上がることを願っています。

それでは、次のKCカップでお会いしましょう!

もけもけ


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