フライトTGでKCGTを走った感想をダラダラ振り返る記事

KCというイベントを本気で走ったことがなかった。
今回のKCGT。私が走った理由はただ一つ。
TGというデッキにハマったからである。

アンチノミー「心が乱れているようだな。そんなことでは銀アイコンはおろか1000位以内にも入れないぞ!」
私「・・・ッ!!」

…というわけで、せっかく500戦近く走ったので振り返りでも書いてみようと思ってnoteを始めました。
初めに断っておきますが、TGの構築やプレイングを解説する記事ではありません。金アイコンや銀アイコン常連の方々が書くようなクオリティの高い解説ではなく、素人がダラダラ書いた日記としてご一読いただければ幸いです。

~KCGT2週間前~


さてそろそろKCGTだ。年に1回のお祭りである。といっても、今の自分は銀アイコンや代表を狙えるような実力ではない。前回、4月のKCの戦績はこちら。

一応400戦以上は走っているが、最大瞬間風速でも銀ラインは遥か彼方。夢のまた夢である。
使用デッキはセプスロ堕天使を中心に、BF、サンドラ、月光、終盤には青眼も使っていた。要するにバラバラである。
しかしこれがよくない。全ての環境デッキを握りプレイングや対面理解を心得ている上級者ならいざ知らず、自分のような素人が複数のデッキを環境に合わせて使いこなせるわけがない。どうせガチ勢の実力には及ばないのだから、それならせめて一つのデッキを可能な限り使いこなせるように練習しよう。

それを踏まえて今回の方針としたこと。
・KCGT期間中に使用デッキを変えない。
・事故率が低く、初動が安定する(プレイング次第で勝率が変わる)デッキを使う。
・とりあえず走り続ける。

上記の条件に当てはまるデッキがあるではないか。
私「…見つけたぞ、ブルーノ!」
???「今の僕はブルーノではない。アンチノミーだ!」

フライトTGというデッキをざっくり説明すると、下級モンスターを上手くやりくりして大型シンクロモンスターを召喚するデッキである(デッキ構築等々の詳しい解説は詳しい使い手の方に譲りたい)。
1ターンに1度手札交換をできる「シンクロフライトコントロール」というスキルのおかげで、とにかく事故率が低い。理想形である「相手ターングリガンの構え」を決めるのは難しくないし、少々悪い初手でも「相手ターンブラロの構え」なら作れるというケースが非常に多い。フライトTGを使っていると慣れてしまうが、相手にしてみれば好きなタイミングで「グリオンガンド」や「ブラックローズドラゴン」が飛んでくるというのは相当に厄介だろう。もちろん、それだけで簡単に勝てるわけではないが、TGへの対策を熟知していない相手には2ターン目でグリオンガンドが決まってそのままイージーウィン、という試合も多数あった。

つまりフライトTGは強いのである。

~KCGT1週間前~


今回のKCGT前からは、アイコンや大会上位常連の方が主催するポイントバトルになるべく参加するようにした。
基本的にフライトTGを使いつつ、たまにデルタTG(スキル「セット!デルタアクセル!」型のTGデッキ。これはこれで面白い。何よりロマンがある。トップクリアマインド!!!)を使っていたが、やはりフライトTGの安定感にまさる信頼はないと確信した。

だがしかし。どんなデッキにも弱点はある。
私「TG-降魔弓のハマで2回連続ダイレクトアタック!これで決まりだ!」
闇遊戯「それはどうかな?」
私「何!?」
闇遊戯「俺は2回目の攻撃でクリボールの効果を発動していた!これで俺のライフは削り切れないぜ。そして俺は2800のダメージを受けた…するとどうなる?」
私「やめろ…やめろぉぉおおお!」
闇遊戯「デスティニー・ドロー!!」
私「うわぁぁああああああ」

そう。高打点シンクロによるワンキルを主眼とするフライトTGは、手札誘発で攻撃を止められると脆い。防御札がほとんど入っていないからだ。

ところが、である。思わぬ救世主が環境に訪れた。
???「スリップストリームだ!私の後に着いて来い!」
私「お前は…!!」

クリボール・カイトロイド・ベイル「ふん、俺に攻撃できるか?」
キングゴレム「効かないぜ!」
ガルドニクス「それなら根こそぎ焼き払ってやる!」
フォートレス「味方だけ破壊しな!」

にわかにトラミッドが採用率を伸ばしていたのだ。
攻撃時にあらゆる効果を封じるトラミッド・キングゴレムというフィールド魔法は手札誘発テーマの天敵である。トラミッドの流行により、サンドラや炎王というTGの苦手対面は苦しい戦いを強いられることになる。

私「勝てる…勝てるんだ!サンドラなんて怖くない!」

~KCGT当日まで~

チームに所属していない私にとって、ポイントバトルは貴重な調整の場である。
前日までの上位層との対戦を通じて、Tier1テーマであるハーピィとリゾネーター相手にも互角以上に戦える手ごたえを掴んでいた。

昼にココイチでご飯400gのビーフカツカレーを食べた。ヤサイサラダも追加注文した。72時間の体力勝負に栄養補給は欠かせない。

前日段階での構築はこちら。

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実はブラック・ローズ・ドラゴンの代わりにPSYフレームロードZを採用していた。
理由は3点。
①「ブラロ・グリガンの構え」を作ったときに出すのは大方グリオンガンドだった。
②メインフェイズ開始時に月の書を打ってくれる相手が多く(スターガーディアンの効果を封じるためには本来スタンバイフェイズまでに打つべきである)、PSYフレームロードZを作る動きが強かった。
③ブラック・ローズ・ドラゴンの存在を匂わせることによって相手の伏せカードを抑止できた。

しかし…

リシド「モンスターをセット!カードを1枚セット!ターンエンドだ」
私「ブラロを恐れて妨害札を温存したな…だが!」
私「私のターン!レベル2のカタパルトドラゴンにレベル5のスターガーディアンをチューニング!現れよ、TG妖神-不知火!」
リシド「底無し落とし穴発動!」
私「…ハッ」

そうだったのか。

アンチノミー「気付いたようだな。罠不知火相手にはブラロから入らなければキルを取れないことがある」
私「ブルーノ…いやアンチノミー!」
アンチノミー「Zも展開妨害としては優秀だが、守備表示で展開してからSCなどで除去されると弱い。それならブラロを使ったほうがいい」
私「…私はTGのポテンシャルを引き出せていなかったということか」
アンチノミー「心が乱れているようだな。そんなことでは銀アイコンはおろか1000位以内にも入れないぞ!」
私「・・・ッ!!」

かくして私はブラロを採用した。
金曜日の20時に仕事を終え、私のKCGTが開幕する。
月曜日は夕方からの出勤なので、これからは無限に走れる。
存分に舞ってくれ、グリオンガンド。過労死するなよ、ワーウルフ。ローチに一泡吹かせてやれ、クラウソラス。

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~KCGT1日目~


開幕戦の相手は青眼だった。ふつくしい。
前環境のTier1テーマだが、3500打点を簡単に出せるリゾネーターと伏せカードを簡単に除去するハーピィが跋扈する現環境では厳しいか。
開幕戦を制し、その後も無傷の6連勝スタート。滑り出しは順調だ。

7戦目、私は妖仙獣に敗北を喫する。
私「局所的ハリケーンで居太刀風をバウンス!月の書があるので大幽谷響も貫通!これで決まりだ!」
闇遊戯「カイトロイド!」
私「うわぁぁああああああ」

結局、最後まで手札誘発テーマに対する回答は用意できなかった。誘発がないことを祈りながら人生をかけて突っ込むか、サーチ効果持ちの下級TGを並べて耐えるか。この2択だった。

なんだかんだ金曜夜の段階では50戦走ってDP約17000。ハーピィ、リゾネーターには勝ち越せている。

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勝負所に備えて初日は早めに寝よう。初手によく揃ってくれたストライカーとワーウルフを労い、大事な場面のトップで来てくれるようサーペントに念を送り、0時頃に就寝した。

~KCGT2日目~

普段は7時間睡眠だが、不思議なものでKCGTを走る義務感から6時前に目が覚めた。意外に健康的なイベントなのかもしれない。

対戦相手は相変わらずジャックと舞が多い。2人の厄介なところはデッキが読めないところだ。

私「相手は狩場ハーピィか…ここは狡猾を温存してグリガンの構えで耐える!」
舞「月の書!旋風!シムーン!」
私「うわぁぁああああああ」

とはいえフライトTGはデッキ偽装による被害が少ないほうだと思う。ジャック相手に先攻でローチを立て、粉砕HEROにワンキルされるようなことはない。理不尽な負け方はそれほどなかった。
一方で、闇遊戯の使うテーマはほとんどが苦手だ。序盤の妖仙獣、炎王、DDサンドラには体感勝率3割程度だった。

午前中のうちに100戦に達し、DPは30000弱。勝率も63%と好調を維持している。

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いける。私は思った。
私「このペースで行けば代表や銀アイコンも夢ではない…!」

朝6時から走り続けたらさすがに眠くなるだろうと思っていたが、睡眠という概念を忘れたように体は覚醒してきた。9時を回り、12時を回り、再び近所のココイチでカレーを食べて走り続けた。

相手の強ハンを羨むのは決闘者の常だ。自分と対戦するときに限ってヘルカイザーはコアゲートを握り、遊馬はドドドドローでドドドドワーフを捨て、30枚サンドラ使いは必ず初手に孤高除獣を引いているしちゃっかり手札誘発も備えている。

…だが、今回に関しては私もそれなりに恵まれていた。事故率が低いというフライトTGの特性を差し引いても、かなり初手の運は良かったと思う。

リシドと対戦するときは最初から「局所局所局所ぉぉぉおおおお!!!」と叫んでいた。

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本当に引けたときは「よっしゃぁぁああーーー!!」と叫んでしまった。昼間だがさすがにうるさかっただろう。マンションの隣人には申し訳なく思っている。

そんなこんなで試合数は200を超え、DPは40000に達した。勝率こそ6割を切ったものの、目立った下り坂もなく順風満帆の前半戦であった。

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ついにランキング200位以内に載るようになり、土曜の夜には100位前後を捉えるに至った。

上位層との対戦が増えれば順調にDPを伸ばすことこそ難しくなろうが、勝率5割以上をキープすれば着実に順位も上げられる。初めての銀アイコンを完全に射程圏内に入れた。

自信を確信に変えた夜23時の就寝であった。

~KCGT3日目~

勝率5割以上をキープすれば着実に順位も上げられる。

それは全くの間違いではない。しかしこういうケースはどうか。

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あろうことか、200戦から400戦にかけて、私は勝率5割をキープしてしまった。

「溶かした」と表現するほどの大負けは経験せず、かといって爆発的な連勝もできず。ひたすらDP35000~45000を推移していた。

大連敗したわけでもないのに何を大げさな、と言われるかもしれない。しかし、日曜の朝から夜にかけて延々と勝ったり負けたりを繰り返すのは文字通りの生き地獄であった。ここで私は自分の見通しの甘さと、KCGTの修羅場たる所以を思い知らされたのである。

思うように勝てない動揺からプレイングミスも増えた。簡単なキル盤面を逃すことなどはもとより、特殊召喚すべきモンスターを通常召喚してしまうなど、信じられないような操作ミスもあった。

400戦に達したのは日曜の夜23時過ぎだった。

私「私は全力で戦った。だが今回ばかりはもうダメだ。体に力が入らないんだ」

アンチノミー「諦めるな遊星!己の限界を超え、未来へ突き進むんだ!」

私「限界を超える…睡眠時間をリリース!!!」

徹夜だ。このまま走るぞ。

疲労が残る中でのゲームは本来御法度である。ミスが出ないはずがない。

だがそれは相手も同じことだ。時差があるため対戦相手にとっては昼間かもしれないが、それでも40000DPを稼ぐ過程でかなりの試合数を経験し、疲労は蓄積されているだろう。

ならばそこを狙う。相手のプレイングミスを確実に咎められれば今は一番の稼ぎ時だ。

私「うぉぉぉおおおおおお!!!」

~KCGT最終日~

私「まだ戦える…!!」

深夜に気力を振り絞って稼いだ10000DPである。気づくと夜は明け、小鳥がさえずり、街は平日の始まりを告げていた。

午前9時半。128位以内のボーダーラインはおよそ64000と予想されていた。

あと4時間強で14000のDPを稼ぐ。やるしかない。

ストライカー、ワーウルフ、サーペント。まだ戦えるか。

カタパルト、ファルコン。事故寸前の初手をいつも救ってくれたな。

ラプトル、サーペント。ローチやSCに立ち向かう勇姿、忘れてないぜ。

ブラックローズ、グリオンガンド。これからの敵は今までより強いけど、みんな吹き飛ばしてやれ。

行くぞ!!!!!

~最終結果~

奇跡は起きず、結果は254位だった。

過去の成績からすれば望外の大健闘である。未熟なプレイングにも関わらずTGはよく舞ってくれた。ありがとう、俺のデッキ。

手札誘発テーマという明確な苦手こそあれど、Tier1のハーピィ・リゾネーターと互角以上に戦え、プレイング次第で無限の可能性がある。フライトTGというデッキの素晴らしさを改めて確信できた4日間であった。

最後に、チーム無所属で友人もいない私にとってリンクス民との唯一の交流の場であるTG研究会の皆様、主催者のペペロンさんに感謝を捧げて結びとしたい。いつもありがとうございます。

遊星「走り続けようぜ。KCという名のライディングデュエルを。ライディングデュエル、アクセラレーション!!」

もけもけ


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