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たいたけさん著「脱成長社会における教育の新しいかたち」と公立学校の現在について※PISAの結果を追記

noteを始めた頃から交流のあるたいたけさんが、最近何やら執筆をされている御様子でした。そしていよいよ完成されたとのことで御紹介したいと思います。この記事はこれまでの2年半にわたるたいたけさんが探求してこられた「教育」についての思考の集大成となっています。
たいたけさんは「塾の講師・運営」をされていたところから、御自分の現在地に疑問を感じ、同僚の方と新規事業を立ち上げ、教育業界のとがった先端の部分に身を置かれました。
でも、これが本当に求めていることなのか、自分に問いを投げかけているときに病気でお休みをされてnoteと出会ったのだそうです。そこから、「求めている教育の姿は何なのか?」探求の日々が続き、そして現在のたいたけさんが見いだした答えがこの記事につまっています。

私は、公立学校教員をしていているのですが、文部科学省が掲げている「個別最適化」は、暗に「学校の外での学びを肯定するものなのではないか?」と感じています。
「個別最適化」の解釈の仕方で特に、たいたけさんの考えに共感を覚えました。そうなんです。35人いる学級では、一人一人に最適な学びを届けることは至難の業で、どうしても「自由」よりも「画一的な平等」を優先するしかない現状があります。ところが、今現在、私の勤務している1クラスの人数が最少である小規模校では、以前勤務していた学校よりも「自由度」があり個性や集団の特性を生かして活動を考える「ゆとり」があります。単に、人数が問題ということではないのですが「学び方を選ぶ時代」がやってきているのだということを肌で感じています。様々な種類の学びの場、或るいは自宅が学びの場になることもあるのでしょう。

有料記事ですが、ぜひ多くの方に読んでいただけたらと思います。
現在500円ですが予定では3月17日に1000円になってしまうようですよ。
しかも理由が「同業者に見られたくない内容が結構あるから」だそうです。
売り上げアップのためではなく、売らないために値上げするだなんて、
いかにも、たいたけさんらしいですね(^^)

私がnoteを続けていて良かったと感じることは、様々な業種や価値感の方と交流したり、企画に参加したり、記事を読ませて頂くことで、自分にはない別の視点をいただけることです。たいたけさんもその一人です。

記事を購入した際にたいたけさんから頂いたメッセージに「今回の作品では、脱学校に向けて、学校に対しては厳しめな表現があり、申し訳なかったです。肥大化しすぎた、みんなの依存しすぎた学校の状況を表現するにあたってそのような形になりました。ただ、学びにおいてラーンする最も最適な場所は学校という認識に変わりはありません。そちらに日の当たる表現はできておりませんが・・。これからもどうぞよろしくお願いいたします」

というあたたかいメッセージをいただいたため、この記事の後半では、「公立学校の現在」という形で公立学校の状況について御紹介もさせて頂きます。

【参考までに掲載】
最新のPISAの調査結果

義務教育終了段階の高校1年生に実施

日本は、OECD37か国のうち、数学的リテラシーと科学的リテラシーの両方で1位、読解力2位という結果になった。また、81の国・地域を対象とした全参加国における比較でも、数学的リテラシー5位、科学リテラシー2位、読解力3位となり、世界でもトップレベルの結果となった。前回2018年調査からOECDの平均得点は低下した一方で、日本は3分野すべてにおいて前回調査より平均得点が上昇している。

公立学校の現在について

文部科学省のワーキンググループで話し合いをされていること


文部科学省では様々な今日的課題について話し合いをして、手続きにのっとって各教育委員会に通達し、それが公立小・中学校におりてくるしくみがある。その最新の話し合いの中には、的を得たすばらしい案があり少しずつ実施に向けて動いているのだが、何分、PRするのが苦手なのか、マスコミに取り上げてもらえないのかあまり知られていない。また個人情報の保護の観点から私自身も具体的な内容をnoteの記事にすることは憚られる。
現在の様子を文部科学省のHPから抜粋しました。
🔵印の部分では語れる範囲で現状について述べてみました。

個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会(第4回)より抜粋
※リンクした記事は保存用の議事録です

1)不登校、特別支援、特異な才能、そういった子供たちを含めて、全ての子供が、得意分野、特性に応じて活躍できる機会や出番をつくることが必要。困難を抱える子供たち個人に問題があると考えるのではなくて、困難の背景にある学校や社会の在り方を問い直すという観点が大事。
2)日本型学校教育の「強み」や「弱み」を改めて分析した上で、「弱み」を補うために、従来型の「あるべき論」に過度にとらわれずに、未来志向での姿を検討することが必要。<中略>

誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策「COCOLO(こころ)プラン」
令和3年度のその調査によると、小学校・中学校・高等学校の不登校児童生徒数が、総計でおよそ30万人に上り喫緊の課題となっている。こうした状況の中「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLO(こころ)プラン)」が取りまとめられた。中略
不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにするということを目指した三つの柱

①不登校の児童生徒全ての学びの場を確保して、学びたいと思ったときに学べる環境を整えるということ
(タブレットPCを活用した自宅での学びや学校に併設するサポートルームの開設)
🔵現在、各市町ではタブレットPCの貸し出しや必要に応じたオンライン授業が実施されています。また私の住んでいる市では、サポート教室(校外)と学校が連携をして、サポート教室で学習するお子さんの様子を校長や担任が参観に行ったり、情報交換をしたりなど、各校がお子さんの様子に合わせて「つながり」を大切にしています。

②心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援するということ
🔵従来の紙面のアンケートからデジタルのアンケートにすることで、児童・生徒が入力した言葉から何か問題が起こる前にアドバルーンが立つしくみを導入。これは私の所属する市内の学校で本年度から始まりました。

③学校の風土の「見える化」を通じて、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする。学校の評価の仕組みの改善。学校の風土、雰囲気を把握するための取組、ツールの整理、情報提供を行うこと。また、いじめ等の問題行動に対する対応の充実、「授業」の改善。
🔵学校評議委員制度や、学習ボランティアさんとの連携、コミュニティスクールなどの促進で、どの地区の学校でも地域の方に学校と関わりをもって頂きながら教育活動を進めているところです。

くわしく知りたい方はリンクを御覧ください(^^)
尚リンクしたものは保存用の議事録です