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後輩を育てる際にもお勧めな本

藤永啓吾著「中学校 新卒からの3年間を華麗に乗り切る仕事術」

 表紙裏を開くとこんな一文が目にとまります。「先生っていつも楽しそうですね」著者が30代最後の年に自分の学級の子どもからプレゼントされた言葉だそうです。
 私もかつて中学校勤務していた時があるのですが、中学校の先生は授業に生徒指導に部活動に、多忙を極めます。そんな多忙さのある日々でも、こんな素敵な言葉をプレゼントされるにはどんな仕事術をおもちなのでしょう?
 またこの本は、新規採用の方向けに書かれていますが、ベテランになって若い人を育てる役割の方にも読んでいただきたい本です。「自分がやっていることを系統立て、順序立てて説明することって難しい」のです。この本を参考に、若い方を導いていったらきっと素敵な先生になってくれそう!と思う一冊です。(^^)

1 「魅力的に感じる教師」✨

 中学校に勤務された方ならきっと誰しもが感じたことがあるのではないでしょうか?「授業ができるだけでは生徒はついてこない」ということを。
 多感な中学生を導くには、人として魅力ある存在であることが求められます。そのために藤永先生はあるキーワードを使われています。このキーワードは新卒の方だけでなく、ベテランの方にも必要なワードであると思われます。

2 「道徳科の勉強方法」✨

 ズバリ「学習指導要領解説」を読むことをお勧めされています。「スタLABO」に参加の方は御存知ではと思いますが、藤永先生は道徳の「学習指導要領解説」について、熱く語って下さる方です。
 私も今一度読んでみますと、「内容項目の概要」や「指導の要点」は読み物として優れていると感じます。なぜその価値感や内容項目が大切なのか?また、他の学年と関連付けて述べられています。学年に応じた心の発達段階や傾向が記されていて、だからどこにポイントがあるのか、実は親切に教えてくれているのです。哲学的な楽しみを感じます。「目標」を押さえた上で読書的に読んでみるのも「有り」かなと思います。

3  気になるキーワードは✨

 複数の項目で見かけたキーワードは「わからなかったら聞く」「わかろうとする姿」です。つまり周囲の人との「コミュニケーション」を大切にということを伝えて下さっているのだと思います。
 新規採用でなくても、異動になった際には「どこに何があるのかわからない状態」「初めて会う同僚と協働しなくてはならない状況」に誰しもが遭遇します。そんな時にはこの言葉を思い出して、日々を重ねたいと思いました。また、自分が異動しない場合には、新しく加わった職員が質問しづらい状況にあることを察して親切に接することが大切だなと感じています。

4  心に残った言葉は✨

 卒業式に向けての項目で「子どものやりたいことを支える」「全員の子どもたちの心に残る卒業式にする」という言葉です。私はこの「全員」という言葉を入れているあたりに藤永先生のお人柄を感じました。一人残らずどの子にとっても心に残る卒業式であって欲しいという願い(ゴールのイメージ)をもっていれば、生徒との日頃の接し方にも変化が生まれそうだと思いました。具体的な方策については本をお読みいただければと思います。

姉妹本についても御紹介させていただきます。

柴田大翔著「小学校 新卒からの3年間を華麗に乗り切る仕事術」

 私はもともと中学校勤務(英語)だったので、育児休暇明けの30代後半になってから初めて小学校に勤務する時はとても緊張しました。その時にこの本と出会えていたらと思いました。

1 「学級開きから3日間の過ごし方の重要性と実例」✨

「黄金の3日間をどう過ごすかで、今後の学級の1年がガラリと変わってきます。」とあります。本当におっしゃる通りだと思います。
その項目の箇条書き部分で、(  )内に記されていることが特に重要であると私も認識しています。
 また、一番最初に書かれている「教師のどんな学級にしたいかという思いの共有」という言葉にとても共感しました。ただ伝えるだけでは不足で、一緒にその方針に価値を感じて「こうなりたい」と子供たちと思いを一緒にするところが大切なのだと思いました。

2 「個人懇談会~準備から終わりまで~」✨

 新規採用の方であれば、その準備物や会場の配置もとても参考になると思います。ベテランの方であれば、待ち時間にこんなものを用意しておくと良いという例が参考になると思います。ここまで準備をするととても和やかな雰囲気でお子さんの成長の様子について話を共有することができそうです。

3  効率よく仕事を処理しよう~テトリス仕事受術~✨

 仕事の優先順位をつける事のコツについて触れられています。柴田先生はデジタルでリマインダーを使われていらっしゃるようです。スマートですね。ちなみに私はというと、そのあたりはアナログ対応で正方形の付箋を使用してやるべきことを書いて貼っています(todoリストとは言えない感じでして・・・・・・)。仕事と自分の子供のことが色々重なり、うっかり忘れてしまうと困るので「どうしても忘れてはいけないこと」は最近は手のひらに油性マジックで書くようにしています。今年度、頻度多く手のひらに書いた言葉は「6:30 塾」でした。仕事に没頭していると塾に間に合う時間に家に帰ることを忘れてしまいそう・・・だったからです。
 柴田先生のようにデジタルでやるべきことを入力しておくと、アラームが鳴ってお知らせしてくれて便利ですね。✨

4  心に残った言葉は✨

「始業式で欠かせない重要ポイント」より
「学校に来たすべての子に『今日来てよかった』と思ってもらえるように、空いた時間にゲームをし、『明日も来ようかな』と思えるような一日をめざします。」

 とあります。おっしゃる通りだと共感しました。毎日が楽しい日になるように、レクリエーション的なことを実施するのも大切ですし、「授業がおもしろい」と思ってもらえることも必須条件ではないかと思います。
 この本には「授業」という項目もあり、どんなふうに授業をしたらいいかということにも触れられています。