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前科あります(4)

1.拘置所に
警察の車に乗せられて、十数分、裁判所や検察庁と隣接して拘置所がありました。

この街に住んでいた時は、この辺りをよく通っていたけれど、存在自体全く気がついていませんでした。

どこの建物にもありそうな、ガラスの入り口扉を開けたら、すぐこれも普通の事務室と受付窓口みたいなものがあって、拘置所の人(看守さんまたは刑務官というそうです)がいました。

私を連れてきた警察官が、手錠を外してくれ拘置所側に引き渡してくれました。

警察官たちはそれでバイバイ。
私はその先にある鉄扉の向こうに案内されました。手錠腰縄は、なし。というか、鍵のかけられた鉄扉を押しては逃げられません。

で、まず、荷物検査と身体検査。つまるところ警察の留置所でやったことをもう一度やることになりました。

って、警察からそのまま来てんだから、いっしょのことやんなよ、面倒だし恥ずかしいし。最悪。
ここの人たちは警察も信用してないのかと思った。。

そのあとで、簡単な身分調査、つまり生年月日、本籍、学歴、前科、今回捕まった事件の概要なんかを聞かれます。

それが終わったら自分が暮らす部屋(笑)に案内されます。
階段を最上階まで上がって、右を向くと、鉄格子の扉で男子と分けられた女子のエリアがあります。

あとで下の階に移ったから、各階に女子エリアはあるみたい。

2.房に入るここでも一人暮らし。
三畳ほどの畳が敷かれた部屋に洗面所と、トイレがあります。
あと毛布が十枚ほどと枕。

私が入っていた寮と同じで、毛布で寝具を作ります。いまさら習わなくても別途メイキングは得意だった。

私のここでの番号は三十六、執行猶予がついて出られることはほぼ確定、ま、しばらく俗にいう臭い飯でも食べることにしますか。

ここでの生活は、どうやら懲役囚たちがすべてをやってくれるようです。
食事の配膳片付け、洗濯。

後で詳しく書いていきますが、餅執行猶予がつかなければ、ここで働かしてくれないかなあ、と思ってしまいました。

初日はちょうど本の貸出日だったみたいで、さっそく限度いっぱい七冊かりました。

図書カードみたいなものがいっぱい入った箱を渡されて、借りたい本のカードを担当の懲役囚に渡します。

彼女達とは一切話ができませんでした。ありがとうというのもそれに対する返事も禁止。
何かそれが、一番刑務所らしいことだったような気がします。

一日目の食事
昼 八宝菜、餃子、おしんこ
夜 煮豆、卵の味噌汁、スコッチエッグ、ツナとグリーンピース、人参湯温野菜のサラダ。

拘置所内で懲役囚が作り配膳片付けをしてくれます。
はっきり言っておいしかった。


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