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前科あります(14)

今回は、捕まっているときの私物購入と差し入れについて
前にチラッと書きましたが、もう少し詳しく。

1.留置場
留置場に入るときに、お金も警察に預けることになります。一万円札が何枚、五千円札が何枚、五百円硬貨が何枚、と記録するわけではなくて、合計でいくらかを確認します。

ちなみに預けることを領置といいます、参考までに。
このお金を使って、私物を買うことができます。

もちろん、何でもいいわけではなくて基本的には、書籍、食料品、衣服、歯ブラシ、シャンプーとかです。

物品購入願い書だったかなあ(正式名称は忘れてしまった)というものに、欲しい品物の名称、数量を書いて提出します。

週に一回だったか二回だったか。
署には、警察官ではない事務官(地方公務員だから正式には事務員かな)がいて、この人が買い出しに行ってくれます。

で、買ってきたら、場内の個人用ロッカーに入れてくれます。房の中で保管はできません。

使いたいとき、食べたいときに担当に声をかけて、その都度房内に入れてもらいます。

房の中で、食べ物を人にあげたりもらったりすると、えらく叱られます。
理由は簡単、腕っぷしの強いものが弱いものにたかるのを、防止しているのです。

それはわかりますが、同じ時期に金持ちがいたりすると、貧しいものは非常に淋しい思いをします。

例外が一つ、書籍です。
書籍だけは、みんなで回し読みが許されていました。

もちろん落書きは禁止、出たらどこどこで会って、今度は一緒に仕事をしようなどということを書くと、とやっぱりめちゃくちゃ怒られます。内緒話は禁止です。

雑誌は中身を確認して、ホチキスを外して紙紐で閉じて、本棚においてくれます。

ちなみに、家から持って来たお菓子や歯磨き粉などは、留置場に入れることはできません。

任意で放棄か、出るまで預かってもらうことになります。
理由は、何が入っているかわからないからです。

青酸化合物なんて入っていたら、分かりますよね。
同じ理由で、これらのものは面会者からの差し入れもできません。

自分で買うときは、価格が安い店で、お得なものを買いますよね、でも仕事で買いに行く担当者はそんなこと考えてくれません。

人の金が減ろうがそんなことは知ったこっちゃありません。
また頼んだものと違うという場合もあります。

そこで留置場内で、不平不満の嵐が起こることもあります。
まあ、はたで聞いている分には笑い話ですが、当人にとっては捕まっているという不満もあるのでしょう、ここぞとばかり騒ぐ人がいます。

どの道、お金が戻るわけも、品物が交換になるわけもありません。

買ったものは、留置場限りです。
拘置所にもっていくことはできません。

一部、書籍や衣服は許可される場合もありますが、口に入るものはすべて任意放棄か、出るまでの領置です。
警察庁のことを法務省は信じていない、のかな(笑)

2.拘置所
拘置所でも、私物を買うことができます。
こっちは、業者が入っているのかなあ。

週一で購入希望物品一覧表(これもたぶんの名称、正確には忘れました)が配られます。

それにはお菓子類や、衣服、下着なんかがずらっと書かれています。ほしいものに印をして数量を記入します。

たしか価格も書いてあったはず、それを計算して自分の残金を考えるんですね。

冬だからか携帯カイロもありました。あとナプキンとかも。
そういえば電池式の髭剃りとかも記載されていました。

風呂の時に安全剃刀は支給されるので、産毛を添ったりすることはできます。
あそこの毛の手入れ、できたでしょうけど私はしませんでした。ハイレグ着ないし見せる相手もいないし。

留置所は紐類禁止だったのですが、拘置所は結構緩かったなあ、同様にタオルも房内で干して置けたし。

まあ安全剃刀で自殺はできないだろうけど、入浴前に渡されて、出るとき返す、それ以上のチェックなんかなかった。

死にたいなら勝手にどうぞなのかなあ、まあ私はそんな気にならないから、関係ないけど。

あと雑誌みたいなものは、名称を記入すれば買えました。これもホッチキス外したりしないし、微妙に組織によって対応が違うのかも。

警察も都道府県ごとに微妙に違うのかもしれない。
私んとこは習わなかったしそれほど厳密でもなかったかなあ。

刑務所に行くまでは、お金さえあればまあ、そこそこの生活はできます。
お金がなかったら、石鹸と、歯ブラシと、本当に粉の歯磨き粉は支給してくれます。

お菓子はやめてダイエット、つまらない情報はこの際斬り捨てて、文学にいそしむのもいいかも。

こいつ絶対本なんて読んでこなかっただろうっていう人が、夢中で小説それも芥川賞系の話をするのがおかしかった。

刑務所の教育的効果ってことかも。




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