前科あります(5)
そういえば、手錠のかけられ方で、自分がどう思われているかわかるって知ってますか?
手錠を手首の上からかけるか、下からかけるかってことなんですが。
上からかける、つまり動く部分が下になるかけ方をされたら、あなたは嫌われているか、すごい悪党と思われています。
手錠をかけられた状態で、ロープを持たれたときに、上からかけられていると、手錠が手首に食い込み、とても痛い思いをします。かける側は当然わかってやっています。
軽い拷問のようなものです。
私? もちろんいつも下からです。取り調べには素直だし、かわいいから(いうだけタダ)かな。
じゃあ、なんでそんなことを知っているってですか? 身バレにつながるので、秘密です。
ここから今回の本題に入ります。
1.朝起きて
時計がないので何時かわからないのですが、刑務官が「起床」って各階を怒鳴って歩きます。
放送設備があるんだから、マイクを入れればいいともうのですが、なぜか肉声、これは私のいたところだけかもしれませんが。
起きて、布団をたたんで、決められたとおりに積み重ね、服を着替えます。ほかの人は知りませんが、私はかつての寮生活で慣れているので苦にもなりません。
そうこうしていると、今度は「点検」と声がかかります。
廊下に面した窓の前で正座。
たぶん少し偉い方の人が、顔写真集を手に歩いてきます。諸窓の正面でお付きが「点検」と声をかけるので、自分の番号を申告します。
「点検終了」の声で脚を崩します。
朝食までに、歯を磨いたりトイレを済ましたり。
「配膳」の声とともに、懲役さんが給食ワゴンを押してきます。
前に書いた通り、内部で作っているから、熱々で、まあまあいける味です。もしかしたら私がバカ舌なのかも。
食べ終わったら、窓のところに出しておけば、片づけてくれます。
上げ膳据え膳。
2.日課
朝食後は昼までにいろいろやることがあります。
と、言って大したことではありません。
入浴と運動です。
まあ順番は運動、入浴ですが、風呂が小さいので全員が一斉にではなく数人づつでした。
裁判の予定がある人や追加の取り調べがある人はそっちが優先なので、時間が厳密に決められているわけではありません。
運動は晴れた日は中庭で日向ぼっことおしゃべり。雨の日は屋内でおしゃべりと爪切り。
卓球台なんかがあって運動はできるのですが、私はしたことがありません。覚せい剤がらみで捕まった女のこと、おしゃべりをしてました。
この時期私と彼女しか女性はいなかったようでいついつも彼女と刑務官とおしゃべりしてました。
覚せい剤の子は、美人できっと男にもてるだろうという顔でちょっとうらやましかった。
ちなみにお風呂も一緒だったので、素敵な体をいつも眺めていました、私より胸がある。
ちなみに風呂は一つしかないので、私たちが歩くときはカーテンが閉められました。
パンティ一枚で移動だから、カーテンがないとねえ。
風呂は何分ぐらいだったかなあ、時間前になると外からあと3分って声がかかりました。
パンイチになる理由は簡単で、基本的に房から出るときは身体検査をしなければなりません、といってお尻や性器の中を見るわけじゃなくて、ボディチェックと金属探知機。
それが面倒だから、裸でということだと思ってました。
部屋の鍵を開けるときは房に背を向けて立ちます。なぜかは知らない。後ろ見ないから、そこは分かりませんでした。
あ、もうこんな字数、昼飯から就寝までは次回にします。
2日目の食事
朝 ゆで卵、玉ねぎの味噌汁、つくだ煮昆布
昼 豚肉、筍、ピーマンの炒め物、石狩汁、じゃこの甘露煮
夜 茹でキャベツ、鶏のから揚げ、アサリのクリームスープ、おしんこ
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