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GITZO ミニトラベラー三脚を導入(SIRUI 3T-35との比較)

大昔、大学の研究室の備品で、カメラ機材がありました。カメラはなんとニコンのフラッグシップの F3です。F4の時代だったのでF3は型落ちでしたが、それでもジウジアーロが手掛けたフラッグシップに心が躍りました。そのF3と三脚をプライベート目的で借りて風景を撮影していたら、通りかかったおじさんに「おお、良い機材使っているね」と声をかけられました。私はてっきりF3のこと言っているのか思ったら、おじさんが「やっぱりGITZOだよね」と言うのです。「じっつぉ?」と怪訝な声で私が答えると、「その三脚はフランス製で、とても良いモノなんだよ」と教えてくれました。三脚について全く興味が無かった私が、それ以来、GITZOは凄いブランドと刷り込まれてしまいました。

カメラの趣味を始めて本格的な三脚を買うとき、当然GITZOを選ぶ予定でしたが、ロサンゼルスのカメラ屋でReally Right Stuff(RRS)の型落ちの三脚、TVC-34Lが安く売っていたので、ついついそっちを選んでしまいました。そして、トラベラー三脚は、ManfrottoのBeFreeを選び、今はPeak Designのトラベラー三脚を使っています。ミニ三脚は、SIRUI 3T-35を買いました。GITZOへの憧れがあるものの、なかなか縁がありませんでした。

いちいちアルカスイス互換プレートを装着するのが面倒。SIRUIのプレートはコインか六角レンチが必要なので、さらに面倒となる。

そして、とうとうGITZOの三脚を手にすることができました。と言ってもミニトラベラー三脚GKTBB1です。実は、ミニ三脚のSIRUI 3T-35をあまり使っていません。使わない要因として、アルカスイス互換クランプの自由雲台が挙げられます。CANON EOS 5D Mk4 / R6には、ピークデザインのハンドストラップCLUTCHを装着しているのでアルカスイス互換プレートが常時装着されています。しかし、LEICA MP 0.72やM10-P、そしてPlaubel Makina 670にはてアルカスイス互換プレートを装着していません。気合を入れて三脚を使うときは、アルカスイス互換プレートを装着する手間は惜しまないですが、カジュアルにミニ三脚を使う場合は、いちいちアルカスイス互換プレートを装着するのが面倒なのです。そのため、アルカスイス互換クランプの自由雲台ではなく、1/4インチのネジ式自由雲台のミニ三脚を買うことにしました。そこで折角買うならば、憧れのGITZOにした次第です。ただ、このミニ三脚は4年前に発売された商品で、今さら感はあります。

ファーストインプレッション

雲台はハンドルやノブなど突起がないシンプルなシルエットで、重量 が265 gとSIRUI 3T-35の430 gと比較すると格段に軽くカバンに放り込んで気軽に持っていけます。

並べるとあまりサイズに違いはないですが、鞄に入れるとノブの存在が意外と邪魔になるので、ノブが無いGITZOはすっぽり鞄に収まり出し入れが容易です。

カメラに装着

まずは、メイン機のLEICA MP 0.72に装着。アルカスイス互換プレートを装着しないので、一手間省けて楽ちんです。フィルムM型の三脚穴は、構造上、光軸上ではなく右側に配置されています。そのため安定性が気になりますが、とりあえず脚の上にボディをレイアウトすれば問題ありません。

しかし、四角いカメラ受けのプレートの形状が気になりました。四角形だけにカメラの形状とズレていると不恰好になります。とくにこのLEICA MP 0.72のズレが大きいです。円形にしてくれれば全く気にならないので、なぜ四角形にしたのか摩訶不思議です。細部まで拘ったデザインなのに勿体無いです。

今度は、LEICA M10-Pに装着です。フィルムM型と違って光軸上に三脚穴があるので、安定しています。カメラ受けのプレートのズレも少ないです。

最後は、Plaubel Makina 670です。大きいカメラですが、これも問題無く安定しています。デザイン的には、このカメラとの組み合わせが最も格好良い感じがします。カメラ受けのプレートも、ちゃんと正面になるのが嬉しいです。

重いCANON EOS 5D Mark IVとEF 24-70mm F2.8L II USMとの組み合わせでも、雲台の固定力が強くとても安定しています。

残念ながら、縦位置ではお辞儀してしまいます。バランスを取るため、手で脚を押さえるか、カメラバックなど重しを乗せるなど工夫が必要です。

SIRUI 3T-35も良い

一方、SIRUI 3T-35は、縦位置にする事ができます。これは、脚の上にカメラを移動し荷重を脚に受けるようにできるので傾きません。GITOZ ミニトラベラー三脚GKTBB1は、脚とカメラが干渉するので脚の上にカメラを移動することができないのと、そもそもパン機能がありません。

高さ比較では、GITZOが175mm、SIRUI 3T-35は257mmとなります。

さらにSIRUIは、センターポールを伸ばすと高さ342mmになります。167mmの差があります。この差は大きいですね、

一方、低さ勝負では、GITZOが125mm(開脚角度75°)となり、SIRUIより132mm低く出来ます。ミニ三脚でも多少は高さが欲しいと言う人はSIRUIが良いでしょう。低くても良い、また低い方が良いと言う人はGITZOが選択肢になります。

ちなみにSIRUI 3T-35の脚を開閉するノブは、時々、指の肉を挟んで激痛が走る恐怖の機構です。自分の使い方が悪いと思いますが、このロック機構と相性が良くありません。

まとめ

<長所>
-GITZOのDNAを感じるデザインとビルドクオリティ
-ノブなど突起物が無いので鞄に収まりやすい
-SURUIよりも軽量(165g軽量)
-SURUIよりも低いポジションが可能
-アルカスイス互換プレートを必要としない
<短所>
-縦位置ができない
-カメラ受けの四角プレートの位置がカメラと合わない
-SURUIと比較して、高いポジションができない
-高価

シェイクダウン

と言うことで、早速使ってみました。SURUIは、ロックを解除して脚を広げ、またロックをしなければなりません。さらに、カメラにアルカスイス互換プレートも装着します。GITZOは、三脚穴にねじ込んで脚を広げるだけなので、あっという間にセット完了です。

LEICA M10-P / Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue- / f8 1/2

折角三脚を使うので、シャッタースピード1/2秒というスロー設定で撮影してみました。人をブラすことで動的なアクセントを加えることができました。
と言うことで、このGITZOを常時持ち歩き、色々と撮っていきたいです。


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