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雪がありがたい理由

「わぁ、山の中なんですね!空気いいでしょうね!」

ソルトレイクシティがどこか、と聞かれて「標高1500mくらいのところですよ」というとほぼ間違いなくこの言葉を投げかけられます。

実はここ、とくに冬は「超・空気の汚い場所」になることは有名なんです。インバージョン(気温逆転)現象と呼ばれていて、酷いときは「世界一空気が汚い」といわれるアジアの大都市に並ぶ大気汚染レベル。

これはこのソルトレイクシティが、回りを標高3000m級の山々に囲まれた「鉢底」みたいなソルトレイクバレー(谷間)にある、という地理的なことに拠るんです。

インバージョン気温逆転とは・・・
通常の大気環境では、地表付近の空気は暖かく、高度が高いほど冷たくなっている。
でも「鉢底」のような盆地では 寒波で冷たい空気が流れ込んでくると、「冷たい空気は重い、温められた空気は軽い」→上空のほうが盆地部分より暖かい空気となり、蓋をされたような状態になる。このため地表の冷たい空気が暖かい空気の層の下に閉じ込められる。

というヘンテコなことが起こる!!!
こうなっちゃうと、「強風」でも吹かない限り盆地部分=鉢底の空気はずっとそこに留まり、汚染された空気(=コレも重い)がどんどん溜まっていく・・・という悪循環に陥ります。

そうなると、大気汚染の状況はこんなことに・・・↓↓↓

緑の所は山などで気流が遮断されたところ。PM2.5は粒子が非常に細かいため、吸い込んでしまうと細い気管支や肺の奥まで入り込むおそれがあり、喘息や気管支炎など呼吸器系の病気のリスクを高めます。

ちなみにこれ、1日中氷点下で かつ「晴れ」が3日くらい続いたとき。

すこし引いて見ると、色の赤くなっているところはインバージョンが起きている高地の盆地です。

どれだけ汚いか・・・・となると、この北部アメリカ西部の状況をみたら分かるでしょうか。大きな山火事があるところが「空気が汚い」のは分かるとして、このソルトレイクバレー周辺のひどさよ・・・

ウチの子供達も小児喘息で薬を使っていましたが、現在はもうコントロール良好、やっぱりこのインバージョンによる大気汚染はかなり影響していたんだと今よくわかります。

冬に天気が晴れなのは勿論好きなのですが、寒い+晴れ が続くとこんなことになってしまうソルトレイクバレー。だから、少量でも雪がふるのって本当にありがたいのです。雪に大気中の汚いものがくっついて落ちて、ものすごく空気が綺麗になるから。ほら、昨夜雪が降ったから今日はコレ↓

ほんと、雪(or 雨)が降ってくれる冬だからやっていける・・・

雪かきは大変ですがね、それでも「健康にはいい」のです。
なんというか・・・うまく出来てるなぁ、といつも思います。

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