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贅沢の極みじゃないかと思う趣味

庭仕事はとにかく贅沢なんだな、とつくづく思う。うちは大して広くない(しかも毎年少しずつ芝の面積減らしてるしw)けど、自分がかけてる労力を考えると贅沢以外の言葉がない。

まず第1に目的は「自分が気持ち良くいるため」に尽きる。時間と体力を取られるのに、お金とか評判みたいな一般社会で「ほしいもの」とされるものには全く関係がないし、大体第三者にみせることはまずない。それどころかあれやこれやに追加して散財するのみだ。
そして忙しい日々ではまずできない。少しずつやっていれば何とかなること(雑草抜きとか雑草抜きとか雑草抜きとか雑草抜きとかカタツムリと戦うとか)も仕事に子育てに・・・をやっている人にはなかなか難しい。それに形のついたところでのみ「毎日少しずつ」ができるわけで、気付くと大変なことになる春先〜初夏を超えると「もういいか」になる気持ちはめちゃくちゃわかる。

第2に 庭仕事のコツは本の情報や誰かに教わる、なんかをしたってなかなか得がたいこと。地域(気候帯)が違えば合う植物も当然違うし、同じ地域だってほんのちょっとの標高差や地質の違い(特に私の住む高地砂漠気候なんてそれが顕著)で上手くいったり行かなかったりが激しい。もっと難しいのは「やってみることトライアルは1年に一度」しかできないこと。最初の年に上手くいって、翌年からなんかうまくいかないな・・・を繰り返してやっとその植物を育てる「コツ」を掴んだらもう10年、なんてザラだ。なんと気が長く、贅沢なことのか(どこかで書いた気がするが、私は色んな側面から時間が一番高価だと思っている)。

第3に・・・というか上の2つにも含まれることだが、自分都合の予定が立たない作業だということ。「風が吹いたら遅刻して雨が降ったらお休みで」はNHKみんなの歌の「南の島のハメハメハ大王」の曲三番(気になる方の為にリンクを・・・あ、いらんて?)だが、庭仕事も風が強すぎたら様子をみないといけないし雨の前に済ませて雨の時はお休み、なんて当たり前。いやマジで、苗を植え替えるという簡単な仕事にしても天気次第では「そんなストレス与えたら枯れてしまう」ということになりかねない。天気予報とにらめっこし、自分の予定(間違っても予定に、ではない)すりあわせて考える。どんだけ贅沢な時間の使い方だ。

第4に とにかくなにかとお金がかかる(自分の時間給まで、なんて考えたら吐き気がするから考えない)。家庭菜園の野菜だって、上手につくれるわけじゃないのもあって実は結構高くつく。一時期に大量にとれて困ったりする。
観賞用植物はそもそも苗が高い。多年草は何年もコントロールすることを考えると沢山入れるのはどうかと思う。花はもちろんだけれど色味を楽しむオーナメンタルグリーンなんてそもそも一株がえらく高い。

数年前に自作したデッキ、まだ周りがキレイにできてない。今年は(さらに手をいれたけど)大分おちついた・・・と思う。

第5に 水やりの手間(特に砂漠気候なのに水を撒くって、その考えどうよ)。水そのものを沢山使う、というのもあるが、効果的に水やりをしようと思ったら(くどいけど乾燥砂漠気候の当地、夏場は基本植物が死に絶えてしまう)自分でドリップイリゲーション(ホースを地面に這わせて、ピンポイントで散水する仕組み)を家のスプリンクラーシステムに組み込むことを覚えないといけない。これシンプルなのだけど何気に面倒で(私基本が面倒なこと嫌いなのです)、特に冬を越えて修理が必要になったもの、とか そのポイントを探し出し直して・・・を繰り返すのがねぇ。(あまりに面倒で 私はお金がかかっても春と秋にスプリンクラー管理のひとに来てもらう。)

もうここまで並べただけで「どんだけ贅沢なの」という趣味の世界。
趣味だからやってる本人は楽しいけど、マトモにかんがえたらお金と時間をざっばざば贅沢に使いまくるとんでもない趣味だ。

そして・・・それだけ時間とお金と自分の予定をごりごりにすりあわせてる割には自分の思った風景ようにはなかなかならない。これがなかなかにツラい。結果がすぐ見えるならまだしも、なかなかそうならない。「そうそう上手くいくもんでもない」と知ってるのにそれでも憧れる植物っていうのもあって、つい手を出してしまう←もう救いようがない・・・

破格の$70(この大きさ、この土地の一般的な価格は$250〜$300)に衝動買いしてしまった。樹形わるいし剪定(本来真冬にする)問題とかどこに植えるかとかかんがえなきゃいけないことばっかりなのに・・・正直私は考えなしすぎる。でも憧れの「青紅葉のつくる葉陰」を、数年のうちにみられたらサイコーだ。

でも同時に、「くっそぉなんのためにこんな苦労を・・・」と思いながら掃除をしたり手入れをしたあと、庭というのが輝くことも知ってる。多分他人には見えない、けれど自分には感動的な輝き方。植物って基本的に愛と手をかけてあげると応えるものだけど、それが一気に見えるどころかぴかぴかに輝くことがあるのだ。で・・・その感動を忘れられず、また文句を言いつつも庭仕事をすることになる。


先月末はコミュニティサービス系のボランティアが目白押しでまったく庭のことをできなかった。あるときくたくたになって、「あー庭仕事したい、植物触りたい」と図らずも口からでてきた自分の言葉にびっくりした。
初めて、なんやかんや言って庭仕事って私の心に潤いをくれていたんだなぁと実感した瞬間だった。


なんて言ってたら今日の天気よ・・・もう5月なのに。

止む気配がないので気温が下がると痛みそうな植物に「お布団(不織布)」をかけてきました。だって、今外気温4℃、better than nothingです。ほんとに手間ばっかりかかるよね・・・

サポート戴けるのはすっごくうれしいです。自分の「書くこと」を磨く励みにします。また、私からも他の素敵な作品へのサポートとして還元させてまいります。