マガジンのカバー画像

ひとりごと

773
運営しているクリエイター

#エッセイ

ない、があるところ

ない、があるところ

人の気配ってもの凄く濃いなぁと、大陸の上を移動していると思うことがある。上手く説明出来ないが、ただ「ああ、人のいる場所が近い」と思うのだ。

私が住んでいるユタ州は砂漠と岩に覆われる高地だけれど、この15年で人口が急増している。それでもまだまだ辺鄙な場所は沢山あって、ごく稀にだが ちょっと人里離れると「まわりに人がいない」恐怖感というものを空気のなかに感じることがある。

多分これまで、人間の存在

もっとみる
分からないことを一緒に考えてものをつくるひとたち

分からないことを一緒に考えてものをつくるひとたち

全く違う分野だと思うが根底に共通する物を感じた。そしてそれは多分、「効率化」が流行った(?)時代を経て、ここを捨ててはいけないと戻ったものが手に入れられる勝利という気がする。



最近全く違うベンチャーのEV(電気自動車)を買うことにしたことで、改めてテスラ社という会社の、このEV業界での強さを知る今日この頃だ。

テスラは車の会社というより エネルギーを売り物にした会社だと私は思っているのだ

もっとみる
父と飲み歩いた12月

父と飲み歩いた12月

お酒の好きな家族(妹は飲めないが)に育った。少々飲みすぎな感じもあるけれど、私は飲めてよかったなぁと思っている。特に父と私の間に、お酒は思い出につながる大事なアイテムだ。

歳をとるのは人間と同じだけれど、そこで終わらないアメリカの街。

歳をとるのは人間と同じだけれど、そこで終わらないアメリカの街。

よく興味深いテーマを投げてきてくれる池松さんが、こんなツイートをされていた。きっといろいろ思うところがおありだったんだろう、在米の私にこれを直接送ってきてもくれた。

リンクの記事「帝国の興亡」も興味深いので是非お読み戴きたい。20年以上頻繁にこのエリアを訪れていらっしゃる方だから、「毎日いないから」こそものすごくはっきりと見えることだと思う。そして悲しさとショックを伴ったのは理解できる。

本当

もっとみる
正解さがして三千里(以上)

正解さがして三千里(以上)

仲良くさせていただいているnoterさんの記事を読んで、そういえば、と思いだした。

ここで出てくる「解らなかった」と話すひとは泉ちゃんのご主人だろうか。いや全く自分の事かと思った。私は実は、いまだマカロンの美味しさがわからない。

カワイイし、ちょっとつまんでみたいとおもうけれど。
でも世の中の人、結構な確率でマカロンを美味しいというのできっと私が感動するくらい美味しいマカロンを食べたことがない

もっとみる
Lazyシーズンがやってきた

Lazyシーズンがやってきた

気付いたら近所じゅうにクリスマスのライトアップがされている。気の早い人はハロウィンが終わった翌日にはライトを取り付けたりしているし。

ハロウィンあたりからアメリカの年末はイベント続きで忙しく、あっという間に過ぎていく。スーパーでは大きなターキーが売られ始める。セール合戦が始まり、街に人が溢れる。
そしていろんなこともうまく進まなくなる、みんなこの時期に仕事はしたくないのだ。予定が立たなかったりク

もっとみる
栗むき

栗むき

生活の思わぬところに思い出というのは潜んでいて、不意に袖口を引っ張るかのように私を引き込む。それが重ねた時間というものかもしれないし、重ねた中でその土台が愛だったんだなぁとしみじみ理解できることなのかもしれない。

栗が売られていて、なんとなく手を伸ばした。中華系食料品店でのこと。お高いのは韓国栗Korean Chestnutsとして売られていて、その隣にほとんど見劣りのしない「Chestnuts

もっとみる
幸せはbeingではなく

幸せはbeingではなく

先日から「幸せ」ということをぼんやり考えていてメモっていたりしたところに、ちょうど今日の林伸次さんの記事タイトルに「幸福」という言葉をみつけた。ありますよね、こういう「引き」みたいなの。人間って何かを考えたりしていると、そこに繋がる言葉とかヒントみたいなのを探す見えない触手みたいなのを伸ばしているんじゃないだろうかと思ってしまう。
とにかくそのおかげでメモしていた事柄が繋がったので、忘れないうちに

もっとみる
あなたはカッコイイからイケメンじゃなくてもいいんだよ

あなたはカッコイイからイケメンじゃなくてもいいんだよ

最近ずっと見て/聞いている音楽はK-POPのSeventeen(セブチ)とVaundy。素顔云々はよくは知らないのでここでは置いておいて、「カッコつける」という言葉がとても良い意味で彼らを輝かせているなぁと思っている。格好つける、じゃない、「カッコつける」ほうね。

セブチは完全に娘の影響という記事は以前に書いたけれど、Vaundyはひょんなことで・・・きっかけは去年の暮れのこれ↓。沢山の人が聞い

もっとみる
ずる休み

ずる休み

ずる休みをすることにした。
なんだろう、この言葉のもつ後ろめたさ・・・いや、ここは「えー、ずるやすみ、ってなんか響きがかわいくない?」くらいで笑っておこう。そう思っておかないと後ろめたさで自分を責め殺しそうだ。

そう、響きがカワイイ「ずる休み」を決行するんだ、今日は。



たいしたことではない。
私の所属する人権擁護団体で、92歳になる支部メンバーNさんのちょっとした「トークイベント」をする

もっとみる
数年を超えた58秒15

数年を超えた58秒15

4分弱の決戦、しかもM自身が戦えるのは1分に満たない。
ビデオの中のMは、直前の泳者に向かって飛び込み台の上から右手を動かしながら小さく声を出している。来い、来い!そんな感じで。
そしてラスト5mの線をその子が越えるあたりで ふっ、とMの全身から無駄な緊張と力が抜けた。あまりに力みがなさ過ぎて、一瞬彼女は最終泳者ではなかったのかとビデオの中を確かめる。
Mの身体は柔らかく弧を描きながら宙に浮いた。

もっとみる
旅の計画

旅の計画

年齢が上がるにつれ より楽しいとか嬉しいとか居心地よくなることって私は沢山あるのだが、旅ができるようになった、というのはその中でも大きい楽しみだ。

別に旅をしないと生きていけないなんて思っていなかったけれど、この2年半で思い知った。私もオットも膝から下は「旅」で出来ている人間なのだ。膝から下だから、そこが多少動けない状態でも生きてはいられるが動かさなくなった下腿は浮腫んできてすこし苦しくなる。

もっとみる
お盆のこと

お盆のこと

そうか、世の中はお盆か。

私は特に強い信仰はない。昔は「お盆=みんながお墓参りする時期・遠くの親の故郷に家族に会いに行く時期」と思っていた。まぁ子供の頃そんなふうに思ってしまうのは仕方なかろう。だってニュースでは帰省ラッシュの小仏トンネル付近の渋滞何㎞、とか新幹線乗車率180%とか、そんなのしか聞こえてこないんだから。

それどころか私の小さい頃の「お盆時期」の意味は、休みの取りにくい父がいて、

もっとみる