人生を通してマウントを取られてきた妻がホワイトデーで大逆転する話

私は人生を通してマウントを取られがちだ。
すぐ「あなたには分からないかもしれないけど…」みたいなことを言われる。
結婚してからは“夫マウント“みたいなものも多数あって
「タカチセの旦那さんは何してるの?役職は?月収は?」
と畳み掛けるように聞かれる。
同時に“配偶者の実家マウント“も始まった。「旦那さんのお家は何か仕事とかしてるの?」という感じ。
 
正直な話、自分の仕事や年収とか家柄とかでマウント取られているなら多少ショック受けるのだけど…
夫のことにおいては「知らんがな。夫のことまで私の責任かい」と思ってきた。
 
へー、オタク様のご主人はお医者さんですか!
ホホー、ソチラ様はお偉いさんですね!ナント!
アチラ様はご実家がお金持ち!
すごいですね!羨ましいですぅ(白目)
 
夫の仕事もソコソコで、家柄もよく分からない私にここぞとばかりにマウントを仕掛けてくる知人達。
多分私にマウントかけることで自己肯定感上げる趣味なのだと思う。
 
別にいいのだ。
身の程ってあるし、私は夫の仕事や家柄はどうでもよくてモラハラしないでほしいだけ。
お金持ちには私がなるから夫に先にお金持ちになられるのは嫌だ。
そうゆう気持ちで毎日夫のオナラを聞きながらせっせとエッセイ書きに勤しんできた。
 
先日のホワイトデーが終わってすぐ、私にマウントをかけてくる知人Aさんから電話。
お金持ちの旦那さんと結婚して、過去のヤンチャぶりを封印しているストレスを時々私にマウントかけることで発散している。実に悪趣味!!
開口一番にAさんが言ったのは
「ねぇ、ホワイトデーもらった?」
何だコイツ。まず挨拶しとけよと思いながらも「もらったよ?」と言った。
するとAさんが「だよね!アンタでもお返しもらったんでしょ!」と大きな声になる。私のことなのだと思ってんだ…。
「何もらったの?」と聞かれたので「とりあえず当日はクッキーで、週末にちゃんとしたのを買ってあげるからって言われた」と伝えるとションボリした様子のAさん。
「私、毎年手作りでチョコレートプレゼントしてるの。でも全然お返し来ないんだよね」
あ、お返しを期待してのプレゼントなんだ…。それはオオゴトっすね。
どうやらAさんは結婚してから旦那さんからのプレゼントが減ったことに不満や不安を感じているらしい。
「タカチセはどんなプレゼントもらってんの?」
自己肯定感がダダ下がりのAさんは私にかなり立ち入った質問をしてくる。
今まで散々マウントしてきた人間が自分より幸せかもしれないということにAさんが不安に苛まれているのが伝わった。
どうでもいい。悲しいくらいどうでもいい。
 
「私のことなんぞいいんだよ!日々モラハラされてる罪滅しのプレゼントだから!モラハラされない方が幸せなんだよ!」
もはや自虐にしかならないフォローをする。
日常的にモラハラされてる妻になんて誰だってなりたくないだろうと思っていたのにAさんが大声で
「モラハラされてもプレゼントもらえるならいいじゃん!」
と言ってきた。モラハラされた先にプレゼントなんてもはや賄賂レベルじゃないか。
Aさんはもうプレゼントオバケになってしまった。
 
「手作りのプレゼントにお返しないなんてありえない!」と騒ぎまくるAさん。
流石にうるさいなぁと思い、心を込めて言い返した。
 
「あのさ、お返しもらいたくてプレゼントするって辺りがそもそも非常識だよ?私、別に物が欲しくて夫婦になったわけじゃないから。ただイケメンと暮らしたかっただけだから!そしたらモラハラされんの!」
 
Aさんは黙った。よかった。
結局最後は「正直にプレゼントもらえなくて悲しいって言うわ」と言って電話を切った。
ブレない。金持ちと結婚するとブレない強欲さが身につくのかもしれない。
 
私は恵まれた人から見れば何も持っていないと思う。
今となってはその“何もない自分“によってこうしてエッセイを書くことができている。
昔から書くこと読むことだけは好きで、ずっと続けてきた。
 
娘が生まれて家で過ごすことが多くなった時にnoteを始めた。
当時お金なくて暇だから、その時の気持ちや思い出を文章にすることにした。
そのうちに読者さんが増えてフォロワーさんが増えて、今がある。
もしかしてお金持ちと結婚してモラハラもない安心安定な生活をしていたらここまでの文章は思いつかなかったかもしれない。
私は自分の人生を面白おかしくするためにエッセイを書いてきた。
 
夫からのプレゼントについても“読者の皆さん!先日のモラハラの償いはコレっす!“という報告である。
私にマウントを仕掛けてきた人達への逆マウントではない。
 
昔、“雑談の人“桜林直子さんが「不足があったから考えてきたんだと思う」と話していた。
満たされた生活をしていたら思いつかなかったかもしれないアイデアは、不足の中から生まれるのかもしれない。
もしそうだとしたら、不足のある人生も悪くないんじゃないかと思う。
 
エッセイを通して、自分の不足を楽しむ。
そうゆう自分、好きだなぁと思った。

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