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泣きながら3時間かけて宿題をする息子に母が思うこと

我が子の生きづらさ=発達の問題を感じた時、親としてどうあるべきなのだろう。
“苦しいのは子供自身”と言われるけれど、一緒に暮らし寄り添い続ける親だって苦しいぞとここで言いたい。

毎日が苦悩である。
学校に行くための準備から送り出し、帰ってきてからの宿題に翌日の準備。
息子の生活のほとんどにサポートをし、息子の心が折れないように自分の言動にも気を遣う。
ちょっとでもキツイ言い方をすれば泣いて拒否。更に時間がかかる。

息子がとうとう泣きながら「もうイヤダ。死にたい」と言い出した時、私は天を仰いだ
悲しいとか通り越して、私の意識が天に昇りそう。

そりゃあ毎日ストレスフルな状況で学校に通っているし、周りからの言葉にも傷ついているだろう。
唯一安心できる家に帰ってからはゆっくりしたいのに宿題やれって言われたら…もうやだ!って気持ちもわかる。

しかし、息子のコンディションは関係なく授業は先に進んでいく。
連日授業中にできなかったプリントを持ち帰ってくるので、家でやる宿題は倍以上。
机に座れば泣いて「出ていく!」と繰り返す息子。

泣きながらプリントと1時間半も向き合うだけの息子を見て絶望的な気持ちになる。
普通じゃないことが分かっているのに、普通を求めるってどうゆうこと?

結局息子は1枚のプリントをやり終えるまでに3時間かかった。
その話をすると「頑張ってるね!」と褒められる。

…そうじゃねえよ。
3時間だぞ?
それまでに大泣きして暴れて、終わるまで親はそこから一歩も動けない状況毎日だぞ?
その気持ちわかるか?

誰にも届くことのない、家の中で繰り広げられる息子との攻防戦に息子と私は2人で泣いてきた。

その状況に今やっと光が見えている。

息子の状況について専門の方に相談したら
「ASDの可能性が高い」
と話があった。

ASDとは『自閉スペクトラム障害』のこと。
以前は他の呼び名があったけれど、今では大きくまとめてこの呼び方になった。

息子の場合は以前の表現で言えば『アスペルガー症候群』に分類される可能性があるとのこと。
アスペルガーは、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの障がい、こだわりの強さ、感覚の過敏などを特徴とする、自閉症スペクトラム障がいのうち、知能や言語の遅れがない状態のことを呼んでいる。
今後検査を行いながら詳しく息子の特性について考えていくことになった。
 
学力に遅れがないことや、パニックになっても飛び出したりすることがない息子は、その問題点がフォーカスされにくい。
長い間、自分の生きづらさを理解してもらえなかったことで息子自身が強いストレスを感じて生きてきた。
そして意欲の低下や逃避行動(教室に入るけれど授業に参加せず鉛筆や消しゴムを使って遊ぶ等の行動)をすることで自分の心に折り合いをつけてきたのだと思う。
 
いい加減救ってあげたい。
毎日泣く息子を見ながら強く思う。
 
アスペルガーの可能性があることを知人に話すと
「すごいじゃん!天才肌だよ!」
と言ってくれた。
調べてみると米津玄師や織田信長が出てきた。
きっと息子の未来に希望をもてるような話なのだと思うが、この時思ったのは
 
「天才に辿り着くまでの道のりは…厳しいぜ」
 
実際息子の暗記力はすごいと思うし、ブロックを使って1度しか見たことのない物を作ったりする。
物事の考え方が純粋なので誰に対しても「素敵だね」とか「嬉しい」を恥ずかしがらずに言葉にする。
 
素敵で素晴らしいエピソードは数えきれない。
しかし、その素晴らしさを理解してもらうために乗り越えないといけないものがあるのも現実。
乗り越えられるために、彼と私の人生はまだまだ序章にすぎないということ。
 
歩いて走って、時々止まって、笑って泣いて。
検査の結果が分かったからといって私の悩みが無くなるわけではない。
でも、息子が少しでも今より幸せに生きられるとしたら、それでいい。
 
息子を授かった意味を、これからも考え続けていく。

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