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妖怪・ジコツゴウ

夫、最近仕事が上手くいかないらしくイライラしている。
私の話にも色々と文句をつけ、自分がいかに優れた人間かをアピールしていた。
「この話、どこかの偉い人に言ったら採用されるよね?」
と言うのだけど、すぐ近くにいる私がその話を理解できない。偉い人が理解するのも難しいだろう。
しかも「どっかで聞いたことあるなぁ」という話だったりする。

とりあえず、私が偉い人になりたい(何言ってる)

イライラが止まらない偉い人に提言したい夫(長い)
子供達を風呂に入れるも、娘に対して怒る怒る。
絶賛反抗期な娘に対して冷静さを失う気持ちも分からなくはないが…
大人げない。マジ40過ぎたオッサンが大人げない。

それでもイライラが止まらないらしく
「俺が頑張ってるときにパソコンいじりやがって!!」
とモラハラ発動。
ちなみに私は夫に子供達を風呂に入れて欲しいとは微塵も思っていない。
勝手にやって勝手に怒っているのだ。
ビックリするくらいの自己中な自己都合である。

めんどくさい時間をやりすごしながら
多分、夫は私が知らない間に妖怪になったんだと思った。
その名も“妖怪・ジコツゴウ”
ゲゲゲの鬼太郎が来てくれないと退治できない。

退治する能力を持たない妻は、とりあえず寄り添うフリをしている。

「もう無理しなくていいのよ」と優しい言葉をかけたら、妖怪が進化した。
言い出した言葉が

「俺はそんなに風呂に入りたくないからガス代上がってもその分払う義理はない」

…妖怪ってお札とか効くのかな?

もう一生風呂に入らず、みんなから嫌がられて石でも投げられてしまえばいい。
夫の最大の問題点は、この発言がどれだけ非常識かといかということを認識していない所にある。
反省しない人間に反論をしても、これまた自己都合で怒るだけなので「そうなんだ」とだけ返した。

あまりにも反論されないので、夫は怖くなったらしく
「でも俺がシャンプーすれば一番シャワー使うんだけどね」
と言い出した。
どっちでもいいしどうでもいい。
ちなみに夫はシャンプーを毎日しない。中村アンもそうらしいけど、夫と中村アンは目的が違う。
夫はただめんどくさいだけなのだ。信じられないグウタラっぷり。

結局夫は「別にこれからも風呂はやるよ」と言った。
子供達とお風呂に入る権利を奪取することに失敗した妻は落胆しけれど、ニコニコして「そう。ありがとう!でも無理しないでね!」と応える。

夫は自分が一番賢くて有能ではなければいけないので、自分より正しい人間が嫌いなのだ。
人間として随分欠落してんなと思っているのだけど、そこら辺は妖怪だから仕方ない。
内弁慶な所が功を奏して社会で“普通の人”に擬態することに成功したのだろう。
家に帰れば自由。何を言っても大丈夫。
みんなが投げないなら私が石を投げようか(やめとけ)

夫には
「あなたは好きなように過ごしていいと思いますよ。私、自分でやってみる!」
と青春ドラマのヒロイン顔負けのポジティブ発言をした。
実際、自分で予定を組んで遂行していく方が楽だから。
私は子育てに実習生はいらない。即戦力が欲しい。
できないなら匠の技を見て覚えて欲しい。こっちは忙しいから見て盗め。

結果としてそれは却下されたわけだが、私の心には家事子育ての匠が降臨し、プロフェッショナルな作戦を立て始めた。

妖怪め、匠の技をなめるなよ。

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