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すかいらーくの賃上げに続け

◉いろんな報道機関が報じているのですが、どうにも、厭々報じている感じがして。平均約6.22%アップと新卒の初任給を1万7400円増やすって部分だけで、具体的に総額いくら増えるのかを、書きたがらないんですよね。こちらの、流通ニュースの記述が、一番具体的でした。ベースアップ5%の1万7400円と定期昇給を合わせて平均約6.22%=2万1333円の賃上げ。つまり、年間で25万5996円の賃金アップ。

【賃上げ2024/すかいらーく正社員6.22%、初任給は24万5800円に】流通ニュース

すかいらーくホールディングスは2月26日、2024年春季交渉において、賃上げ総額6.22%の満額回答で労組と合意したと発表した。
(中略)
4月から基本給を一律で引き上げるベースアップ5%(1万7400円)と定期昇給を合わせて平均約6.22%(2万1333円)の賃上げをする。

今春入社予定の正社員の初任給は、24万5800円と1万7400円増やす。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

https://www.ryutsuu.biz/strategy/q022612.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■賃上げ圧力こそ大事■

新人は、1万7400円増えて24万5800円と。日本がまともに経済成長していれば、とっくに30万円を超えていたでしょうに。でも、良い額です。X(旧Twitter)上では「スタグフレーションが〜! アベノミクスが〜! 消費税が〜!」と騒ぐ人もいますが、それよりもこういうニュースを取り上げて「よし、スカイラークで食うぞ」とポストしたほうが、よほど他の外食産業にも賃上げの圧力になって、建設的だと思うんですが……。

この話題を取り上げても「非正規が〜」って、株価が上がったのが、そんなに憎いのでしょうかね? 物価の値上がりに対抗するには賃上げ、これ一択ですから。すかいらーくのこの英断はもっと称賛しないと、他の企業も追随できませんしね。政府批判が自己目的化した左派マスコミにとって、都合が悪いのでしょう。でも、そうなってしまったら社会の敵、日本人が不幸になることを喜ぶ、クズ仕草です。

X(旧Twitter)では、日本の状態はデフレーションとコストプッシュの複合型なので、スタグフレーションだ論が湧いて出ていますが。スタグフレーションはインフレーションの一種です。スタグフレーションとは、不況と物価の持続的な上昇が併存する状態です。景気の実感 なんて一般庶民にはありませんから、そう言われるとなんだか、今はスタグフレーション状態のような錯覚を起こしますが。

■スタグフレーション■

スタグフレーション認定するには、供給ショックや失業率の高止まりが、必須条件ですから。ロシア連邦軍のウクライナ侵攻によって、エネルギーの供給不足によるスタグフレーションの可能性は確かに開戦当初から指摘されていましたが。欧州とは異なり、日本はかなり頑張って燃料費高騰は抑えています。石油ショックのような供給ショックが起きているわけではありません。

アベノミクス以降、失業率はずっと改善されているわけで。新井白石の昔から言われている、インフレで生活が苦しい論が近年は、緩やかなインフレ状態は体感的には苦しくても実際は経済が回っていて、デフレ状態は体感的には物価が下がっていいように感じるが、実際は経済が回らなくなって真綿で首を絞められる状態───というのが、ようやく理解され始めたので。別の言葉で事態をごまかして、政府批判につなげたいのでしょう。

石油ショックのような供給ショックが起きているわけではなく、失業率の上昇もなく、中央銀行が貨幣発行量の独立的コントロールを失った訳でもなく。現在の状況を、スタグフレーションというのには、かなり無理があるように思います。スタグフレーションを言い募るのならば、原発再稼働を推薦し、燃料費の高騰を抑える方がよほど、現実的で有効でしょうけれど。なぜか反原発派が多いですね。

■消費税廃止論は愚策■

反原発とセットで、わいて出ているのが、消費税廃止論者です。れいわ新選組の信者であることが、セットで多いのですが。教祖様がそんなことを言っているわけですから、当然といえば当然なのです。現実問題、消費税を廃止してもほとんど 意味がないことは、れいわ新選組の試算でも22万円程度の減税でしか無いことからも、明らかです。むしろ小売の現場が混乱するだけで、デメリットが大きいです。

【れいわ新選組「消費税ゼロ」の実現可能性を探る- 連載コラム「税の交差点」第71回】東京財団政策研究所

「消費税ゼロで日本は甦る」。れいわ新選組代表の山本太郎氏が、文藝春秋2月号に公表した「政策論文」である。果たしてこの提言に実現可能性があるのだろうか。現在最も勢いのある政党党首の政策である。財源部分を中心に検証してみたい。

提言では、「消費税10%をゼロにすると、25-26兆円の減収となり、その財源を所得税と法人税の増税で埋める(足らざるところは借金・国債)」としている。これが提言の柱なので、この部分に焦点を当てて考えてみたい。
(中略)
つまり10兆円の所得税収を得るためには、最大のボリュームゾーンである中低所得者の負担を同程度引き上げなければならないということである。

山本氏は、消費税廃止で家計は年間22万円ほど楽になると計算しておられるが、所得税増税でその半分程度は消えてなくなるだろう。

https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3323

消費税を廃止しても、代替の財源がなければ、どうしようもないわけで。所得税の増税で、22万円の半分が消える。法人税が上がれば、給料が上がるはずもなく、普通にダウンするでしょう。そして、所得のない富裕層老人はホクホク。その分の負担は、子育て世代に直撃。プラマイゼロどころか、むしろ富の再分配機能としての税という意味では、マイナスでしょう。

しつこく書きますが、消費税がそんなに悪税ならば、なぜ世界中の国々が採用し、OECD加盟国の平均税率が19%で、出羽守が称賛する北欧の高福祉国家は軒並み25%以上なのか、ちゃんと説明してください。ナントカのひとつ覚えで、欧米では除外項目が〜って、なら日本も除外項目を作ればいいだけなのに、なぜ消費税自体を否定するような論理の飛躍をされているんですかね?

個人的には除外項目なし軽減税率なしにして、一律の税率で、貧困層には所得に応じて還付するという、旧民主党政権時代の「給付付き消費税額控除」案が、まっとうに思いますけどね。


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