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成田空港の空港反対派の櫓、撤去へ

◉今は令和ですよね? 三里塚闘争は1966年7月に、新東京国際空港反対のために始まっていますから。こんな半世紀前の異物が、未だに撤去されずに残っていること自体が、驚きと言うか大笑いというか。その後の成田空港の利用者数の多さと、国際空港としての日本のハブ機能の立ち遅れなどを見ますと、まさに日本の発展を阻害したの、虚しい闘争だったと未来の人々に批判されるでしょうね。

【成田空港のやぐら撤去で機動隊に暴行 容疑で男3人逮捕】産経新聞

 成田空港の誘導路脇の農地で空港反対派のやぐらや看板が撤去された16日、千葉県警は公務執行妨害の疑いで、いずれも過激派の活動家とみられる住所や職業、氏名不詳の男3人を現行犯逮捕した。現場では撤去が始まった15日夜以降、県警機動隊員らと反対派やその支援者数十人の間で、もみ合いが生じるなどしていた。
 県警公安3課によると、男の1人は16日午前4時半ごろ、千葉地裁の執行官の退去命令に従わず、やぐらの上で所持していた金属製の鎖を振り回し、機動隊員の男性警部補(48)を鎖でたたく暴行を加えた。男は「弁解はありません」などと供述している。

https://www.sankei.com/article/20230216-HFGNBT4N6VLHFGT2NZ3HDOJX3M/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、成田空港の写真です。

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■自己目的化した反政府運動■

自分はタイの、スワンナプーム国際空港がオープンが2006年に、利用しましたが。その広大な敷地面積──成田空港の約3倍の広さと、立体駐車場などの近代的な設備に、目を見張ったものです。まさに世界の入り口。その当時は滑走路は2本でしたが今は3本、最終的には4本にして、アジア屈指の国際空港になるのは確実。それまで利用されていたドンムアン国際空港も、かなりの大きさでしたし、現在もLCCなど多くの飛行機が乗り入れています。

韓国の仁川国際空港も、自分は利用したことはありませんが、友人などの話を聞くとかなりの規模のようで。そもそも開港した時点で成田空港と変わらない規模でしたし、空港開発用地を含む大きさは、成田空港の4倍ほどにもなります。滑走路も4本ですから、新平行滑走路さえ2029年完成予定の成田空港とは、比較になりません。海外の国際空港ならば、時差に対応して24時間離発着も多いのに。

■時代の空気に流された運動■

反対派に関しては、ボタンの掛け違いを強調するような、中立を装った評論家も多いですが。長い目で見てみれば「そこまで反対するようなことだったのか?」というレベルの話ですね。たぶん100年後の人たちから見れば、理解できないでしょう。現代の自分たちが、幕末の攘夷派の武士たちが、「神国日本に毛唐外国人を入れるとは何事だ!」と青筋立てて激昂して、各地で天誅テロや生麦事件を起こしていたのが、よく理解できないように。

沖縄の辺野古基地移転反対派もそうで、日本の国力が伸長をして欲しくない外国勢力からすれば、「過激派の皆さん、ありがとう」ぐらいのもんでしょう。その外国勢力が、中国なのか旧ソ連なのか北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)なのか韓国なのか、それはわかりませんけどね。未来の人は、「ベ平連とかいう左翼の団体も、KGBから資金提供を受けてたそうだから、こういう団体もそうだったのかな?」と思うでしょう。

■大衆の支持を失った運動■

Twitterを見ていたら、中核派の御仁がこんなツイートをしているのが、流れてきました。2018年に学習院大学に入学されたそうですから、まだ二十代前半ですかね? 御本人の高揚感地は裏腹に、反対のための反対。為にする反対、反対することが自己目的化してしまっていますね。魯迅の『阿Q正伝』を思い出させる内容です。名作文学というのは、時代を超えて変わらぬ人間を描くから、名作たりえるわけです。

最初のツイート、23.5万閲覧で147イイネです。イイネ率0.062%ですか。1598人に1人しか、イイネを押していない計算。イイネ率0.1%を切っている時点で、大衆の支持を失ったのは明らかなに、まだこんなことやってるんですから。大衆はあなた達中核派に無関心なのではなく、ちゃんと見た上でダメだと判断して、いいね押していないわけです。まだ若いのですから、精神的勝利の虚しさを自覚して欲しいですね。

■追記:一匹と九十九匹と■

このnoteを読んだ極左暴力集団の人たちは、ムカついたかもしれません。幕末に天誅と叫んで要人暗殺テロを起こしていた脱藩浪人たちも新選組も、小説や映画などの素材にはなり得ているじゃないかと。そういう評価をお前は否定するのか、と。それは芸術的な価値があるからであって、政治的な価値となれば疑問です。それはまさに、福田恆存が言う「芸術は一匹のためにある」からであって。九十九匹のためにある政治的には、成田空港建設反対闘争は、完全な敗北です。大衆の支持を得られず、国民の幸福とか公共の福祉に、どれほど益したか。

保守思想家の福田恆存は、新約聖書のルカ傅福音書の一節「汝等いかに思ふか、百匹の羊を有てる人あらんに、若しその一匹まよはば、九十九匹を山に遺しおき、往きて迷へるものを尋ねぬか。」をもとに、政治は九十九匹のためにあり、芸術は一匹のためにあると喝破したわけですが。芸術は、文学や宗教と言い換えてもいいですが。1匹のために99匹を犠牲にできないのが政治であり、残酷ですが99匹のために1匹を死に追いやることさえあるのが現実です。それは、肉体的なことだけでなく、精神的なことも含めてです。左翼が少数者に寄り添うのは、共産主義思想のルーツである、宗教由来です。

■因果は巡る輪廻の輪?■

でもその文脈で言えば、己という一匹の芸術の完成ために腹を切った三島由紀夫の再評価には、どうあっても敵わないことになりますね。勝ち負けの問題ではなく、三島由紀夫の主張が正しい・正しくないに関係なくです。三島の自決は、本人の自殺願望とか夭折への憧れ、老いへの嫌悪、色々あったでしょうけれど。右翼の山口二矢も、左翼の森恒夫も、自らを裁いたという点において、未来においては文学や映画の表現対象になるでしょう。それは、彼らの主義主張の〝正しさ〟とは関係なしに。文学とか、そういうもんです。

そういう個人の在り方はともかく。全共闘世代など、学生運動や成田空港建設反対闘争に血道を上げた層は、時代に踊った烏合の衆として、十把一絡げで扱われることを甘受するしかないです。それがどんなに不本意でも。だってあなたがたの世代は、 日本を敗戦に導いた世代を、敗戦という結果責任で十把一絡げにして、全否定し批判したのですから。因果応報ってやつです。あなた方が批判した層だって、日本を滅ぼそうと思ってやったわけではない。でも、政治は結果責任です。

■戦後が終わろうとする■

安倍晋三元総理は、戦後レジームからの脱却を、繰り返し口にされました。安倍総理が亡くなった2022年に、世界は大きく変わり始めたような気がします。ロシア連邦のウクライナ侵攻から始まって、年末にはWBPCの疑惑が告発されたように。何度か書いていますが、どうも日本の政治はハレー彗星の周期と同じで、75年ぐらいで社会が行き詰まって、改革の機運が高まるようです。世代が3つ入れ替わると、だいたいこの国は行き詰まるようです。そういう意味では、全学連や全共闘の世代が去ることが、この国の改革のタイミングということでしょう。

1493年:明応の政変
1560年:桶狭間の戦い
1637年:島原の乱
1716年:享保の改革
1787年:寛政の改革(1793年終了)
1868年:明治維新
1945年:第二次世界大戦敗戦
2022年:ウクライナ侵攻・安倍元総理暗殺・Colabo疑惑

幕末の動乱を見ていると、佐久間象山にしても村田蔵六にしても、西郷南洲翁にしても、この時代において自分が果たすべき役割を終えると、あっという間に退場していったように。60年安保の世代が戦犯の孫と罵倒した安倍総理は、時代の節目にその役割を担ったということでしょうかね。左翼は認められないでしょうけれど。岸信介も安倍晋三も、世界的に見たら中道左派レベルです。日本の左翼が、鵺的に奇形化して、訳がわからなくなってるだけで。自分達は明治維新や敗戦に匹敵する、時代の変わり目に立ち会っていたのかもしれません。10年ぐらいで、誰でも分かる形で着地しそうです。共産主義の、本当の終わりという形で。

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