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大谷翔平選手が水原一平通訳を解雇

◉朝起きて、ペケッターを開いたらいきなり、とんでもないニュースが飛び込んできました。大谷翔平選手の専属通訳として知られる水原一平 氏が、ドジャースから解雇されたとのこと。現時点ではまだ、あやふやな情報も多いので、イロイロと断言できないことも多いのですが。それでもかなりやばい情報だというのは、理解できます。

【大谷翔平の水原一平通訳がドジャース解雇…米報道 大谷資金で巨額の賭博疑惑 開幕戦翌日に衝撃】livedoorニュース

 エンゼルス時代から専属通訳として大谷翔平投手(29)を公私でサポートしてきた水原一平通訳(39)がドジャースを解雇されたと20日(日本時間21日)、「USAトゥデー」のボブ・ナイチンゲール記者ら複数の米メディアが報じた。

 「LAタイムズ」によると、水原通訳は大谷の代理人弁護士から、大谷の資金を違法なブックメーカーで賭けるため「大規模な窃盗」に手を染めたと告発された。2人の情報筋が同紙に語ったところによると、関与した金は数百万ドルにのぼるという。米スポーツ専門局「ESPN」は、少なくとも大谷の銀行口座から450万ドル(約6億8000万円)が使われたとしている。

https://news.livedoor.com/article/detail/26083033/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■プロテスタントの連邦■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。アメリカの場合は、各州は一種の独立国みたいなものですから。だから州自体が軍隊(州兵)を持ち、独自の法律を持ち、警察などのシステムも異なります。各州にないのは、 通貨発行権と外交権ぐらいなものでしょうかね。江戸時代の日本の藩のようなものと、考えた方が近いようで。だから 州をまたいで警察権を持って活動する連邦警察(FBI)が生まれたわけで。

合衆国とは、衆国=民衆が主権者の民主主義国家が合わさったもの、つまり連邦国家という意味です。なので州によって、賭博は合法だったり非合法だったりするのですが。MLBは、こと賭博に関しては、かなり厳しいんですよね。過去にブラックソックス事件とか、リーグ存亡の危機がありましたから。国際カジノ研究所所長である木曽崇さんのポストが、とても分かりやすく解説されていらっしゃいましたので、以下に引用します。

アメリカでは2018年の「スポーツベットを禁ずる」連邦法の無効判断が行われた後、各州でスポーツベッティングの合法化が進み、現在50州中38州で合法化が行われています。今回問題が起こったカリフォルニア州は米国内でも既に少数派となったベッティングが合法化「されてない」州であり、同州での違法ベット業者への捜査が今回の大谷選手&通訳の騒動の発端となっています。

https://twitter.com/takashikiso/status/1770611773542117884?t=X7e14IiGgf5OwaJhfYk6Rw&s=19

日本では、アメリカ=ラスベガスのイメージがありますが、もともと禁欲的なプロテスタントが作った国であるアメリカは、賭博に関しても忌避感が強く。先住民である ネイティブアメリカンの、経済的な支援のためにギャンブルや風俗店の経営を、合法化している州が多いんだそうで。2018年と、わずか6年前に、連邦法の無効が確定したという点からも、ここら辺が理解できますね。

■ブラックソックス事件とMLB■

MLBは、映画『フィールド・オブ・ドリームス』で若い世代にも知られるようになった、シューレス・ジョーことジョー・ジャクソン選手とホワイトソックスの八百長事件、通称ブラックソックス事件で、屋台骨が揺るがされましたからね。なので、映画が大ヒットして、ジャクソン選手の永久追放取り消しと名誉回復を求める動きが盛り上がっても、公式声明でこの映画はMLBの見解に反しており見直す気はないと、プシャリと拒絶したぐらい。

メジャーリーグ(MLB)は選手/監督/リーグ&クラブチーム職員は元よりその被雇用者に対し;
・自身が関与していないとしてもいかなる「野球の試合」に対する賭けを処分の対象としている他、
・自身が関与している野球の試合に賭けることに関しては永久追放
というとても厳しいペナルティをかけています

https://twitter.com/takashikiso/status/1770614012902052170?t=hUEV4R9wj21-GgSJelpp4Q&s=19

さらに、通算最多安打・最多試合出場・最多打席・最多打数でのMLB記録を持つピート・ローズさえも、野球賭博で永久追放処分で、まだ解除されていないんですよね。現役時代から、ヘッドスライディングの闘志溢れるプレーで、大人気選手だったのに。それぐらい厳しい。まぁ、ピート・ローズの場合は、自分の監督していたチームの試合にさえ賭けていたし、しかもそれをずっと隠していましたからね。残念ながら 永久追放 が解除される可能性は低そうです。

また野球を対象とするものででなかったとしても「違法なスポーツベット」で賭けを行う、もしくは違法なベッティングそのものを主催する、もしくはその為に働くことも、コミッショナー判断でペナルティの対象となり得るとしています。

https://twitter.com/takashikiso/status/1770615065210945918?t=9Nr1hjuEB_H8wPuvgiNJgA&s=19

スポーツ界のトップ選手は、他の競技のトップ選手との交流も結構あったりしますからね。日本でも、プロ野球選手と大相撲の選手の、交流があったり。あるいは、怪我の治療を受けている医師やトレーナーなどが共通していて、そこから交流が深まることも、よくあります。極端な話、その個人的な交流から公にしていない怪我などの情報を得ることができれば、これはもう立派なインサイダー情報ですから。李下に冠を正さず、瓜田に沓を入れず。

現地報道では当初、水原通訳は「大谷選手が同氏がスポーツベッティングで多額の負債を抱えていることを知った上で、その肩代わりをしてくれたのだ」と説明していたことが報じられていますが、後に「大谷選手は何も知らない」とコメントを翻したと報じられています。これはおそらく、このMLBの規定に対して大谷選手にリスクを負わせない為に水原氏自身がスタンスを変遷させた結果だと思われます。

https://twitter.com/takashikiso/status/1770616066089320515?t=tNshnzN6FVipVPuz9eKM-A&s=19

どうも、ここが問題になっているようで。水原通訳は専属ですが、形式上はロサンゼルス・ドジャースが契約する形になっているので、ドジャーズ自体の管理責任が問われる……ということですね。球団が契約する形でないと、球団施設やベンチ入りとか、難しいですからね。そして、大谷翔平選手がこれは、賭博による借金と知った上で肩代わりしたかどうかで、責任も大きく変わってきますから。水原通訳としては、自分一人で泥をかぶる決心をした可能性はあります。

■黒い霧事件とNPB■

西鉄ライオンズの屋台骨を崩壊させ、後年の球団身売りにまで繋がった、西鉄ライオンズの黒い霧事件も、野球賭博を離れて、他の違法賭博の関与に飛び火しましたから、この危惧は実例があることなんですよね。このため元ヤクザで、野球好きでプロテストを受けたこともあり、元プロ野球選手の佐々木信也さんなどと交流もあった安倍譲二先生は、読売ジャイアンツの 牧野 ヘッドコーチは、自分たちを選手に絶対に近づけさせなかったと、回想されていました。

日本においても、スポーツ選手らの違法賭博への関与が問題となった事犯が複数件ありますが、なぜ彼らが「自分の関与する」スポーツ種以外の違法賭博への関与をも禁じられるかというと、自分自身が関与していない種目への賭博関与であったとしても、それ(その関与もしくはそこでの負債)を入口として違法賭博業者は選手やスタッフに対して「八百長」を持ちかけるというのが常套手段だから。

https://twitter.com/takashikiso/status/1770617462633201841?t=R79iy-DG5tv7Ua7Unp0eHA&s=19

上でも書いたように、野球選手と他のスポーツ選手との交流は思った以上にありますから。キャンプイン前の、自主トレーニングに、他の競技のスポーツ選手が参加するのは、春の名物にさえなっていますし。韓国や台湾のプロ野球でも、この野球賭博と八百長の問題は必ず通る道だったりしますから、根深いんですよね。日本の場合はハンディー師と呼ばれる人間が、オートレースの距離のハンディと同じように、チームの実力を勘案してハンディをつけると、青田昇さんが語っておられましたね。

一方で、そこに八百長疑惑が生じた場合、それが「本当にあったかどうか」を証明することはとても難しく、そこへの「関与」が判明した時点でリーグやチームのそれまでの試合全体の信頼性そのものが疑われることになる。これらを我々ギャンブル業界に関わる人間は「信用失墜行為」と呼びますが、MLBを含め多くのスポーツ競技団体はその「信用失墜」を防ぐ為に、違法賭博への関与そのものを禁止することが多いです。

https://twitter.com/takashikiso/status/1770618141410033817?t=UHM4JvFIuk3K79s5IxsQcA&s=19

その青田昇さんは、暴力団関係者との交流を認めて、第一次長島政権でのバッティングコーチの座を、追われていますし。日本の場合は、プロ野球の野球賭博と高校野球の野球賭博が、昔からの定番でしたが。黒い霧事件は当初、追求に熱心だった読売新聞が、自社の藤田選手の暴力団関係者の結婚式に出席したことが発覚すると、急に矛先が鈍りましたし。後に巨人軍の監督にもなった藤田氏は、ある選手の代理で出席したという噂もありましたね。

今回のケースに関しても、少なくとも水原通訳が違法なスポーツベット業者に対して数百万ドルレベルの負債を抱えていた事は判明しているワケで、通訳という立場だからこそ知り得るゲーム上の機密が漏洩している可能性は十分疑われるわけで「信頼失墜」は既に発生していると捉えるべき。だからこそ即日解雇となったのだと思われます。

https://twitter.com/takashikiso/status/1770619125607604523?t=nUWVC5LhdmExv-34yxBvWg&s=19

いくら大谷選手の通訳とは言え、数百万ドルの負債を抱えるほどの給料は出てないでしょうから、胴元が大谷選手の懐を当てにして、雀荘のアウトよろしく、気前よく貸してた可能性も。もちろん、最初から大谷選手を狙っての接近の可能性もあり、現時点では分かりません。水原通訳は、匿名で賭博をやっていたという情報も、出てきましたし。大谷選手が賭博と知ってて 補填したのなら、大問題に。

繰り返しますが、現状では情報が不足しており、あくまでも推測に過ぎません。続報を待ちたいところですが。いずれにしても、なんちゅうことをしてくれたって印象です。


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