見出し画像

体重差と格闘技

◉X(旧Twitter)を見ていたら、こんなポストが。なにか、女性のための護身術が定期的に流れてきますが。多少なりとも格闘技や武術をかじった人間としては、体重差がある状態であの手の技術は、何百回何千回と反復練習しても、よほど上手く決まらないと難しいです。そりゃあ、ツキノワグマに襲われて、偶然に巴投げが決まるなんて事例は複数ありますが。ゼロでないことと、50%以上の確率で成功するのは、意味が違いますからね。20キロも体重差があったら、ほぼこうなります。

体重差があれば、男性でもこうなります。

体重差って、本当に大きくて。 ボクシングがなぜ、フライ級からライトヘビー級まで、ほぼ3~6キロ刻みで階級を設定してるかといえば、それだけ技術では埋められない差が、大きいからです。ボディビルダーでも、同じ身長・同じ体脂肪率で、5キロも筋量が違うと、明らかに大きさの違いが素人目にわかるぐらい違います。いわんや10キロ20キロとか違うと、相手にならないです。成人女性の平均体重が平均体重がだいたい50キロぐらいですが、これはほぼフライ級(50.802kg以下)の体重になります。

体重が10キロ違えばライト級(61.235kg以下)で、フライ・スーパーフライ・バンタム・スーパーバンタム・フェザー・スーパーフェザー・ライトと6階級違います。20キロ違えばミドル級で、10階級も違うんです。世界記録でも7階級制覇ですから、ボクシング界のレジェンド中のレジェンでも、20キロも違ったら難しいんです。自分は、女子格闘家もスパーリングしたことありますし、現ダルビッシュ夫人の山本聖子選手とか165センチ59キロで、流石のパワーでしたし、あのレベルなら、並みの男性には力負けしませんが。

現実問題、屈強な男性が女性を殴っても、ワンパンチで失神ってことは、あんがい少ないんですよね。逆に、女性が男性を殴っても、一撃で相手の攻撃力を奪いことは至難の業。金的蹴りを言う人がいますが、「玉潰し骨法」と異名を取った喧嘩芸骨法や、試合での金的が認められていた大道塾でも、そう簡単には決まりませんしね。男は、本能的に守るので。女性が、本当に筋力さをある程度カバーできるのは、テコの原理を使う関節技で、襲われる状況を考えれば、寝技は有効なんですけどね。でも、地味だし、見栄えも良くないし、接触を嫌う女性が多く、あまり普及しません。

でも、護身術と言いながら、攻撃技を教えるような武術武道は、だいたいインチキと思ったほうがいいですね。ブラジリアン柔術が、最初から寝っ転がって戦うような、素人の反論に答えるのもバカバカしいですし。致命的な攻撃を避け、大怪我を避け、助けが来るまでの時間を稼ぐ、それが現実的な護身術。格闘家の間では、マラソンが最高の護身術と、だいたい結論が一致する理由です。繰り返しますが、生兵法は怪我の元。距離を取って逃げる、助けを求める、そもそも危ないところに近づかない、それが最良の選択肢ですから。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ