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お布団に、溶けだす、今

ここ数日、一気に寒くなった。布団に入ってもなかなか手足が温かくならない。夫の布団は温かいから、足を入れて暖をとる。

掛け布団は軽い羽毛布団より、重たい綿の布団が好き。昔からずっと使っている、お母さんの嫁入り道具だった布団。大好きなお布団を顔まで引き上げて、少しずつ体が温まっていくうちに、ふわふわと眠くなる。

寝る前に、いつもいろんなことを考えてしんどくなる。過去の自分を思い出して後悔したり、明日のことや、もっと先のことを考えて憂鬱になったり。でも最近は、寒いことに気持ちが集中するからか、だんだん温まっていくうちに、いつの間にか寝てしまうことが多い。

眠る直前の、うとうとしている時間はとっても幸せ。その瞬間、憂鬱な明日も、思い出したくない過去も、みんな忘れて、何もなくなる。そこにあるのは、隣に大切な人がいて、温かくて幸せな「今」だけ。この「今」が、ずっと続けばいいのにって思う。

ホットケーキの上のバターみたいに、温かさに溶け出して、なくなっちゃいたくなる。


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