一円も積もれば
何年も前、父親の机の上には1円玉が散乱していた。
掃除機をかけると吸い込んでしまう事があって
困ったので、紙製のパン型の貯金箱を置いた。
『1円玉、ココに入れてね。』
そう伝えると、彼はコツコツと1円玉を貯金箱に
入れ始めた。
数ヶ月すると、貯金箱は小銭でパンパンになり、
出して数えてみると、約1000円にもなっていた。
5円等も少し混ざっていたとはいえ、驚いた。
1円玉も積もれば山という事だ。
少しお金を足し、貯金箱の小銭は寄付した。
『貯金箱、1000円もあったよ。』
ただの1円と思っていたが、貯まった額を聞いて
驚いたのだろう。以後、空になった貯金箱に
お金が入る事はなかった。机の上に、小銭が
散らばる事も、今はもうない。
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